『精霊の守り人』
(今日のお話 1765字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
本日、日曜日は、
昨年から一緒に学んできた
「サムライ塾」の仲間と朝9時から18時まで勉強会。
日曜日にあえて学ぶ、
人が休んでいる時に勉強する、
という暑苦しい気持ちよさを、
感じる今日この頃。
不透明な世の中だからこそ、
学びの大切さ、そしてそれに付き合ってくれる
仲間のありがたさを噛み締めます。
1年2年ではなく、
この繋がりが10年後20年後にどうなるか、
本当に楽しみです。
自分も負けじと頑張ろうと思った日曜日。
*
さて、毎週日曜日は、
オススメの本をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。
今日ご紹介する本は、
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『精霊の守り人』 (新潮文庫) 上橋 菜穂子 (著)
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です。
■「精霊の守り人」という小説、
ご存知の方も多いかもしれません。
というのも、このお話、
アニメ化されたことを始めとして
NHKの大河ドラマにもなった、
非常に人気なファンタジー小説なのです。
(綾瀬はるか主演 NHK大河ドラマ「精霊の守り人」)
正直、ファンタジー小説というジャンルは
あまり読まないのですが、
この本は本当に「素晴らしい!」の一言。
読んだのは5年ほど前になりますが、
面白すぎて、ハマりすぎて、
挙句の果てには有給休暇をとって、
シリーズを読み漁ってしまうほどでした。
全ての子供達、
そして大人達に読んでもらいたい、
そんな心を鷲掴みされた本として、
今なお脳裏に刻まれています。
■さて、そんな
『精霊の守り人』のストーリー。
以下、アマゾンの書籍説明より引用です。
(ここから)
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老練な女用心棒バルサは、
新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。
精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、
異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。
建国神話の秘密、先住民の伝承など
文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、
数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。
痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
(第34回(1996年) 野間児童文芸新人賞 受賞)
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説明がなかなか難しいのですが、
ある不思議な架空の世界を舞台にした、
ファンタジー小説です。
古の時代の世界は、
きっとこんな感じだったのだろう、
とリアルに感じさせられる自然と帝国が織りなす世界観の中、
女用心棒のバルサと、
数奇な運命に巻き込まれた王子のチャグムを通じて、
国と国、人と人の想いが交わるストーリーが描かれます。
■この小説を読んで思ったこと。
それは、
「とにかく美しい」
ということ。
情景の描き方も、
世界観の設定も、
登場する人物の生き方も、
主人公の成長の軌跡も、
全てが生き生きとして、
美しい描かれ方をしているのです。
読んでいて、その情景が
「カラーで目の前に浮かぶ」ような、
そんなイメージ。
きっとそれは、もともと、
著者の上橋菜穂子さんが、
「文化人類学者」という仕事であり、
ファンタジー小説でながら、実際の古の世界の研究を
緻密にされてきたがゆえに、描くことが出来たのでしょう。
だから、
その根の部分にある
世界観が素晴らしく魅力的で、
物語を読み進めるにつれて、
どんどん引き込まれてしまったのでした。
■抽象的な書評ではありますが、
私が思ういい本とは、
「読んだ人の心に、プラスの痕跡を、
”余韻”を、長く深く、残し続けられる本」
であると思っています。
それはビジネス書だろうが、
小説だろうが、記事だろうが、
ノンフィクションの伝記だろうが、
なんでも良いのです。
ただ面白いだけでなく、
秀逸なストーリーと
表現力を踏まえて、
読者をその世界にのめり込ませ、
”価値観”や”世界観”すら変えてしまう本が、
「エネルギーが高い、娯楽を越えた本」
であると感じます。
そして、『精霊の守り人』は
間違いなくその類の本である、
私はそう思います。
■と、
自分で書きながら、
全く解説になっていないとふと気づきましたが
とにかく、いいです。
なので、
「あっ、面白そう」と思ったら、
ぜひ、読んでみて下さい。
よくあるビジネス書より、
よっぽど人としての”生き方”を考えさせられる、
素晴らしい本です。
間違いありません。
(と、心底思っております)