人に、本当に想いを伝えようとするのであれば、”心・技・体“、揃えてこそ
(本日のお話 2234文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日“メルマガ、1300回”ということで、
ご感想、激励、嬉しいメッセージをいただきました。
メッセージをお送りいただきました皆さま、
本当にありがとうございます。
全く返信ができていませんが、
1通1通、心に染み渡るように読ませていただいています。
(折角お送りいただいているのに、申し訳ございません。
しかし、お送りいただいている皆様のお名前、
メッセージ、しかと受け取っております)
そのお言葉が、私の活力となっており、
「また少しでも役に立つメッセージを送ろう」
「もっともっと学ぼう」
と奮い立たせてくれます。
改めて、心より御礼申し上げます。
*
さて、昨日の活動ですが、昨日は4件のアポイント。
ならびに、夜からは「サムライ塾」のメンバー6人と、
来週に向けての打ち合わせを終電まで。
この「サムライ塾」なる学びの場、
改めて凄まじいな、と思ってやみません。
参加メンバーは完全に自由意志で、
ボランティアの体裁で集まって運営しているものの、
もはやボランティアなどではなく、魂を削って取り組んでいます。
仕事だから一生懸命、
プライベートは気楽にやるというのではなく、
「自分の生をまっとうする」
「自分の命を使う」
という意味では、
それが仕事だろうが、プライベートだろうが関係ない。
むしろそういった人達が集まると、
とんでもない熱量を放つものである、としみじみ感じます。
精神論のようですが、
「あらゆることを、真剣に、一生懸命に向き合う」
ことの美しさ、素晴らしさを、
心から感じる昨今です。
もっともっと、ドライブをかけてまいります!
(もちろん、仕事も、ですが)
*
さて、本日のお話です。
先日、人前で話をする機会があり、
そして、その時の、「自分が話している映像」を、
見る機会がありました。
そして、正直な話、愕然としました。
(悪い意味で、です)
それは、自分の目から見ても、
ただアツいだけで、あまりにも薄っぺらく見えたから。
客観的にそう思える、ということは、
他の人も、そう感じている、
ということに他なりません。
最近「人に真剣に伝えるとはいかなるものか」
ということを、頻繁に考えています。
ということで本日は、
【人に本当に想いを伝えようとするのであれば、
”心・技・体“、揃えてこそ】
というテーマで、思うところを
お伝えさせていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■毎日、このように、
“自分の考えを文字(メルマガ)にする”
ということをしていると、
「言葉を羅列する」
ということは、さして、
難しいことではなくなってきます。
だから、人前で
「“何か”、喋ってください」
と言われれば、“何か”を喋ることはできる。
しかしながら、”喋る”ことと、
“伝わる”ことは全く別物。
本当に、心から伝えたいと思うのであれば、
・然るべき熱量 そして、
・然るべき技量
が、十二分に必要である、
そう思います。
■先日日曜日、小説『本日はお日柄もよく』という本を、
メルマガでご紹介いたしました。
その際、
「言葉の力」
とは、すごいものがある、
ということをご共有させていただきました。
実際、過去には、
人々の心を響かせ、
人々の心を動かし、
そして、歴史を変え、歴史を残した、
そんなスピーチがありました。
例えば、
リンカーンの「人民の、人民による、人民のための」のゲティスバーグ演説、
キング牧師の「私には夢がある」という、黒人解放を訴えた演説。
などはその一例でしょう。
たとえ”言葉“がわからなくとも、
ズシリと心に響き渡らせるものがあり、
そして、音叉(おんさ)のように心が震え、共鳴し、ぞくそくする、
そんな感覚を覚えます。
■では、こういったスピーチが、
どうやって出来ているかというと、
決して、
「熱い思い“だけ”ではない」
ということ。
もちろん、熱く、爆発するような“熱量”がありながらも、
その“熱量”を、相手に届けるだけの、
・圧倒的な技量
・圧倒的な精神性(信念・軸)
を同時に備えている事に気が付きます。
ただ、熱く喚くだけではなく、
まるで、煮えたぎる”溶岩“のように、
静かだけど、とてつもない深みがある、
そんなことを感じるのです。
■世界的な演劇の舞台で活躍し、
観客全体を巻き込むことのプロフェッショナル、
とも呼べる先輩が、こんなことを言っていました。
それは、こんな話。
「ただ熱くなるだけでは、
人に影響を与えることはできない。
熱さの感情に任せるだけでは、“力強さ”は生まれないんです。
舞台の世界では、エネルギー量が最も高い芸能とは、
“『能』である”
と言われています。
“能”は、物凄くゆっくりした動きの中に、
溢れんばかりの想い、熱量を封じ込めて、
その中でゆっくり、ゆっくり動きます。
まるで“張り詰めた糸の中心”に内在する力のように、
その「熱さと静かさ」の引き合う中心にこそ、
人は力強さを感じ、圧倒されるのです」
そんなお話でした。
そして、そのお話を聞きながら、
「熱さ」「静かさ」のバランス、
閉じ込めてエネルギーの凄まじさの効果を、
しみじみと考えさせられたのでした。
■改めて思いますが、
人間が持つ偉大なる力の一つとは、
「言葉の力」
であると思います。
繰り返しますが、言葉だけで、
・人の心に火をつけたり、
・一瞬で大勢を味方にしたり、逆に敵にしたり、
・信頼を獲得したり、信頼を失ったりします。
そして、誰もが
人の輪の中で生きていくものです。
だからこそ、
“自分の想い”を歩留まり高く、正しく伝えよう、とするのであれば。
熱量に任せるだけではない、
一歩の視点を身につけること。
すなわち、
【人に本当に想いを伝えるために、
”心・技・体“、揃えていること】
このことが、大変に大事なのだ、
そんなことを思ったのです。
もちろん“熱さ”も大事。
でも、それに任せて、一方通行になってはいけない。
強い自戒を込めて、そう思う次第です。