「型」に振り回されず、「型」を支配する
(今日のお話 2145字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日はとある企業様にて4月に実施する
新入社員研修「ディスカバリー」
に向けて、その前に行われているという
「マナー研修」を、研修同士の接続を考えるため、
見学にいってまいりました。
ちなみに私たちは、普段
”考え方”にフォーカスをしたトレーニングを行っているため、
「マナー」という”決まった型”を伝えているシーンは、
とても新鮮で、印象的でした。
「ありがとうございます!」
「いってらっしゃい!」
「すみません!」
そんな基礎的な言葉を、
ハッキリと声を出す練習などを見て、
圧倒されてしまいました(汗)
実際の職場では、ここまで
声を張り上げて挨拶する先輩はいなかもしれません。
とはいえ、基本的な”型”を知らず、できず、
「あざす」とか「サーセン」など妙な挨拶の癖がつき、
本人も知らないうちに良くない印象を与えている場合もあったりするもの。
だからこそ、”型”とは、
やっぱり大切なものだよなあ、
そんなことを感じたのでした。
*
さて、そんな「マナー研修」を踏まえつつ、
本日のお話です。
今日は、マナー研修の
”型”の練習を見ながら、思うところがありましたので、
皆さまにご共有させて頂きたいと思います。
タイトルは、
『「型」に振り回されず、「型」を支配する』。
それでは、どうぞ。
■「マナー研修」。
新入社員では、多くの企業がやるであろう、
この研修の意味は、
”相手と気持ち良い関係をつくるための
しかるべき振る舞い、しかるべき言葉を身につけるもの”
などと言われます。
実際、先日登壇されていた講師の方も、
”電話の対応”なり、
”入室の時の挨拶”なり、
”名刺交換の時の対応”なり、
「トークスクリプト」という決まった”型”を、
何度も何度も練習するよう伝えるとともに、
「なぜ、この行動(マナー)なのか?
このマナーによって、何を実現したいのか?
相手とどういう関係を作りたいのか?
これを常に考えてください」
そう、新入社員の方々に伝えていたのが、
印象的でした。
■”会社の研修”においては
最終的に生み出したい結果というのは、
「ビジネスでの成果」
になります。
まあ、お金を払う会社としては、
当たり前の話ですよね。
”マナー研修”だろうが、
”ロジカルシンキング研修”だろうが、
”営業力強化研修”だろうが、
”リーダーシップ研修”だろうが、全部同じ。
お金をかけてやるからには意味があり、
その「究極の目的」は、やはり
「(ビジネスでの)成果を上げること」
が目的になるものでしょう。
だから、”マナー研修”で、
「名刺交換の対応」「電話の対応」
「入室時の挨拶」などを、飽きるほど繰り返すことは、
ビジネスの成果に直結する、
『相手から”信頼”を勝ち得ること』
を身につけるための練習、となるのでしょう。
■そして、思うのです。
そういったことを考えると、
「型」は大事であると同時に、
忘れてはいけないポイントとして、
『「型」だけやっていればいいとことはない』
ということは、
常に意識しなければならない、と思います。
というか、厳密に言えば、
お金をもらうプロフェッショナルである以上
【「型」に振り回されず、「型」を支配するレベルを目指す】
そんなスタンスが、
ものすごく重要なのではないか、
と思ったわけです。
例えば”マナー研修”。
「相手から”信頼”を得るための基本行動」
として、電話対応の練習などをしますね。
その「型」は、先人が生み出した、
多くの場面でヒット率が高い行動として構築したものですから、
”基本”としてよいものだと思います。
しかし、多くの場合、はじめは
その”基本的な「型」”に慣れないもの。
だから、慣れないうちは、
「トークスクリプトの言葉」に
意識が持って行かれてしまい、
機械のごとき棒読みのようになり、
『「型」に支配される』状態になる。
相手を心地よくするマナーのはずが、
”「型」に操られたマリオネットの如き様態”により、
むしろ相手からの信頼を失う、みたいな、
本末転倒なことも、起こりかねない、
とも思うわけです。
(例えば、「ああ、コイツ新人丸出しだな」
「あんまりできなさそうだな」みたいなイメージ)
■これは「型」を練習することが悪いとか、
そういう話ではありません。
そもそも目指す終着点を見据えているか、という話であり、
”「型」に振り回されているうちは未熟であり未完成”
ということを認識しているか、ということ。
「型」は大事だけれども、
その”型だけ”を真似て、ぎこちなさが残っている状況は、
まだまだ道半ばである、ということです。
武道の言葉で、
「守破離」というものがあります。
入門編は、型を「守る」ことから始まり、
そしてその次に、その型を「破る」。自分なりにアレンジする。
そして最後に、その「型」すら離れ、自らの道、「型」を統合していく、
そうなって、「本物」と言える、そんな話です。
実際、職業人としてお金をもらう以上は、
なんだか研修会社チックな理論かもしれませんが、
やっぱりそのレベルを目指していきたいし、
そう合ったほうが、会社も本人も生き抜く力も得られて、
幸せではないか、などと私は思ってしまうわけです。
■「型」とはとても大事なものです。
しかし絶対に忘れてはいけないものは
マナー研修であれ何であれ、
『その「型」で実現したいこと』
です。
だから、「型」通りにやればいい、
「型」に従ってただ言葉を出せばいい、
という、視座にとどまるのではなくて
それを何度も反復して、
自分の誠意が言葉に自然に乗るレベルまで、
何度も何度も何度も「型」を繰り返し、自分の血肉にすること。
そして成果につなげること。
すなわち、
【「型」に振り回されず、「型」を支配するレベルを目指す】
こと。
それが非常に重要なのではないか、
そんなことを思うのです。
研修などでは、それらが終わった瞬間に、
その「型」の練習を忘れてしまいがち、
なんて話をしばしば聞きますが、
使いこなしてこその「型」であり、
成果を出してこその「型」です。
可能性あふれる若き獅子達を見て
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日になりますように。