『紳士靴を嗜む(たしなむ) はじめの一歩から極めるまで』
(今日のお話 2532字/読了時間2分半)
■こんばんは。紀藤です。
週末は、英語塾に勉強会参加、
そしてテニスの試合など。
また日曜日の夕方からは、ひたすら、
3時間ほど靴を磨きまくっていました。
というのも、
1ヶ月ほど前に出会った、
とある本がきっかけで、私の、
”靴に対する考え方”
がガラリと変わったため、
人生で初めて、こんなに本気で靴磨きをしたのでした。
*
そんな話を受けて、毎週日曜日は、
「今週の1冊」のコーナー。
皆さまに是非シェアさせていただきたい本を、
ご紹介させて頂きたいと思います。
「今週の1冊」は、
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『紳士靴を嗜む(たしなむ) はじめの一歩から極めるまで』(著:飯野高広/朝日新聞出版)
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です。
(今日の内容は、主に男性向けかもしれませんが、
よろしければ女性の皆さまも、ぜひお目通しくださいませ)
■しばしば言われる、
「オシャレは足元から」という言葉。
また、
ビジネスで活躍する人の多くが、
「相手の靴を見る」と言われる話にあるように、
「靴」というのは、
人の印象を決めるための、
大切な要素のようです。
ゆえに、
「靴は良いモノを買いましょう」
「靴はいつも磨いておきましょう」
という提案が、
ビジネス書から、雑誌から、
自己啓発本に至るまで、
あらゆる方面からなされているのでしょう。
私も、今まで読んだ本の中で、
「靴の大切さ」
について触れてきた本(主に自己啓発系)は、
一体どれだけ見てきたことか、
それくらい、多いです。
■しかしながら、恥ずかしきかな。
私は今まで、そんな提案は、
まるで無視していました。
ぱぱっとホコリを払って、
ささっと艶出しワックス(100円)を塗って、
とにかく履き倒す。
靴を磨くのは面倒くさいから、
たまに気が向いたら、ミスターミニッツで磨いてもらう。
そして靴が傷んでだら、買い換える。
そんなことをしていたのです。
■ですが、この
『紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで』
の本では、このような
私の考え方(=靴を雑に扱うようなこと)を
「一種の”幼さ”の現れではなかろうか」
と疑問を投げかけます。
以下の言葉は、前書きの一文には、より引用です。
著者の、「靴」を超えた、
”身嗜み”に関する信念のようなものを感じます。
(ここから↓)
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服飾全般に「ファッション」などの外来語が用いられ、
「身嗜み」(みだしなみ)なる
素晴らしい表現が使われなくなって久しいのですが、
この傾向は今日の装い、特に男性の装いが
それらの要素の欠如した、いわば薄情で浮ついた、
自律性のない存在でしかないのを露呈している象徴の感もあり、
少々さびしいものがあります。
(中略)
「身嗜み」とは、十分な思索を通じ、
時と場に応じて最適解を導くための指針(マナー)であってほしいものです。
この本が一つの指針となり、
まずは足元=紳士靴とその周辺を見つめることを通じて、
装いを誰かに無意識かつ無理矢理に踊らされ、
支配されてしまうのではなく、
それを読者の皆さんが自らの身体の一部として、
そして自らの「ことば」として、
自然と「嗜む」段階へと踏み出せるきっかけとなりましたら幸いです。
引用:『紳士靴を嗜む(たしなむ) はじめの一歩から極めるまで』前書きより
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■改めてですが、この本は、
「靴」についての本です。
しかし、実際のところ、
この本が提案しているのは、
「靴」だけの話ではないのです。
それを通じて、
”自らの「身体の一部」を高める、
自らの「ことば」を持つ”
そんな次元を目指して欲しい、
と著者は伝えているのです。
■ただの”ハウツー本”ではないのです。
この本には、このような内容が書かれています。
・「靴」が人類と共に歩んできた歴史
・足の構造と「靴」の関係性
・「靴(紳士靴)」が持つデザインの意味
・「靴」を構成する”革”の作り方
(=靴を形作る職人、牛について)
・「世界の靴」とその特徴
・「靴」が身体の一部となり、
持ち主と一緒に育つ存在であるということ
・「靴」を10年育てるための具体的なメンテナンス法
私はこの本を読み、
”靴の世界”がこんなに深かったことを
今更ながら知りました。
そして、大いに反省しました。
大げさかもしれませんが、
”大量生産、大量消費の世の中で、
モノをちっとも大切にしていなかった自分”
”自立した大人としての装いが出来ていなかった自分”
”ビジネスパーソンとして、
その道具に対して全く誇りをもっていなかった自分”
が垣間見えた気がしたのでした。
そして、今まで、あらゆるビジネス書や、
自己啓発本、雑誌などで、
『靴の大切さ』
が語られてきたのか、
ようやく腹に落ち、そして、
”靴を磨かずにはいられない”
という状態になり、
3時間もひたすら磨いていたのでした。
(そしてこんな時間になってしまいました汗)
■「一時は万事」、
「神は細部に宿る」。
色んな言葉、表現で、
『部分にこだわることの大切さ』
が語られます。
この『紳士靴を嗜む(たしなむ)』の本は、
「靴」と向き合い続けた著者の情熱と哲学を通じて、
”「自らのあり方」を「靴」への向き合い方を通じて見直す”
そんなワークブックではなかろうか、
そのように感じます。
もし、
”靴を、少しぞんざいに扱っていたかもしれないな”、
と思われたり、
”靴についてその世界の広さを知りたい”
と思われる方がいれば、
この本は買って間違いがないと思います。
特に営業の方は、
必読の本ではないだろうか、
そう思わしめる一冊でした。
私も、この本とは、
もう5年早く、出会いたかったです。