代表的日本人は、「天」を主役にしていた
(本日のお話 1953文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
そして夜は「サムライ塾」の仲間と
電話会議にて打ち合わせ。
加えて“生産性”をテーマにした
「5つの選択」研修の実施立ち会いでした。
*
さて、最近は「働き方改革」と
叫ばれていますが、この「5つの選択」のテーマが
まさしく、『生産性向上』としています。
今の世の中、頭を使って働く知識労働者(私達ですね)は、
ただただ、闇雲に仕事をしても、「生産性」は上がりません。
闇雲に仕事をするのではなく、
・やることよりやらないことを決める
・あれもこれもやるのではなく、最もインパクトがある「1つの行動」を選ぶ
・高い「役割意識」を持つ
・エネルギーマネジメント(睡眠、食事、運動)をし、高い集中状態を保つ
などの工夫が必要になってきます。
そうすることで、1時間あたりの
「生み出す成果」が最大化される。
現代の、知識労働者のための
『卓越した生産性を実現する「5つの選択」』という研修です。
例えば、Microsoftのスウェーデンオフィスなどは、
この内容を全面的に取り入れて、成功をしています。
*
さて、本日のお話です。
最近読んでいる本で
内村鑑三の『代表的日本人』というものがあります。
この本を読みながら、
「精一杯生きるとは何か?」
について思い馳せています。
今日はこの内容について、
ご共有させていただくとともに、
思うところをお伝えできればと思います。
タイトルは、
【代表的日本人は、「天」を主役にしていた】。
それでは、どうぞ。
■幕末に生まれ、
明治を生きた内村鑑三。
新渡戸稲造の『武士道』と同じく、
この『代表的日本人』を“英語”で書きました。
1908年、まだ日露戦争を終わって間もない頃です。
西洋に追いつけ追い越せという、
明治時代に「日本人の魂とは何か?」を、
書き上げたのでした。
「代表的日本人」として
この本に取り上げられているのは以下の5人です。
西郷隆盛
上杉鷹山
二宮尊徳
中江藤樹
日蓮
この5人の人生を追いかけながら、
歴史を作ってきた「日本人」とはいかなる人だったのか、
このことを書き記している本です。
■さて、この5人に共通することは、何か?
それは、
『自分ではなく、自分を超えた「天」を相手にしていた』
といいます。
「天」というと、なんとなく、
現実離れした感覚がしますが、
同時に、誰もが何となくわかる感覚ではないでしょうか。
ある人は、それを「神」と呼ぶ。
ある人は、それを「サムシング・グレイト」(偉大な存在)と呼ぶ。
ある人は、それを「お天道様が見ている」と呼ぶ。
「自分を超えた何か」というものが、
目には見えないけれどもある、
そんな感覚は、日本人の中にも、
多くの人の中にあることであろう、
と私は思います。
■そして、江戸時代、高い精神性を持ち、
時代を超えて、平成の今にも影響を与えている、
“代表的日本人”は、『天』の感覚を持っていた。
すなわち、
「自分が何をしたいか」
というよりも、
『(「天」を主役として)自分が何をすべきか』
という感覚で、動いた、
と言います。
そこには、名誉や、お金や、地位など、は求めない。
一般的に、多くの人が「ほしい」と思うことは、いらない。
ただただ、「自分を超えた何かのため」に動いていた。
その行為が、何のメリットもなく、
大変な道で、人生を掛けてやることだったとしても、
それが、世のため、人のためになって、
「「天」の道具となって、自分がすべきこと」
であると感じて、命を惜しまず、
そこに邁進をしていった。
それが、先述の、
西郷隆盛
上杉鷹山
二宮尊徳
中江藤樹
日蓮
である、と言いました。
■この「精神性」は、
誰しもの心に、流れていると思うのです。
だから、今なお語り継がれるのです。
そして、その人生を「美しい」と感じ、
感銘を受けたりするのです。
私達も、今までの人生で、
「自分がよければいい」という事を超えたとき、
たとえ大変でも、
「皆のため、世のためになっている」
と心から思えた時は、
何とも言えない充実感を覚えることが、
しばしばあるのではないでしょうか。
それを「天」と呼ぶのか
「人生の意義」と呼ぶのか、
「皆のため」「世界のため」と呼ぶのか、
それは人それぞれですが、
自分の目先の欲求にとらわれない、
そんな美しい生き方をすること。
それこそが、結果的には、
真の充実感に繋がり、生きている感覚が
得られるものなのだろう、
そんなことを感じた次第です。
抽象的な話ですが、ご参考になれば幸いです。