『影響力の武器―なぜ人は動かされるのか』
(今日のお話 2032字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
本日は朝8:00からテニス。
またその後は、家でごろりとしながら
のんびりKindleにて読書。
久しぶりに”小説”を読み進めています。
なんとなく難しい本とか、歴史の本を読むと、
賢くなる気もしますが、小説も凄く面白いよな、
と改めて思います。
ただの文字なのに、
それだけで想像を膨らませたり、
また涙を誘ったり、熱量を伝えたり、
私もメルマガを書いていて、
悩みで悶々としているときは、
なぜだかその「悲しさ」や「気分の乗らない感じ」が伝わるようです。
しばしば読者の方からも、
「何だか先週は元気がない感じでしたね」
とか、はたまた
「最近は、熱量に溢れまくっていますね」
などよくコメントをいただくのです。
「言葉」って、本当に奥が深く、
面白いものです。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、
「今週の1冊」のコーナーです。
皆さまに是非シェアさせていただきたい本を、
ご紹介させて頂きたいと思います。
「今週の1冊」は、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『影響力の武器―なぜ人は動かされるのか』
(ロバート・B・チャルディーニ (著)‚)
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です。""
■この本の”帯”には、
こんなことが書いてあります。
”あなたは経験がないだろうか?
「デパートの試食コーナーで試食したら、
買わないといけないような気がする」
「欲しくもないのに高価な英会話の教材を注文してしまった」
「欲しいと思った携帯は決まって在庫切れになっている」”
この『影響力の武器』は、
人が社会的な生き物だからゆえ、
「どうしても動いてしまう法則」
「人が衝動的に従ってしまうルール」
のようなものがあるということを、
数々の実験から解明した本です。
■例えば、こんな話があります。
ある空港で、とある宗教団体が、
寄付を求めて、空港に立っています。
まず、ゲートを出てきた人に、
その宗教団体のメンバーが
”一輪の花”をおもむろに渡します。
「これは、私達の協会からのプレゼントです。
どうか、受け取って下さい」
当然、相手の男性は断ります。
「いらないよ。」
しかし、もう一度、
メンバーはこう食い下がります。
「いえ、これは私達の気持ちなのです。
ぜひ受け取って下さい」
そして、受け取ってしまうと最後。
不思議な心理が働くのです。
(花をもらって、「何も返さない」のは、
なんだか悪い気がする)
そうして、男性は、その宗教団体の人に、
いりもしない「一輪の花の見返り」として、
1ドルか2ドル寄付を渡してしまう。
そうして、ようやく解放された感じがする、
というエピソード。
■この話は、人は
『返報性』という”人が突き動かされる法則”
の例として、紹介されます。
ポイントは、
『「別に欲しくもない」のに、
”返報性”(=返さないといけない)という感覚に支配され、
動いてしまうという点』
なのです。
別に相手に恩義を感じているわけでもない。
欲しいものでもない。
でも、もらってしまったら、
何かを返さなきゃ悪い気がする。
そんなバカな、と思うのですが、
本当に、人はそのような単純なことで、
モノを買ったり、
お金を払ったり、
契約をしたり、
そんな「行動」へと突き動かされてしまうのです。
そんな、私達を、強制的に突き動かす法則が、
この『返報性』を含め、
『返報性』
『コミットメントと一貫性』
『社会的証明』
『好意』
『権威』
『希少性』
という、6つの武器がある、
というわけなのです。
■そしてこれらの
『人を動かす法則』を最大限活用している行為が、
何を隠そう、
「詐欺」
なのです。
・「何だかおかしいな」と思いつつ、
熱狂する観客に混じって、
自分も高級布団を買ってしまった。
・「最初にとても親切にされたから」という理由で、
気付いたらその人と大きな契約をしてしまっていた。
・パリッとした格好、高級な腕時計、カバン、
弁護士の名刺、相手が信頼おけるパートナーと信じ切ってしまった。
読めばわかりますが、これらの
「あるある詐欺」
は、100%、ぜーんぶ、
この『影響力の武器』を読めばわかります。
ちなみに、私も23歳のころ、
「時計詐欺」にあったことがありました。
(恥ずかしながら、)
(詳しくはコチラ↓)
第58号『詐欺師が幸せになれない理由』
当時、この『影響力の武器』を知っていれば、
そしてお酒を飲みすぎていなければ、
きっと騙されることはなかったはず。
■私達は生きる中で、
色んな人に出会い、
そして時に大きな買い物や
決断を迫られるときがあるでしょう。
そんな中、
理性的な判断を奪われ、
なんとなく、変な選択をしてしまった、
ということにならないよう、
「敵の手口」を知ることが大事だと思います。
また、同時に
これを”悪意”を持ってではなく、
”善意を持って”、正しく扱えば
人をプラスの方向へ導く、
この上ないほど強い武器に、間違いなくなりえます。
と、いうことで、
人という生き物を知るために、
私達の行動をしるために、
ぜひ読んで頂きたい一冊です。
特に、私のように詐欺にあった経験がある方は、ぜひ(笑)