『戦う者たちへ』
(今日のお話 2041字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、昼から「サムライ塾」の
次期候補生の面接、また夕方からは全体の勉強会ということで、
”明治神宮 至誠館(武道場)”
へと訪問し、館長の荒谷卓氏の講演を
拝聴してまいりました。
今日はこのお話も絡めつつ、
日曜日の恒例である「今週の一冊」を
ご紹介させていただきたいと思います。
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<今週の一冊>
『戦う者たちへ (日本の大義と武士道)』荒谷 卓 (著)
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それでは、どうぞ。
■話は変わりますが、以前、
私が英語学習のために利用していた、
オンライン英会話の「DMM英会話」。
これは世界の色々な人と、
スカイプを通じて英会話ができる、という、
オンライン英会話レッスンのシステムです。
このレッスンプログラムの中には、
色々な国籍、文化背景を持っている人がいるのですが、
その学びの中で、英語云々以前に、
非常に印象的だったのが、
「海外の人は、予想以上に”日本の歴史”に詳しい」
ということでした。
それはたまたまかもしれません。
ですが、あるセルビア人は、
「日本の”明治維新“は凄い。
あんな革命は世界から見てもないですよね」
と言っていたし、あるフィリピン人は、
「日本のサムライスピリッツ(武士道精神)は
本当にクールだと思っている」
とも言っていました。
■私たち日本人は、
周りを海で囲まれているという、
特殊な地理的特徴のため、
他の地続きの国と比べて、
”侵略された歴史”も少なく、
また単一民族であり、
「外の文化と自分達を比べる」
ということが少ないように思います。
だから自分達の、日本の文化が世界から見て
どのように見えているのか、ということも、
あまり考える機会がないのかもしれません。
しかしながら、感覚として思うのが、
「日本は魅力的な文化がたくさんある」
ということを常々感じますし、
それは歴史を学べば学ぶほど、
知れば知るほど、強くなっているな、
と思うわけです。
■さて、そんな文脈を経た上で、
今週の一冊『戦う者たちへ』のご紹介です。
これは、現在、大変有名な、
明治神宮 至誠館の館長であり、
日本の文化・歴史と向き合ってきた、
荒谷卓氏の著書です。
(そして、その荒谷氏の講演を、先日聞いてきたのでした)
内容は、このように紹介されています。
(以下、内容紹介)
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武士道を身につけた兵士を養成できれば世界最強の特殊部隊ができる。
自衛隊初の特殊部隊創設を任された著者は、
その行動理念を「武士道」に求め、
技術だけでなく精神面においても精強な部隊を創りあげた。
初の実任務となったイラク派遣では現地で民心をつかむ日本的手法が高く評価された。
日本の武道の目的は相手を殺傷することではなく、
相手の邪気を清め、共存共栄の道を開くことにある。
千年の時間をかけて創られた「武士道」の神髄に迫る!
引用:『戦う者たちへ』アマゾン商品の説明より
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記載の通り、この著者の荒谷氏。
彼は、元々は自衛官でした。
しかも、かなり特殊な経歴を持ちます。
自衛隊に所属しながら、日本の現状、世界の現状を鑑みて、そして
アメリカの特殊作戦群(グリーンベレー)や、
イギリス、ドイツなどで特殊作戦を学んだのち、
日本において、特殊作戦の重要性を語り、
「特殊作戦群」を初めて創設したという特異な経歴の持ち主です。
そのタイトル
『戦う者たちへ』
にもある通り、
”自分のためではなく、より大きなもののために命を賭ける”
ということを、命をかけて行ってきた、
日本のラスト・サムライとも言える方、
それが荒谷氏である、
著書を読み、そしてお話聞き、
そう強く感じたのでした。
■本当に強い人は、優しいです。
よく言われるように、
真の強さがあるから、人に優しくなれる。
そして、そういった「真の強さ」は、
人はなんとなく感じるものです。
かつ、日本の武道は、
そういった「本物の強さ」を求めてきました。
だから、
”相手を打ちのめすこと“ではなく、
”相手を受け止め、相手がよく負けたと思うほど
相手の力を同化させる“こと。
すると、負けた相手なのに、
戦っていた相手なのに、共存共栄の道を開くことができるようになる、
そんなものを身に付けていくのが
日本の武道の根幹にある、と荒谷氏は言うのです。
■それは、まるで、
”西洋のチェス”(取ったコマは使えない)のではなく、
”将棋”(取った相手のコマを使える)よう」。
それこそが、「和」を大切とする、
日本の武道の精神であり、
真の強さである、と言うのです。
■見えないところで、
強さを追い求め続け、
誰かのために、
国のために戦い続けている人が、
何を思い、そして何を大切にしていて、
何のために日々生きているのか?
そんなことを考えさせられる一冊です。
日本の歴史、武士道について、
より深く知る上でも、ぜひお勧めいたします。