「チェンジ・マネジメント論」から考える、組織が変わらない理由
(本日のお話 2356文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は朝から昼近くまで、
社内のミーティング。
また、1件のアポイント。
夜は「ATD」(=人材開発における国際団体)の勉強会に
参加してまいりました。
*
昨日のテーマは、「チェンジ・マネジメント」。
『組織を変える基本 ~変革を成功させるチェンジ・マネジメント~』
ジェフリー・ラッセル/翻訳:野原裕美
の訳者であり、フライシュマン・ヒラード・ジャパン、
バイスプレジデントの野原氏より、講義を受けておりました。
非常に学ぶこと、考えさせられる事が多く、
実りのある時間でしたので、本日は、
そんなATDの「チェンジ・マネジメントの講義」からの学びを、
皆様にご共有させて頂きたいと思います。
タイトルは、
【「チェンジ・マネジメント論」から考える、組織が変わらない理由】
それでは、どうぞ。
■人材開発のキーワードで、
『チェンジ・マネジメント』
という言葉があります。
あまり人事に関係ない人は、
聞き慣れない言葉かと思いますが、
この言葉の意味は、こういう定義だそう。
”「チェンジ・マネジメント」とは・・・
業務や組織にかかわるさまざまな変革を推進・加速し、
成功に導くためのマネジメント手法”
つまり、平たく言えば、
『会社や組織を、変え続けられる仕組みの作り方』
といえるのでしょう。
皆様の会社にある問題点や、
変えたほうがいいところを、変え続ける手法があるよ、
ということだと思います。
■さて、そんな
「チェンジ・マネジメント」の講義の中で、
印象的だった話が、以下のような話でした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<会社や組織が変わり続けるサイクル>
1,組織は特定の領域だけ、いつまでも成長はしない。
人間のように、老いて、亡くなるもの(下降と崩壊をする)と知る。
↓
2,だから、成長していくと同時に、
うまくいっていても、「このままじゃヤバいよね」と、
どこかで自覚をする必要がある。
↓
3,どこかのポイントで、「塾達した領域」から
「新しい学習」への挑戦を始め、またその分野で「熟達」を始める。
↓
4,すると新しい成長が始まる。
↓
1、に戻る
以下繰り返し。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これを大事にしないと、
”組織は持続的に成長しない”
ということでした。
■逆に、
”組織が「崩壊」に向かっている兆候”
としては、以下のような特徴があるそうです。
それは、
・しばしばリーダーや従業員が、
「ウチってマジすごい」「ウチは優れている」と自画自賛をし始める。
・”これまでの考え・ルール”を壊そうとする人が無視され、
周辺に追いやられる。
・組織文化に馴染めない創造的な人たちが辞めていく。
・”自己満足”の雰囲気が見られる。
・リスクが忌み嫌われる。
新しいアイデアへ挑戦しようという空気がなくなる。
というような現象。
これが現れると、
もう「下降と崩壊」の始まりだそうです。
■ですが一方。
上記の話、実際はかなり多くの企業で、
当てはまるのではないか、と思うのです。
偉い人が上に、居座り続ける。
既得権は、その人の定年まで、変わらない。
当然、その上の人のスタイルが続く。
変えると大変。今のままでいい、
だから、”変わること”はない。
*
であれば、どうすればよいか。
組織を、「チェンジ(変革)」するために、
どのような「マネジメント(仕組み)」が必要なのか。
そして、そのプロセスが
『チェンジ・マネジメント』
がお伝えしている内容です。
大まかには、
1,変革の必要性を実感させる(過去を振り返る)
2,変革を導入する(混沌が起こる)
3,変革プランを更新し、確定する(探求、実験、発見)
4,変革を安定させ、維持する(未来を見る)
という流れ。
(※かなり深く、語りきれないため、詳細ご興味がある方は、
『組織を変える基本 ~変革を成功させるチェンジ・マネジメント~』
ジェフリー・ラッセルをご参照ください。)
■そして、上記の
「チェンジ・マネジメント」を動かすために、
具体的に何が必要なのか。
それが、
『「変革リーダー」がいること』
である、というのです。
その「一人」がいなければ、
そもそも何も進まない。
「変革リーダー」とは、
・変革を絶対やりとげる!という信念を持つ者
・火中の栗を拾いにいく覚悟がある者
・割の合わないことでも、損得ではなく、
”あり方”として貫ききれる者
・痛み、辛さを覚悟の上、突き進める者
・誰かのため、何かのために己の尽くせる者
そんな、「信念を持つ一人」。
昔の日本を変えた、大義を持った
「幕末の志士」のような人。
その者がいてこそ、
上記のプロセスは成し遂げられる、
というのでした。
■世の中には、「チェンジ・マネジメント」を始め、
”たくさんの手法・スキル”が開発され、
誰もが学ぶことができるようになりました。
でも、実際いくら、
「変革、改革のフレーム」を知っても、
出来なければ、意味がない。
多くの組織を見てきた、
講師の野原氏は「変革リーダー」を見つけるのが、
とても大変である、と言っていました。
そして、同時に言っていた言葉が、
非常に、心に残りました。
『皆さん、「チェンジ」は大好きなんです。
でも、自分が「チェンジ」するのはイヤ。それが本音。
”周りが変わればいい”、どこかでそう思っている。
だから、変わらないんです。』
と。
そして、この言葉を噛みしめると
もしかすると、私達(私も皆様も)、
思い当たるところがあるのかもしれない、
そんな事を思ったのです。
■「チェンジ・マネジメント」の仕組みを学んでも、
それを実行出来なければ意味がありません。
自分が泥にまみれても、
地べたを這いつくばってでも、
割が合わないとしても、
「正しい、やるべきだと思う」から、立ち向かうこと。
そんな「変革リーダー」が求められていますし、
そして、それはきっと、”誰か”ではなく”私”であるのでしょう。
結局は、覚悟。
損得ではなく、傷ついても、
”あり方””こうあるべき”を主張して
良い方向に変えていける、
そんな格好良い人物になっていきたい、
そんなことを、強く思った次第です。
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<今日の未来習慣>
「変化が必要」と言いながら、
「自分はこのままがいい」と思っていないか、考えてみる
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。