『資本主義の終焉と歴史の危機』
(本日のお話 2883文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
本日は、土曜日に引き続き、
歴史やリーダーシップを学ぶ私塾「サムライ塾」にて勉強会、
打ち合わせなどで終日費やしておりました。
気がつけば最近、土日は全て「サムライ塾」で、
幕末史、世界史、経済などひたすら学んでいます。
日曜日が終わった今、まるで
人仕事終えた金曜日の夜のような気分ですが、ふと、
「明日からそう言えば月曜日なのだ」
と気が付き、不思議な感覚を覚えている
日曜の夜でございます(汗)
365日、フル稼働で邁進したいと思います。
(と言い聞かせてみたり)
*
さて、毎週に日曜日は、
私のお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週、皆様にご紹介させていただきたい本は、
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<今週の一冊>
『資本主義の終焉と歴史の危機』
水野和夫 (著)
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でございます。
■『資本主義の終焉と歴史の危機』。
何だか堅苦しいタイトルのこの本。
日曜日の朝からお昼にかけて、
「サムライ塾」の仲間たちで、
ディスカッションのテーマにした本です。
しかし、深い示唆に富む本でした。
ちなみに内容は、
こんな風に紹介されています。
(以下、内容紹介より引用)
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『資本主義の終焉と歴史の危機』内容紹介より
資本主義の最終局面にいち早く立つ日本。
世界史上、極めて稀な長期にわたるゼロ金利が示すものは
資本を投資しても利潤の出ない資本主義の「死」だ。
他の先進国でも日本化は進み、
近代を支えてきた資本主義というシステムが
音を立てて崩れようとしている。
16世紀以来、世界を規定してきた資本主義というシステムが
ついに終焉に向かい、混沌をきわめていく「歴史の危機」。
世界経済だけでなく、国民国家をも解体させる大転換期に我々は立っている。
500年ぶりのこの大転換期に日本がなすべきことは?
異常な利子率の低下という「負の条件」をプラスに転換し、
システムを構築するための画期的な書!
【目次】
はじめに――資本主義が死ぬとき/
第一章 資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ/
第二章 新興国の近代化がもたらすパラドックス/
第三章 日本の未来をつくる脱成長モデル/
第四章 西欧の終焉/
第五章 資本主義はいかにして終わるのか/
おわりに――豊かさを取り戻すために
引用:Amazon 内容紹介より
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■専門家ではない私たちにとっては、
なかなか難しい内容ですね。
ただ、一つ言えることは、
私たちは、今当たり前のように、
「資本主義」
というルールの世の中で生きています。
しかし、考えてみると、
「資本主義」なんてよく聞くものの、
“その実態がいかなるもので、
その仕組みがもたらすメリット、デメリットは、
どういったものなのか?“
そんなことについて語れる人は、
結構、少ないのではないかと思います。
ちなみに、「資本主義」とは、いかなるものなのか。
簡単に言うと、
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【資本主義(しほんしゅぎ、英: capitalism)】
または資本制は、
生産手段の私的所有および経済的な利潤追求行為を基礎とした経済体系である。
資本主義を特徴づける中心的概念には、
私的所有、資本蓄積、賃金労働、自発的交換、価格体系、競争市場などがある。
資本主義の市場経済では、投資の意思決定は
金融市場や資本市場の中で所有者によって判断され、
生産物の価格や配分は主に市場での競争によって決定される。
(引用:Wikipediaより)
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だそう。
全然簡単じゃありませんね。
何が何だかよくわかりません。
(賢くない私にとっては、チンプンカンプンでした)
■しかし、噛み砕いて、
この本を読んで理解するに、
要するに「資本主義」とは、
・利益を得ることが目的
・付加価値を付け売り、利益を増やしまくる
ことを世の中全体で目指すということであり
社会で「成長教」(=成長バンザイ!)になっているということ。
そして、その中で、
着目すべきは最大最強の武器が、
”「利子」というシステム”である、
という理解にいたりました。
“モノ”に付加価値を付け、売る。
そしてその究極の付加価値は
「形がないのに、お金でお金を生む」という、
「金融経済」でしょう。
■今でこそ、一般人の私達も、
NISA,投資信託、株、REIT、
投資をすると、お金が増える、ということは
一般的な常識になってきました。
しかしながら、同時に、です。
・「利子」とはそもそも何か?
・いつから始まった?本当にずっと続くの?
・持続可能なシステムなの?
・もたらす弊害はないの?
これらのことについては、考えたこともないし、
くの場合、そもそも「考えようとする機会すらない」
というのが、現実だと思うわけです。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
■2017年現時点で、
70億全員が幸せになるシステムなど、
未だ誕生していません。
「完璧なものがない」、ということは、
常に、変わる可能性があるということ。
実際、そうやって、歴史は代わり続けてきたのです。
そして、その兆候は常にあるけれど、
その兆候に気づいている人は、
『変化を見ようとしてきた人だけ』
であったことも、また真実なのです。
実際問題、トマ・ピケティが発表して一大ブームになった
『21世紀の資本』でも問題になったようなに、
・1%が、90%の独占している
・生まれたときから金持ちは金持ち、貧困層は貧困層のまま
・結局、相続したもの勝ち。資本があるもの勝ち
そんな悲しき事実は、
自由主義だ何だと言いつつ、
封建社会の殿様と農民の関係に逆戻りしている。
そして、そんな状況に「痛み」を感じている人が、
多数存在している。
そして、また、本日のテーマ本でもある、
『資本主義の終焉と歴史の危機』でもいわれるように、
”お金が余りすぎて利子がつかなくなっている”
というように、
【今の当たり前は常に変わる可能性がある(変化している)】
ということは、
歴史から脈々と繰り返され、
そして起こりうる兆候として、
知っておくこと。知ろうとすること。
それが、自分が生きている世界を客観的に見る、
「俯瞰の目」
を養うことになり、
長く続いていく人生で、
人に船のオールを渡さず、自分で舵を取る上で、
大切な「コンパス」「海図」を手に言えることに等しい行為である、
そう思うわけです。
■「知っていてもすぐに役に立たない」。
そんな知識こそ、実は重要です。
社会のシステムを知ろうとしなければ、
自分がどの位置にいるのかを知ることも出来ない。
不確定な時代だからこそ、
世界を見渡すための武器である、
「歴史」「経済」「これから起こりうる脅威」
などについて、わかりやすく、
素人でも理解できるような表現で伝えてくれる
良書と出会い、触れること。
こういった、
一見役に立たないような「無用の用」を読み、
そして、社会の仕組みを知ることが、
”人生を、真に主体的に生きる“
ために必要な教養ではないだろうか、
そんなことを思った次第です。
私自身、まだまだ勉強不足ですが、
基礎的な話を知っただけで、
世の中の見方が変わった気がしましたので、
みなさまにご共有させていただきました。
【自分の立ち位置を知るために、世界(経済の歴史の軌跡)を知る】
そのために、とても有意義な一冊だと思います。