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1375号 2017年11月19日

『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』

(本日のお話 1569文字/読了時間1分半)
■こんにちは。紀藤です。

昨日は、職場の方、妻、友人を含めて、
「酵素ジュースづくり」をしていました。

朝5時からスタートして、狭山市まで。
約20キロの野菜、果物、根菜をひたすら切り、
砂糖や酵素の素成るものを調合し、漬物樽に
大量の“秋の酵素ジュース”を作成しておりました。

そして帰ってからは、読書、ならびに、
約1ヶ月前のフルマラソン以来動かしていない体を覚まさせるべく、
軽くランニングなど。



さて、毎週日曜日は、
今週のオススメ本をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』(鄭 雄一 (著))

====================================

です。

■この本の著者の鄭先生。

東京大学医学部の教授なのですが、
先日、偶然ご縁を頂いた同じく東大の教授から、

「これは素晴らしい本である」

とお勧めいただいたところから、
読んだ一冊です。

そして、本当に「納得!」の一冊でした。

タイトルに、

“「東大理系教授が考える」

とあるのですが、
“道徳“という曖昧に見えそうなテーマが、
ロジカルに、だからこそ、文化の違いを超えて
伝わるように感じたのです。


■さて、以下、読んだ内容から
学んだ内容です。


世の中を見渡してみると、
多くの戦争が、「考え方の違い」によって引き起こされること、
とても多いです。

そして、何が戦争、テロ、事件が起こるたびに、
多くの人が思います。

「こんな争いごと、なくなればよいのに」

と。


■『道徳のメカニズム』によると、
争いごとのそもそもの発端は、

「あいつは仲間じゃない」
(=肌の色が違うから、考えが違うから)

という考えから生まれる、といいます。

武士と農民、
上士と下士、
白人と黒人、

人種や身分、立場の違いによって、
「違い」が定められ、

「あいつは仲間じゃない」

という考えから、
差別や敵愾心が生まれたりします。


学校などのいじめもそう。
やっぱり原因は「あいつは違う」という
「仲間はずれ」から始まるものです。

このことは、私達も感覚的にわかることでしょう。


■そして、そういった世の中に蔓延する
「違い」が、争いを生み出す。

しかし、考えてみれば、

イスラム教も、キリスト教も、
ヒンドゥー教も、仏教も、

あらゆる考え方は、
「人が幸せになる」ためのものであり、
言っていることも、根本は同じである、

ということも皆、なんとなく感じています。


『仲間を大切にしましょう』

『人にして欲しくないことはしないようにしましょう』


結局、本質を探っていくと、
そんな話になるようです。


■『道徳のメカニズム』では、
色々な考えがあるこの世界の中で、
東大教授が、理系的に「道徳」を分析していきます。

どの考えでも必須である、

「道徳とは何か?」

を紐解いていきます。


「仲間とは何か?」
「人を殺してはいけないのか?」
「とすると、死刑はなぜ許されているのか?」


これらの、子供に訊かれたら、
答えに窮してしまいそうな「道徳」について、
明確、かつ、非常に納得いく考え方を
示してくれるのが、この本です。


私はこの本を読んで、

「世界の人がこのようなルールを持てば、
それぞれの宗教、価値観を尊重しつつ、
世界は平和になるのだろうな」

と思いました。


「道徳」とは、なんだろう?
平和とは、どうやれば実現できるのだろう?

そんな疑問を持ったことがある方は、
ぜひ一読をおすすめします。


正しい、正しくないという価値観の押し付けあいを超えた、
“新しい解決策”に気がつけるはずです。

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