過去や未来でなく、”今この瞬間”に目を向ける
(今日のお話 2378文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
夜は定期的なコーチング(受講側)でした。
アポイントでは以前からご相談頂いていた、
あるメーカー様の海外子会社向けに、
米国でのマネジメント研修(英語)のご提案など。
しばしばお話を頂きますが、
フランクリン・コヴィーでは、
英語を始めとした各国の言語での海外研修なども行っています。
”グローバル化”と言われて久しい昨今。
「リーダーシップ」「マネジメント」などのテーマで、
世界的に研修を行いたい、ということがあれば、
ぜひお気軽にご相談下さいね。
営業のご案内はこれくらいにいたしまして(苦笑)、
早速ですが、本日のお話です。
昨日は ”ストレスから解放される考え方”、として
「マインドフルネス」というお話をお伝えいたしました。
よくわからなかった、という声も頂きましたので、
本日も続けます。
■「ストレス」というテーマについて、
少しだけ、私の身の上話をさせて下さい。
私の過去の話です。
(お急ぎの方は、読みとばし下さいませ)
私は、新卒のとき
とある有名外食チェーンに入社いたしました。
入社した動機は「成長をしたかったから」。
就職活動の中の「多くの経験ができる」という口説き文句と、
当時異彩を放っていた有名社長のカリスマ性に魅せられて、
その会社に入社を決めました。
「何がなんでも成長をしたい」。
こんな漠然とした、
強迫観念とも思える成長願望を抱えて、
日々過ごしていました。
「もっと頑張らねば…」
「まだ全然足りない…」
毎日、自分を追い立て続けます。
高熱が出ても出勤し、
月に2日の休みで働いたり、
朝10時から朝7時まで通しで勤務するなど、
目まぐるしい状況が1年続きました。
そしてある時、
店でとある人間関係のトラブルがありました。
その時に「ぷつっ」と何かが切れるような気がしたのです。
「こんなに成長、成長、と叫び続けた果てに、
果たして何が待っているのだろうか・・・」
こんな心の声が、自分の内から聞こえた瞬間、
張りつめていた糸が切れるかのように、
それから、全く頑張れなくなってしまったのです。
その後、ボロボロと崩れるように心身に支障をきたし、
そのまま会社を辞めることになりました。
■「ストレス」とは目に見えないものです。
そして、人によっても感じ方は違います。
私と同じような状況で働いていた人も、
元気な人は元気でしたし、
楽しそうな人は、毎日楽しそうに働いていました。
しかし、私は目に見えない中で、
気付かないうちに大きなストレスを抱えていた。
だから、「ぷつっ」と切れる瞬間が訪れたわけです。
では、元気な人もいる中で、
私はなぜゆえにストレスを感じ、
そして心身に支障をきたしてしまったのか。
ここが今日、皆様と、考えたいところなのです。
あくまでも私のケースではありますが、
今思えば、私のストレスが溜まり続けた原因の一つは、
「先の成長ばかり考えて、
今、この瞬間を楽しむことを忘れていたから」
ではなかっただろうか、とも思うのです。
「成長しなければ」と思うあまり、
今の自分と理想の自分のギャップを日々感じ、
”自分が足りないところ”にばかり目がいってしまった。
結果、毎日が辛くなってしまっていた、
そんな感覚があったように、今だからこそ感じるのです。
■「ストレスからの解放」をテーマに書かれた、
『ストレス・フリー』という本では、
”ストレスから解放されるための一つの要素”として、
【「マインドフルネス」… 今、この瞬間に集中すること】
という考え方を提唱しています。
「マインドフルネス」について、
以下、本文からの引用です。
英国人哲学者アラン・ワッツは、
マインドフルネスの本質を次のように解説する。
”交響曲は終わりに近づくほど良くなるとか、
演奏する目的は最終楽章を聞かせることにある、
などとは誰も想像しないだろう。
音楽の良さというのは、演奏し、
聴く瞬間瞬間に見出されるものだ。
私たちの人生を考えても、
このことが当てはまる部分が多いと私は思う。
そして、人生をより良きものにしようと夢中になりすぎると
(人生の最後の局面にばかり意識を向けるのも同じことだろう)、
人生を生きる楽しみをすっかり忘れてしまいかねない。”
「マインドフルネス」とは、
一度に一つのことだけに全神経を集中するということである。
要するに、過去や将来を始終気に掛けることに、
現在という時間を浪費するのをやめる、ということだ。
目の前にある現在という瞬間はストレスがないが、
過去や将来はそうとは限らない。
どちらについて考えるか、
決めるのはあなた自身である。
『ストレス・フリー』
(著:マイケル・オルピン、サム・ブラッケン)
■過去や未来を考えすぎると、
「あの時、ああすればよかった」
「明日はこんなにもやることがある」
「一体、いつまで忙しく働き続けるのだろうか」
と、杞憂、心配、後悔などの念が
頭を占領してしまうことがあります。
そして、ここで言いたいのは、
<このような”杞憂、心配、後悔”こそが、
ストレスの原因になっていることが多いのではないか>
ということなのです。
だから、
今この瞬間に集中しようとする
「マインドフルネス」
という考え方を意識的に取り入れられれば、
そのような杞憂、心配などの想い(=ストレス)から解放されやすくなるのではないか、
そのように伝えているわけです。
■とはいうものの、言うは易し、行うは難し。
そんなに過去、将来の不安を
すぐに忘れられれば苦労ありません。
私自身も、こんなことを書きながら、
いまだに心配したり、明日の不安を感じたり、
くよくよしたりすることも(残念ながら)まだまだ多いです。
しかし、一つ言えることは、
こういう発想(マインドフルネス)を知っているだけでも、
「いかんいかん。
今、自分はいらぬ取り越し苦労をしている。
今この瞬間を楽しもう。」
と自分を客観的に省みる、
きっかけにはなりえるということ。
そうすると、
今食べている美味しい食事とか、
これから訪れるだろう気持ちよい睡眠とか、
読んでいる本の世界観などに、
少しだけ集中できる気もするのです。
そして、それがストレス解放の一助になる、
これは経験則としてそのようにも感じるのです。
「ストレス」というのは幅広いもので、
特効薬はなかなかないのかもしれません。
でも、ストレス解消の小さな工夫を実行してみる価値はあるはず。
そんな意味合いも込めて、
本日のお話が参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。