新たなチャンスへの引っ越し
(本日のお話/1803文字 読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
先日とあるIT企業様に実施いたしました、
”生産性向上のための「5つの選択」研修”
の振り返りディスカッション、
ならびに、「7つの習慣」研修の、
フォローアップ研修の提案など。
そして、夜は20:30より、
妻と共に、近所のテニススクールへ。
やっぱり運動はいいですね。
頭がクリアになります。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
本日は先日読んだ
『学力の経済学』(著:中室牧子)より
引用させていただきつつ、
「強制的な環境変化より、得られるチャンス」
というテーマで、思うところを
皆さまにご共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■「ところ変われば水変わる」、
という言葉があります。
これは、言葉通り、
”環境の変化によって、人は何かしらの影響を受ける”
そんなお話です。
このことを表す、興味深い実験が、
『学力の経済学』にて、
紹介されていました。
少し、ご紹介しますね。
■ちなみに、その実験とは、
アメリカで行われた
「新たなチャンスへの引っ越し(Moving to Opportunity)」
と命名された実験です。
この実験では、
ランダムで選ばれた”貧困世帯”の方に、
「引っ越しの機会を与える」、
というものでした。
貧困世帯の方が多く住む町では、
飲酒・喫煙・暴力・ドラックが、はびこる現状。
そんな”貧困世帯”に対して
お金持ちが住む高級住宅地の家賃が
なんと無料になる(!)という「家賃補助券」を提供し、
引っ越しを促したそうです。
ちなみに、
この「家賃補助券」が当たるかどうかは、
抽選で決められました。
そして、
「家賃補助券」に当たった人(=実験の処置群)の多くは、
高級住宅地へ引っ越していきました。
当たらなかった方は、そのまま。
貧困世帯が多く住む町で、生活を続けました。
さて、この実験の結果、
どんなことがわかったのでしょうか?
それは、その後、
その世帯がどうなったのか、
追跡調査をしたところ、
”「高級住宅地」ヘ引っ越した家族の子供が逮捕される確率が、
引っ越さなかった家族の子供(貧困世帯の町に住む子供)より、
統計的に明らかに低かった”
という事実がわかったのでした。
すなわち、
『環境の変化(=引っ越し)によって、
友人が変わったこと、
生活習慣が変わったこと、
周りから受ける影響が変わったことで、
自分の現状も変わった』
ということ。
■人は、意識せずとも、
誰かの影響を、周りの影響を受けるものです。
(ちなみにこのことを、専門用語で、
『ピア・エフェクト』と呼ぶそうです。)
今まで当たり前だと思っていたものは、
一たび違った環境にいくと、
全然当たり前じゃないことに、
はたと気付かされたりするもの。
先述の貧困世帯の子供たちも、
高級住宅地へ引っ越すことで、
・周りがいつも勉強している
・友達が急に賢くなった
・ゲーセンの代わりに、塾
みたいな状況を目で見て感じて受けた影響が、
間違いなくあったのではないでしょうか。
だからこそ、
『強制的に環境を変えること』
ということは、
”子供の教育”にも大事ですし、
同時に自分自身を変える上でも、
大きなインパクトがあることなのでしょう。
■更に加えて言うならば、
多くの場合、
『今いる環境より、
更にレベルの高い環境がある』
ということも、
知っておいたほうがよい事実でしょう。
昔から、
”井の中の蛙、大海を知らず”
”針の穴から天を覗く”
”夏の虫氷を笑う”
などというように、
「自らの狭い見識に気付かず、
それを全てだと思い込んでしまう愚」
を人は犯しがちだと言います。
つまり、言い換えれば、
「今いる環境を、当たり前だと思ってしまう」
ということ。
仕事においても、
・情報収集の仕方
・プレゼンテーションのスキル
・仕事をどれくらいの密度でやっているのか
・チームミーティングの質
これらのことが、
”自分にとっては普通”でも、
実際、もう少し視野を拡げてみると、
更にレベル高くやっている人・組織はいるはず。
(もちろんレベル低くやっている人もいますが)
■繰り返しになりますが、
「人は環境に影響を受ける生き物」
です。
かつ、貧困世帯と裕福な世帯の生活習慣が違うように、
環境には様々なレベルがある、という事実があります。
で、あるならば、
もし自らをより高めんと願うのであれば、
『今いる環境を当たり前と思わず、
更に一歩上のレベルへと”環境”を変え続ける』
こと、
先述の実験から引用するのであれば、
【新たなチャンスへの引っ越し】
を常に自ら施し続けること。
そんな姿勢が、重要なのだろう、
そう、強く思った次第です。
基準を高く、
常に前進していきたいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日も皆さまにとって素晴らしい1日になりますように。