「欠乏」マネジメント
(本日のお話 1754文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
夜は、少し早く帰ることができため、
体を動かしたくなり、テニススクールへ。
やはり、運動すると元気になります。
体と心は繋がっているな、と運動するたび思います。
*
さて、本日のお話です。
先日、テレビで”教育経済学者”と称される、
中室牧子教授がある番組に出演されていました。
(ちなみに中室牧子氏は、
『「学力」の経済学』
という、20万部以上売れたベストセラーを書かれました。
この本も非常に「なるほど!」と思わされます。
特にお父さんお母さんには、ご一読をお勧めいたします。)
そんな中室氏が、
”「欠乏」の経済学”
なる話がされており、
その話が大変納得するものでした。
現代の私たちに必要な話だな、とも感じたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「欠乏」マネジメント】。
それでは、どうぞ。
■「欠乏」。
あまりプラスのイメージない、この言葉。
しかし、経済学的に言えば、この
”「欠乏」が生み出すメリット”
なるものが、証明されているそうです。
そのメリットとは、一言で言えば、
『集中ボーナス』
である、とのこと。
読んで字のごとく、
”「集中」することで「ボーナス(=高い成果)」を生み出せる”
ということです。
*
「足りない」状態は、
すべからく集中力を生み出します。
例えば、
・締め切りまで、時間が「ない」
・使えるお金が、これしか「ない」
・最後の試合、あとシュート一本しかうて「ない」
こういった状態は、
「それしか見えない」という、
”他を一切排除した集中モード”に、
没入させる作用があることがわかっています。
だから、ある意味、
「”欠乏”があることで、
通常よりも、高いパフォーマンスを出せる。
では、”欠乏”を歓迎すればよいじゃないか」
とも思えるわけです。
締め切りをじゃんじゃん作って、
時間を、お金を、チャンスをどんどん限定して、
意図的に「欠乏」状態を作れば良い。
そうすれば、
”「欠乏」によって高いパフォーマンス」
を生み出せる。ラッキー!”
となる。
これもまた一つの答えです。
■しかし、話には続きがあります。
この「欠乏」による
『集中ボーナス』は、
”代償”も同時に生み出すのです。
それは、
「目の前のことだけに集中すると、
”それ以外のことが、全く疎かになる”」
ことが、すべからく起こる、ということ。
例えば、
”今の仕事で締め切りまで時間が”ない”。とします。
つまり、「欠乏」状態です。
このときには『集中ボーナス』働き、
ものすごい集中力で、仕事を進めることができます。
しかし、この『集中ボーナス』を多用すると、
そのことしか見えなくなる。
だから、例えば、
・友人との人間関係
・家族との時間
・自らの健康
・新しい学びのための投資の時間
などが、必ず疎かになる。
そして、そんな「集中」状態にハマリ続け、
1年も2年も、ある時、妻(夫)が、
「あなたは私と子供のことを、全然考えていない。
もう、耐えられない」
みたいな話になったり、
「何だか体がだるいと思ったら、
体に重大な病が見つかった(健康診断を怠っていた)」
というような話になったり・
そんなことが、
起こってしまったりする。
■緊急なことに対処し、
そのことに没頭しているときは、
ある意味、気持ちがいいものです。
まるでジェットコースターのような、
興奮と、集中力と、充実感などを
覚えることができるもの。
しかし、目の前の出てきた、
モグラしか見えない状態が続くと、
やはり成果は限定的になるとも感じます。
高い成果を”出し続けよう”とするのであれば、
没頭するだけでなく、広く俯瞰する目も必要です。
そしてそのためには、
『緊急じゃないけど、重要なこと』(=第二領域)
を意識し、時間を使うことが必要です。
「欠乏」を感じ、
仕事に没頭する時期も大事だけれど、
・友人との人間関係
・家族との信頼関係
・健康のメンテナンス
・より高い視野を持つための学習
これらも、とても大事だと思うのです。
このバランスがあってこそ、
人は、人らしく生きていける、
私はそう思います。
■バランスが大事です。
「欠乏」が生み出す、
集中力(メリット)。
「欠乏」が生み出す、視野狭窄とも言える、
”それしか見えない”症候群(デメリット)。
それらの、メリット、デメリットを把握した上で、
”【「欠乏」マネジメント】を心がける”
こと、このジェットコースターのような
スピードの速い現代だからこそ大切な考えだと、
改めて思う次第です。