若手から学ばせない
(今日のお話 2239文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
週末はテニスの練習と、
メルマガサイトの改善など第二領域活動。
あまりお伝えしていなかったのですが、
取り組んでいるテニス以外のもっぱらの活動は、
メルマガサイト「未来習慣」のバージョンUPです。
約1か月前にリリースしたこのサイトですが、
実は陰ながら、
・サイトのユーザー分析、
・ページ滞在時間
・どのページに興味を持ってもらえているか、
などなどを、分析し始めました。
手前味噌ではありますが、
「何かを続けよう」とされる方にとって、
メルマガが少しでも力になれば、という想いも持って、
日々発信しております。
既に仕事を超え、
ライフワークとなったこの取り組み。
私はこの日々の発信を、
しつこく、死ぬまで続けるつもりでございます。
Facebookページなども作り、
バージョンUPをこれからしてまいりますので、
ぜひ今後ともよろしくお願いいたします!
■さて、前置きが長くなりましたが、
本日のお話です。
先日学ばせて頂いた、
「ドラッカー」の講演から、
”組織を変えるポイント”について、
講師の方のお話を共有できればと思います。
ドラッカーの学び、第三弾。
■ある建築会社でのお話だそうです。
経営幹部から若手に対して、
「マネジメントを勉強させたい」
とオファーが講師の方にあったそう。
なぜ経営幹部の方ではなく、若手が対象なのですか?
と聞いたところ、
「いや、もう経営幹部は年齢が高いから。
これからの将来を担う若手に学ばせたいんだよ」
との回答。
・・・であるならば、ということで、
若手の優秀な方にドラッカー・マネジメントを学ぶ、
ワークセッションが開始されました。
■若手のワークセッションの学びの中で、
ドラッカーがいう教えの一つ、
『最大のコストに注目せよ』
という項目があり、
それを自社の会社に当てはめて考えたそう。
優秀な若手同士での
「ああでもない」「こうでもない」
という侃侃諤諤の果てに、
自社の最大コストは「外注費」であることを突き止めます。
そして、経営幹部の方に、
学んだことを「改善案」として提案する機会を、
若手は得ることになりました。
内容は「コスト削減について」。
若手のドラッカーから導き出された対策は、
”「外注費」を削減すること”。
誰から見ても、
非常に筋が通った提案でした。
■しかし、皮肉にも、
「コスト削減キャンペーン」が、
よりによって経営幹部から打ち出された直後でした。
ドラッカーを学んでいない経営幹部は、
『最大のコストに注目せよ』という言葉は知りません。
だから、そのとき目立っていた、
「”通信費”を削減する」
ということを主力活動として打ち出していたのです。
そんな中、若手が経営幹部にプレゼンをします。
「ドラッカー・マネジメントでは、
『最大のコストに注目せよ』、ということを学びました。
私たちに当てはめて考えた場合、
例えば、それは”通信費”などではなく、
「外注費」だとわかりました。
ですから、”通信費”ではなく、
外注費を減らす活動をしてはいかがでしょうか」
■「例えば、通信費などではなく…」、
若手がこの言葉を放った時、
一瞬空気が固まりました。
若手の提案は、経営幹部で話し合い、
決定した意見を真っ向から否定するもの。
そして経営幹部は、若手にこういいました。
「よくがんばったね。ありがとう。」
・・・
そして、その後、経営幹部は、
ドラッカー・マネジメントを若手に学ばせる企画を
中断する決定をします。
その理由は、こう。
「最近の若手は、やることもやっていないのに、
知識ばっかり先行して、頭でっかちになっている」
■会社を良くしようとして、
導入したドラッカー・マネジメントだったはずなのに、
良くするどころか、
経営幹部と若手の間に、いたずらに
溝を作ってしまった結果になってしまった。
こんな状況に悩んだ中、ドラッカーの第一人者である講師の先生は、
当時直接ドラッカーに相談をしたそうです。
「経営幹部から依頼があって、
若手の方にドラッカーを学んでもらいました。
その結果、組織が良くなるどころか、
逆に仲が悪くなってしまった…。
果たして、どうすればよかったのでしょうか…?」
■そして、その際に、
ドラッカーが実際に答えた内容が、
このようなものでした。
(今日のポイントです)
「それはね、【学びは上から行かなければいけない】んだよ」
・・・
さて、いかがでしょうか。
人事研修に関わっていらっしゃる方であれば、
共感される方もいるかもしれません。
■この話を聞いたときに思うのが、
「個人の学び」と「組織の学び」は違う、
という一つのルールを忘れてはならない、
ということです。
どんなにいい話でも、
それを受け止めるかどうかは、
”感情”が関わってきます。
先ほどのお話の「外注費を削減すべき」という話が
たとえ真実だったとしても、
若手が偉そうにいったことを、
上司は「はい、そうですね」と受け止められないことも、
人という生き物の性でしょう。
だからこそ、
「これはいい!」
「ぜひ組織に根付かせたい!」
とする考えがあるのであれば、
それが
”ドラッカー・マネジメント”だろうが
”コーチング”だろうが、
王道の考えとしてとして
【上から行かなければいけない(根付かない)】
ということは、念頭においておきたいものす。
私も「7つの習慣」を組織カルチャーへ、
と取り組まれる会社様で、一定の成果を感じられたところは、
殆どが経営幹部の方を巻き込めていた時でした。
難しいことでもありますが、
「組織の学び」を加速させるために、
押さえておきたいポイントですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。