メールマガジン バックナンバー

1095号 2017年2月12日

『影響力の武器―なぜ人は動かされるのか』

(今日のお話 2032字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。

本日は朝8:00からテニス。

またその後は、家でごろりとしながら
のんびりKindleにて読書。

久しぶりに”小説”を読み進めています。
なんとなく難しい本とか、歴史の本を読むと、
賢くなる気もしますが、小説も凄く面白いよな、

と改めて思います。

ただの文字なのに、
それだけで想像を膨らませたり、
また涙を誘ったり、熱量を伝えたり、

私もメルマガを書いていて、
悩みで悶々としているときは、
なぜだかその「悲しさ」や「気分の乗らない感じ」が伝わるようです。

しばしば読者の方からも、

「何だか先週は元気がない感じでしたね」

とか、はたまた

「最近は、熱量に溢れまくっていますね」

などよくコメントをいただくのです。


「言葉」って、本当に奥が深く、
面白いものです。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、
「今週の1冊」のコーナーです。

皆さまに是非シェアさせていただきたい本を、
ご紹介させて頂きたいと思います。


「今週の1冊」は、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『影響力の武器―なぜ人は動かされるのか』

(ロバート・B・チャルディーニ (著)‚)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

です。""

■この本の”帯”には、
こんなことが書いてあります。


”あなたは経験がないだろうか?

「デパートの試食コーナーで試食したら、
 買わないといけないような気がする」

「欲しくもないのに高価な英会話の教材を注文してしまった」

「欲しいと思った携帯は決まって在庫切れになっている」”


この『影響力の武器』は、

人が社会的な生き物だからゆえ、

「どうしても動いてしまう法則」

「人が衝動的に従ってしまうルール」


のようなものがあるということを、
数々の実験から解明した本です。


■例えば、こんな話があります。


ある空港で、とある宗教団体が、
寄付を求めて、空港に立っています。

まず、ゲートを出てきた人に、
その宗教団体のメンバーが
”一輪の花”をおもむろに渡します。

「これは、私達の協会からのプレゼントです。
 どうか、受け取って下さい」

当然、相手の男性は断ります。

「いらないよ。」

しかし、もう一度、
メンバーはこう食い下がります。

「いえ、これは私達の気持ちなのです。
 ぜひ受け取って下さい」

そして、受け取ってしまうと最後。

不思議な心理が働くのです。


(花をもらって、「何も返さない」のは、
 なんだか悪い気がする)


そうして、男性は、その宗教団体の人に、
いりもしない「一輪の花の見返り」として、
1ドルか2ドル寄付を渡してしまう。

そうして、ようやく解放された感じがする、

というエピソード。


■この話は、人は

『返報性』という”人が突き動かされる法則”

の例として、紹介されます。


ポイントは、

『「別に欲しくもない」のに、
 ”返報性”(=返さないといけない)という感覚に支配され、
 動いてしまうという点』

なのです。

別に相手に恩義を感じているわけでもない。

欲しいものでもない。

でも、もらってしまったら、
何かを返さなきゃ悪い気がする。



そんなバカな、と思うのですが、
本当に、人はそのような単純なことで、

モノを買ったり、
お金を払ったり、
契約をしたり、

そんな「行動」へと突き動かされてしまうのです。



そんな、私達を、強制的に突き動かす法則が、
この『返報性』を含め、


『返報性』

『コミットメントと一貫性』

『社会的証明』

『好意』

『権威』

『希少性』


という、6つの武器がある、
というわけなのです。


■そしてこれらの
『人を動かす法則』を最大限活用している行為が、
何を隠そう、

「詐欺」

なのです。


・「何だかおかしいな」と思いつつ、
 熱狂する観客に混じって、
 自分も高級布団を買ってしまった。

・「最初にとても親切にされたから」という理由で、
 気付いたらその人と大きな契約をしてしまっていた。

・パリッとした格好、高級な腕時計、カバン、
 弁護士の名刺、相手が信頼おけるパートナーと信じ切ってしまった。


読めばわかりますが、これらの

「あるある詐欺」

は、100%、ぜーんぶ、
この『影響力の武器』を読めばわかります。


ちなみに、私も23歳のころ、
「時計詐欺」にあったことがありました。
(恥ずかしながら、)

(詳しくはコチラ↓)
第58号『詐欺師が幸せになれない理由』



当時、この『影響力の武器』を知っていれば、
そしてお酒を飲みすぎていなければ、
きっと騙されることはなかったはず。


■私達は生きる中で、

色んな人に出会い、
そして時に大きな買い物や
決断を迫られるときがあるでしょう。


そんな中、

理性的な判断を奪われ、
なんとなく、変な選択をしてしまった、

ということにならないよう、
「敵の手口」を知ることが大事だと思います。


また、同時に
これを”悪意”を持ってではなく、

”善意を持って”、正しく扱えば
人をプラスの方向へ導く、
この上ないほど強い武器に、間違いなくなりえます。


と、いうことで、
人という生き物を知るために、
私達の行動をしるために、
ぜひ読んで頂きたい一冊です。


特に、私のように詐欺にあった経験がある方は、ぜひ(笑)

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