自らの心の中に、片時も離さない「訓戒」を持つ ~「女流プロ囲碁棋士」から学んだ、真のプロフェッショナリズム(後編)~
(本日のお話/2188文字 読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
日曜日は、現在通っている私塾
「サムライ塾」のメンバーと、
「近現代史を学ぼう!」
ということで、靖国神社の資料館で、
日本の歴史を知るコーナーで、
延々11時から15時頃まで、
ぶっ通しで見続けておりました。
サムライとか、靖国とか言うと、
右とか、左とか感じられるかもしれませんが、
純粋に面白く、興味深い場所でした。
歴史に興味がある方、とてもおすすめです。
*
さて、本日のお話です。
昨日、土曜日に
”~IGO Barで碁ミュニケーション~”
というイベントに参加して、
その場で「謝さん(27歳)」という、
女流タイトルを総ナメにしている
”日本最強の女流棋士”
なる方とお話をさせていただき、その中で、
”「真のプロフェッショナルの生き様」を感じた”
そんなお話を共有させていただきました。
本日も続けたいと思います。
テーマは、
「日本最強「女流プロ囲碁棋士」から学んだ、真のプロフェッショナリズム(後編)」。
それでは、どうぞ。
■日本最強・女流棋士、
謝依旻(シェイミン)さん。
名誉女流本因坊・名誉女流名人の称号を保持。
2010年棋道賞優秀棋士賞。女流賞を7度受賞。
2016年7月現在、女流本因坊・女流名人・女流棋聖・
会津中央病院杯・扇興杯女流最強位の女流タイトル全5冠を保持している。
名実ともに、間違いなく
「史上最強の女流棋士」です。
そんな彼女から、
”世界一になると決めた幼少期から、
全てを投げ打って囲碁界に捧げてきた”
という事実とともに、
「退路を断つ」という”覚悟の姿勢”
を学んだのでした。
そして現在、
彼女は”最強の棋士”と称されている。
■そんな謝さんに、
もう一つ、ふと気になった、
ある質問をしてみました。
紀藤
「今、スゴク強くなったわけじゃないですか。
そんな中、これから得たいものって、どのようなものですか?」
謝さん
「そうですね。”恩返し”かもしれません。
私が日本に来た時、本当に色んな人に助けてもらったんです。
日本棋院の先生もそうだし、それこそ、数え切れないくらい。
だから今の私があると思うんです。
ちなみに今、中国と韓国は、
囲碁がすごく強いんです。
中国なんて13億人いて、
国を上げて”囲碁”に取り組んでいる。
競技人口が違うから、やっぱりその地力も、ものすごい。
中国で行うアジアオリンピックでは、
他のスポーツと同じように、「囲碁」が競技種目にあるんですよ。
だから、もっと囲碁を有名にしたりして、
囲碁の世界に貢献をしたい。
そう思います。
今は、個人戦より、
国の代表として団体戦で勝ったときのほうが、
ずっと嬉しいんです。」
■”自分が恩を受けた人達に、この国に、恩返しをしたい”
私が言葉にすると、
薄っぺらくなってしまって申し訳ないのですが、
「自分の道を追求した先に見える、利他の心」
とでも言えるような、
そんな高次の精神を垣間見た気がしたのでした。
■また、その他にも、常に作動させている、
「人生のOS」とも言えるような考え方として、
こんな話も聞かせてくれました。
例えば、
・どんなときでも、たとえ休みでも気を緩めない。
365日考え続ける。
・誰でもミスはするもの。
大切なのは、失敗したときの対応。
耐えること、冷静になることで、精神力が磨かれ、勝敗が決する。
・自分が優勢だからといって、攻める気持ちを忘れると、
隙が生まれる。どんなときでも、攻め続ける。
・劣勢のときほど、全てを投げ打って戦うことで、
勝機が見えることがある。
・自らを辛い環境に置くことで、
精神力が磨かれ、それがいざという時の力になる。
などなど。
紹介しきれませんが、
まだまだ色んなお話を聞かせてもらいました。
■そして、これらの話を聞いて、
思ったことがあるのです。
それは、”真のプロフェッショナル”とは、
『自らが大切にする訓戒(=心構え)』
ごときものを、持っていること。
すなわち、
先の謝さんの話で言えば、
「自分の目的(=貢献)」
「覚悟」
「攻める気概」
「緊張感」
そのような”訓戒”を
それこそ片時も離さず、
心の中に常に持ち続けている、
そんな姿勢ではないか、
そのように思ったのです。
■よく私達が提供する研修でも、
「自ら選択し、行動すること」
「自らの目的を常に心に掲げること」
「自らを磨き続けること」
このような話をお伝えしています。
今回、謝さんとお話をして、
改めて思ったこと、それは、
”目に見えない姿勢”の大切さ、
でした。
しばしば「マインド研修」などと言われると、
「それやって、何になるの?」
「考え方より、スキルが大事でしょ」
「まずはロジシン(ロジカルシンキング)だよ」
と、どうしても後回しにされがちなのが、
”考え方・姿勢”についての学び。
確かに、それも事実だし、
よーくわかります。
でも、スキルの根源には、
”何かを希求する想い”だったり、
”やり遂げるポリシー”だったりする、
そう思うわけです。
そして、それらは、
「向き合う機会」を作ってみると、
レベルは人それぞれでも、何か見つかるものが確かにあるのです。
■もちろん、全員が全員、
謝さんのように、凄まじいレベルで実行するのは、
なかなか難しいものでしょう。
でも、もし、
「もっと結果を出したい」
「自分が何かを頑張りたい」
「前に進みたい」
そう願うのであれば。
そのための大切な要素として、
自らの「姿勢・考え方」に向き合うこと、
そしてその上で、
【自らが大切にする戒訓(=心構え)】
が何なのかを、自分の中に深く根を下ろすまで
考え続けること。
そんな巨木のごとき、
根をはるプロセスが非常に重要なのではないだろうか、
そう思う次第です。
簡単ではないですが、
何度も何度も漆塗りのように自らに言い聞かせることで、
いつからでも、人はきっと変わることができる、
私はそう信じています。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日も皆さまにとって素晴らしい1日になりますように。