メールマガジン バックナンバー

564号 2015年6月29日

若手から学ばせない 

(今日のお話 2239文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。

週末はテニスの練習と、
メルマガサイトの改善など第二領域活動。

あまりお伝えしていなかったのですが、
取り組んでいるテニス以外のもっぱらの活動は、
メルマガサイト「未来習慣」のバージョンUPです。

約1か月前にリリースしたこのサイトですが、
実は陰ながら、

・サイトのユーザー分析、
・ページ滞在時間
・どのページに興味を持ってもらえているか、

などなどを、分析し始めました。

手前味噌ではありますが、
「何かを続けよう」とされる方にとって、
メルマガが少しでも力になれば、という想いも持って、
日々発信しております。

既に仕事を超え、
ライフワークとなったこの取り組み。

私はこの日々の発信を、
しつこく、死ぬまで続けるつもりでございます。

Facebookページなども作り、
バージョンUPをこれからしてまいりますので、
ぜひ今後ともよろしくお願いいたします!

■さて、前置きが長くなりましたが、
本日のお話です。

先日学ばせて頂いた、
「ドラッカー」の講演から、
”組織を変えるポイント”について、
講師の方のお話を共有できればと思います。

ドラッカーの学び、第三弾。


■ある建築会社でのお話だそうです。

経営幹部から若手に対して、
「マネジメントを勉強させたい」
とオファーが講師の方にあったそう。

なぜ経営幹部の方ではなく、若手が対象なのですか?
と聞いたところ、

「いや、もう経営幹部は年齢が高いから。
 これからの将来を担う若手に学ばせたいんだよ」

との回答。

・・・であるならば、ということで、
若手の優秀な方にドラッカー・マネジメントを学ぶ、
ワークセッションが開始されました。


■若手のワークセッションの学びの中で、
ドラッカーがいう教えの一つ、

『最大のコストに注目せよ』

という項目があり、
それを自社の会社に当てはめて考えたそう。

優秀な若手同士での
「ああでもない」「こうでもない」
という侃侃諤諤の果てに、
自社の最大コストは「外注費」であることを突き止めます。

そして、経営幹部の方に、
学んだことを「改善案」として提案する機会を、
若手は得ることになりました。

内容は「コスト削減について」。

若手のドラッカーから導き出された対策は、
”「外注費」を削減すること”。

誰から見ても、
非常に筋が通った提案でした。


■しかし、皮肉にも、
「コスト削減キャンペーン」が、
よりによって経営幹部から打ち出された直後でした。

ドラッカーを学んでいない経営幹部は、
『最大のコストに注目せよ』という言葉は知りません。

だから、そのとき目立っていた、

「”通信費”を削減する」

ということを主力活動として打ち出していたのです。

そんな中、若手が経営幹部にプレゼンをします。

「ドラッカー・マネジメントでは、
 『最大のコストに注目せよ』、ということを学びました。
 
 私たちに当てはめて考えた場合、
 例えば、それは”通信費”などではなく、
 「外注費」だとわかりました。
 
 ですから、”通信費”ではなく、
 外注費を減らす活動をしてはいかがでしょうか」


■「例えば、通信費などではなく…」、

若手がこの言葉を放った時、
一瞬空気が固まりました。

若手の提案は、経営幹部で話し合い、
決定した意見を真っ向から否定するもの。

そして経営幹部は、若手にこういいました。

「よくがんばったね。ありがとう。」
・・・

そして、その後、経営幹部は、
ドラッカー・マネジメントを若手に学ばせる企画を
中断する決定をします。

その理由は、こう。

「最近の若手は、やることもやっていないのに、
 知識ばっかり先行して、頭でっかちになっている」


■会社を良くしようとして、
導入したドラッカー・マネジメントだったはずなのに、
良くするどころか、
経営幹部と若手の間に、いたずらに
溝を作ってしまった結果になってしまった。

こんな状況に悩んだ中、ドラッカーの第一人者である講師の先生は、
当時直接ドラッカーに相談をしたそうです。

「経営幹部から依頼があって、
 若手の方にドラッカーを学んでもらいました。
 
 その結果、組織が良くなるどころか、
 逆に仲が悪くなってしまった…。
 
 果たして、どうすればよかったのでしょうか…?」


■そして、その際に、
ドラッカーが実際に答えた内容が、
このようなものでした。
(今日のポイントです)

「それはね、【学びは上から行かなければいけない】んだよ」
・・・

さて、いかがでしょうか。

人事研修に関わっていらっしゃる方であれば、
共感される方もいるかもしれません。


■この話を聞いたときに思うのが、

「個人の学び」と「組織の学び」は違う、

という一つのルールを忘れてはならない、
ということです。

どんなにいい話でも、
それを受け止めるかどうかは、
”感情”が関わってきます。

先ほどのお話の「外注費を削減すべき」という話が
たとえ真実だったとしても、
若手が偉そうにいったことを、
上司は「はい、そうですね」と受け止められないことも、
人という生き物の性でしょう。

だからこそ、

「これはいい!」
「ぜひ組織に根付かせたい!」

とする考えがあるのであれば、
それが
”ドラッカー・マネジメント”だろうが
”コーチング”だろうが、
王道の考えとしてとして

【上から行かなければいけない(根付かない)】

ということは、念頭においておきたいものす。

私も「7つの習慣」を組織カルチャーへ、
と取り組まれる会社様で、一定の成果を感じられたところは、
殆どが経営幹部の方を巻き込めていた時でした。

難しいことでもありますが、
「組織の学び」を加速させるために、
押さえておきたいポイントですね。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 わるい時がすぎれば、よい時は必ず来る。
おしなべて、事を成す人は、
必ず時の来るのを待つ。

                 松下幸之助

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