メールマガジン バックナンバー

337号 2014年7月22日

あるじじいの話

■おはようございます。紀藤です。

3連休の方も多かったかと思いますが、
皆さまはいかがお過ごしでしたか。

私は会社の人たちと、バーベキューをしました。
家族も連れて、普段とは違った面が見えると、
とても新鮮に感じます。

■さて、本日のお話ですが、
「あるじじいの話」という考えさせられる
エピソードを見つけましたので、
皆さんにご共有したいと思います。


≪あるじじいの話≫

コンビニのバックヤードから、店長の太い声が微かに聞こえてきた。

「何でこんな簡単なことが出来ないんだ!
 前にも言っただろう!
 ドアを閉める時は静かにって!
 お客さんがビックリするだろう!」

アルバイトと思われる青年の返事までは聞き取れなかった。

しばらくすると店長が出てきて、レジにまわった。

そのレジの最後尾にじじいが並んでいた。

じじいの番がやってくると、
店長にこう尋ねた。

「さっきの話、聞いとったぞ。解決したんかのう?」

店長は言った。

「さっきのって・・・バックヤードの!
 聞こえていたんですか?恥ずかしい。
 一応アルバイトには躾のつもりで厳しく言ったので、
 多分もう大丈夫です」

「ほんとうにそうかのう?」

と言い終わると同時に「バタンっ!!」と音がした。

「な?」

店長は、お客さんが落ち着いたのを確認して、じじいの話を聞くことにした。

「どうしたら直るんでしょう?」

じじいは少し間を置いて、ゆっくりと話始めた。

「店長さんよ。
“ドアの音が鳴る”という現象を、
 誰が鳴らしているのか?
 じゃなくて、
 どうしたら改善できるか?
 の視点に変えなきゃいかんぞ!
 どうしたら改善できると思う?」

少し考えて、店長は言った。

「まずは店長である自分が気をつけて、
 ドアだけじゃなく、物を大切に扱う姿を見せる!
 ですかね・・・」

「ふぉ、ふぉ、ふぉ、
 優等生の解答じゃ!
 勿論それは素晴らしい。
 それで改善されることも多いじゃろうし、
 結果も出るじゃろう。
 ただ、お前さんのストレスが溜まっていくんじゃなかろうか?
 相手を変えずに自分を変える!
 これが一番カッコイイんじゃが、
 みんなが皆、それを貫ける強い人間ではない。
 じゃあどうするか?
 視点を変えるんじゃ!」

「視点を変える・・・」

「ドアの音が鳴らないように、クッションでも挟んでおけ!
 そもそも、相手を責めることじゃあないし、
 自分を責めることでもない!
 ただ、改善策を考えて、
 お互いが楽しく働いた方がいいじゃろう?
 責めた方も、責められた方も、いい気分はせんじゃろ?」

そう言って、せんべいだけ買って出て行ってしまった・・・

店長はさっそく改善策として、ドアの音が鳴らないようにクッションを挟んで、

「これでもう鳴らしたくても鳴らないからな!」

と、さっきのアルバイトと笑って話していた。

(おしまい)


■「7つの習慣」では、物の見方・考え方を
【パラダイム】という言葉で説明していますが、
人は一旦「こう」と思ってしまうと、
気付いていても、いなくとも、
その考えに縛られて、思考が柔軟にならないことも
しばしばあるようです。

「じじいの話」はあくまでも一つの例ですが、
何回やっても上手くいかないこと、
躓いてしまうことなどは、
じじいの話の店長のように、
”自分の見方”にしばられているのかもしれません。


■しかしながら、100人いれば、
100通りとまではいかなくとも、
色々な考え方、解決の方法が出てくるはず。

そう考えると、

”自分の見方だけでなく、違った見方もないだろうか?”

と積極的に自分に問いかけてみることで、
新しい行動が生まれ、
そして新しい結果が生み出されるのかもしれませんね。

見方を変える、考え方を変えてみる。

単純だけど、大切なことだと思う次第です。


今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日も素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 既知の世界から未知の世界に行かなければ、
人は何も知ることはできない。

               クロード・ベルナール 

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