『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』
(本日のお話 1569文字/読了時間1分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、職場の方、妻、友人を含めて、
「酵素ジュースづくり」をしていました。
朝5時からスタートして、狭山市まで。
約20キロの野菜、果物、根菜をひたすら切り、
砂糖や酵素の素成るものを調合し、漬物樽に
大量の“秋の酵素ジュース”を作成しておりました。
そして帰ってからは、読書、ならびに、
約1ヶ月前のフルマラソン以来動かしていない体を覚まさせるべく、
軽くランニングなど。
*
さて、毎週日曜日は、
今週のオススメ本をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』(鄭 雄一 (著))
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です。
■この本の著者の鄭先生。
東京大学医学部の教授なのですが、
先日、偶然ご縁を頂いた同じく東大の教授から、
「これは素晴らしい本である」
とお勧めいただいたところから、
読んだ一冊です。
そして、本当に「納得!」の一冊でした。
タイトルに、
“「東大理系教授が考える」
とあるのですが、
“道徳“という曖昧に見えそうなテーマが、
ロジカルに、だからこそ、文化の違いを超えて
伝わるように感じたのです。
■さて、以下、読んだ内容から
学んだ内容です。
世の中を見渡してみると、
多くの戦争が、「考え方の違い」によって引き起こされること、
とても多いです。
そして、何が戦争、テロ、事件が起こるたびに、
多くの人が思います。
「こんな争いごと、なくなればよいのに」
と。
■『道徳のメカニズム』によると、
争いごとのそもそもの発端は、
「あいつは仲間じゃない」
(=肌の色が違うから、考えが違うから)
という考えから生まれる、といいます。
武士と農民、
上士と下士、
白人と黒人、
人種や身分、立場の違いによって、
「違い」が定められ、
「あいつは仲間じゃない」
という考えから、
差別や敵愾心が生まれたりします。
学校などのいじめもそう。
やっぱり原因は「あいつは違う」という
「仲間はずれ」から始まるものです。
このことは、私達も感覚的にわかることでしょう。
■そして、そういった世の中に蔓延する
「違い」が、争いを生み出す。
しかし、考えてみれば、
イスラム教も、キリスト教も、
ヒンドゥー教も、仏教も、
あらゆる考え方は、
「人が幸せになる」ためのものであり、
言っていることも、根本は同じである、
ということも皆、なんとなく感じています。
『仲間を大切にしましょう』
『人にして欲しくないことはしないようにしましょう』
結局、本質を探っていくと、
そんな話になるようです。
■『道徳のメカニズム』では、
色々な考えがあるこの世界の中で、
東大教授が、理系的に「道徳」を分析していきます。
どの考えでも必須である、
「道徳とは何か?」
を紐解いていきます。
「仲間とは何か?」
「人を殺してはいけないのか?」
「とすると、死刑はなぜ許されているのか?」
これらの、子供に訊かれたら、
答えに窮してしまいそうな「道徳」について、
明確、かつ、非常に納得いく考え方を
示してくれるのが、この本です。
私はこの本を読んで、
「世界の人がこのようなルールを持てば、
それぞれの宗教、価値観を尊重しつつ、
世界は平和になるのだろうな」
と思いました。
「道徳」とは、なんだろう?
平和とは、どうやれば実現できるのだろう?
そんな疑問を持ったことがある方は、
ぜひ一読をおすすめします。
正しい、正しくないという価値観の押し付けあいを超えた、
“新しい解決策”に気がつけるはずです。