水が高きから低きに流れるように、
「熱意」も高きから、低きに流れる”
(本日のお話 1952文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、2件のアポイント。
並びに、夕方より御殿場に移動し、
富士山のふもとの乗馬クラブにて宿泊。
これから取り組んできた、「サムライ塾」の合宿です。
私にとって、1年で最大のイベント。
この1年間、仕事でも「7つの習慣」を始めとした人材育成を提供してきました。
また、プライベートでも、ウルトラマラソン、またその他のチャレンジなど、
ある意味すべての時間を人材育成(=自分を含む) に関わることに、
費やしてきたと感じています。
*
その中で、改めて
「リーダーシップ」に関わることで、
根本的で、絶対に外せないと感じる気付きがありましたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【水が高きから低きに流れるように、
「熱意」も高きから、低きに流れる】。
それでは、どうぞ。
■仕事をしていても、
マラソンをしていても、
勉強をしていても、かねてから、
常々思うことがあります。
それは、
“人は基本的に、楽をしたい。
辛いことからは避けたい生き物である”
ということ。
しかし、一方、矛盾を抱えた、
不思議な生き物でもあります。
なぜでしょうか、
「充実していたときはいつか?」
「一番、成長したと思うときはいつか?」
など問うてみると、
「猛烈に大変だったあの時」を
上げる人が、結構いるものなのです。
きっと、“自分の全てを出し切った瞬間”というものは、
自分にとって自信につながるものだし、
かけがえのない思い出になるのでしょう。
■しかしながら、やっぱり
「キツい」のは避けたいもの。
望んで「厳しさ」「辛さ」に突入できる人は、
なかなかいないものです。
だから、つい、易きに流れてしまう。
*
私の昔話ですが、「人が易きに流れる」事を感じる、
とある思い出があります。
私が新入社員で入ったとある飲食チェーンでの話です。
そのお店は、普通の居酒屋ではなく、
三軒茶屋の一等地にあるちょっと小洒落た、
イタリアンバー風のお店でした。
そして、そのお店のオープニングの
立ち上げに関わることになったときの話です。
オープニングがいよいよ始まる、という時に、
そこを統括するスーパーバイザーのSさんが、
こんな話を店長、社員にしたのでした。
「お店のモラル(基準)はオープニングが1番高い。
そこから、嫌でもどんどん基準は下がっていく。
お店はゆるく、汚くなってしまう。
だから、君たち(店長、社員)は、
そのモラルを高く保たなければいけない。
そうしないと、お店はすぐだめになる」
そんな言葉でした。
■その時は、どういう意味なのか、よくわかりませんでした。
しかし、お店を2店舗、3店舗と異動するうちに、
その意味が少しずつわかってくるようになりました。
ほとんどの店は、店長で決まります。
熱量が高く、高いビジョン、基準を持つ店長がいる店は、
同様に高い基準を持ちます。
店長の熱が、社員、アルバイトに
伝わって、伝播しているのです。
しかし、店長が馴れ合いになり
「まぁ、そこそこでいっか」というお店は、
やはりそれなりの基準しか持ち得ていない。
同じマニュアルのはずなのに
料理も、挨拶も、清掃も、
そして働く人のモチベーションも、
見る人が見れば、全くクオリティーが違う。
店長によって、まるで違う店のようになるのです。
よく、
「組織はトップで決まる」
と言いますが、まさしくその通りなのだ、
そう、強く思った記憶があります。
■そして、冒頭の、
「人は“楽”をしたくなる生き物」
ということ、併せて考えたとき。
リーダーのあるべき姿とは、
『誰よりも高い基準(ビジョン)を持ち、
それを伝播させることが出来ること』
ではなかろうか、
そう思ったのです。
チームのトップであるリーダーが、
そこそこの熱量しか持たなければ、
メンバーはそれ以下にしかなりません。
なぜならば、人は易きに流れやすい。
普通の人達は、楽をしたくなる。
リーダーが「凄まじき熱量」を持たなければ、
基本的には、それ以上の熱量を下が持つことはないのです。
だからこそ、
【水が高きから低きに流れるように、
「熱意」も高きから、低きに流れるもの】。
である、
そのように思うのです。
■そして、「熱意」と言うものは、
言葉を超えたものです。
その人の目の力や、
語気の強さや、
何気ない佇まいなど、
見えないところから、滲み出てくるもの。
だからこそ、
常に自分の思いを高く持ち続けなければいけないし、
本物であるためには、365日24時間、
そのことを考え続けなければいけない、
そのように思うのです。
自分の心の中の大きく燃え上がった「ろうそく」が、
他の人のろうそくに火をともすように、
少しずつ伝播し、将棋倒しのように燃え広がっていく、
それこそが、ホンモノのリーダーなのだろう、
そんなことを思った次第です。