あるじじいの話
■おはようございます。紀藤です。
3連休の方も多かったかと思いますが、
皆さまはいかがお過ごしでしたか。
私は会社の人たちと、バーベキューをしました。
家族も連れて、普段とは違った面が見えると、
とても新鮮に感じます。
■さて、本日のお話ですが、
「あるじじいの話」という考えさせられる
エピソードを見つけましたので、
皆さんにご共有したいと思います。
≪あるじじいの話≫
コンビニのバックヤードから、店長の太い声が微かに聞こえてきた。
「何でこんな簡単なことが出来ないんだ!
前にも言っただろう!
ドアを閉める時は静かにって!
お客さんがビックリするだろう!」
アルバイトと思われる青年の返事までは聞き取れなかった。
しばらくすると店長が出てきて、レジにまわった。
そのレジの最後尾にじじいが並んでいた。
じじいの番がやってくると、
店長にこう尋ねた。
「さっきの話、聞いとったぞ。解決したんかのう?」
店長は言った。
「さっきのって・・・バックヤードの!
聞こえていたんですか?恥ずかしい。
一応アルバイトには躾のつもりで厳しく言ったので、
多分もう大丈夫です」
「ほんとうにそうかのう?」
と言い終わると同時に「バタンっ!!」と音がした。
「な?」
店長は、お客さんが落ち着いたのを確認して、じじいの話を聞くことにした。
「どうしたら直るんでしょう?」
じじいは少し間を置いて、ゆっくりと話始めた。
「店長さんよ。
“ドアの音が鳴る”という現象を、
誰が鳴らしているのか?
じゃなくて、
どうしたら改善できるか?
の視点に変えなきゃいかんぞ!
どうしたら改善できると思う?」
少し考えて、店長は言った。
「まずは店長である自分が気をつけて、
ドアだけじゃなく、物を大切に扱う姿を見せる!
ですかね・・・」
「ふぉ、ふぉ、ふぉ、
優等生の解答じゃ!
勿論それは素晴らしい。
それで改善されることも多いじゃろうし、
結果も出るじゃろう。
ただ、お前さんのストレスが溜まっていくんじゃなかろうか?
相手を変えずに自分を変える!
これが一番カッコイイんじゃが、
みんなが皆、それを貫ける強い人間ではない。
じゃあどうするか?
視点を変えるんじゃ!」
「視点を変える・・・」
「ドアの音が鳴らないように、クッションでも挟んでおけ!
そもそも、相手を責めることじゃあないし、
自分を責めることでもない!
ただ、改善策を考えて、
お互いが楽しく働いた方がいいじゃろう?
責めた方も、責められた方も、いい気分はせんじゃろ?」
そう言って、せんべいだけ買って出て行ってしまった・・・
店長はさっそく改善策として、ドアの音が鳴らないようにクッションを挟んで、
「これでもう鳴らしたくても鳴らないからな!」
と、さっきのアルバイトと笑って話していた。
(おしまい)
■「7つの習慣」では、物の見方・考え方を
【パラダイム】という言葉で説明していますが、
人は一旦「こう」と思ってしまうと、
気付いていても、いなくとも、
その考えに縛られて、思考が柔軟にならないことも
しばしばあるようです。
「じじいの話」はあくまでも一つの例ですが、
何回やっても上手くいかないこと、
躓いてしまうことなどは、
じじいの話の店長のように、
”自分の見方”にしばられているのかもしれません。
■しかしながら、100人いれば、
100通りとまではいかなくとも、
色々な考え方、解決の方法が出てくるはず。
そう考えると、
”自分の見方だけでなく、違った見方もないだろうか?”
と積極的に自分に問いかけてみることで、
新しい行動が生まれ、
そして新しい結果が生み出されるのかもしれませんね。
見方を変える、考え方を変えてみる。
単純だけど、大切なことだと思う次第です。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日も素晴らしい1日になりますように。