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320号 2014年6月26日

「当たり前」は真実とは限らない

■おはようございます。紀藤です。

今更ですが、池上彰さんの話は、
本当にわかりやすいですよね。

先日ある番組において、池上彰さんが、
高度経済成長期の日本について話をしていました。

シンプルかつ、具体的。

「なるほどな~」とつい口から出てしまいました。

今日はそのお話の中で、
興味深いものがありましたので、
そのお話を一つ共有したいと思います。


■その話は「公害」です。

今でこそ、PM2.5とか、
中国の大気汚染は問題だ、と皆口を揃えて言いますが、
高度経済成長の日本も同様でした。

その一つの例がこちら。

四日市市立塩浜小学校の「校歌」です。


【公害前】

港のほとり 並び立つ
科学の誇る 平和をまもる 日本の
希望の 希望の 光です

そして、
”四日市ぜんそく”が大きな問題となった後には
校歌がこのように変えられました。

【公害後】

南の国から北の国
港でていく あの船は 世界をつなぐ 日本の
希望の 希望の 光です


■公害が発生する前は、

煙を吐き出し、港に並んでいる工場は、
「科学の象徴」であり「平和を守るもの」として描かれていました。

しかし、公害が発生した後は、
並ぶ工場は、ぜんそくをもたらすものであり、
必ずしも「科学の象徴」「平和を守るもの」とは
捉えられなくなってしまった。


■「7つの習慣」では、

【パラダイム】(=ものの見方・考え方)

という言葉を紹介しており、
”パラダイムが結果に影響を与える”、と言います。

昔は、工場は「科学の象徴」であり、
そこから吐き出される煙でさえも、
『経済が豊かになっている証』という見方でした。

しかし、現代になり、人々が得る情報が変わって
【パラダイム】が一度変われば、
煙を吐き出す工場群は、
『環境を汚染する良くないもの』という見方になりました。

だから、人々の行動が変わり、
工場の形も変わっていきました。


■そしてこのようなことは、
何も工場だけではありません。

全ての【パラダイム】が同様に変わり続けており、
私達の行動や、結果も変わり続けています。

それが当たり前のように、
自然に変わっているから、
恐らく、気が付かないだけでしょう。

そう考えてみると
20年後の日本を見たときに、
今自分たちが当たり前だと思っている身近なこと、
例えば、

・9~18時が仕事の定時という考え方
・上司・部下という考え方
・就職試験という考え方

なども、劇的に変化しているのかもしれません。


■変化の多い中、その変化に対応することを
企業や現代の人々は求められていますが、
そのような変化に対応し続けるためにも、

【「当たり前」は必ずしも、真実とは限らない】

という視点で物事を見ることが大切なのでは、
と、思った次第です。

【本日の名言】 既知の世界から
未知の世界に行かなければ、
人は何も知ることはできない。

            グロード・ベルナール

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