壁を超えるキーワード【啐啄同時(そったくどうじ)】
■おはようございます。紀藤です。
知識欲求が高まっている今日この頃。
アマゾンで、過去に流行った
「1円」の本を乱読するのが最近のマイブームです。
(アマゾンさん、ありがとうございます)
今日はそこから学んだ
「人材育成」にまつわる言葉を一つ、
ご共有したいと思います。
■皆さまは、
【啐啄同時(そったくどうじ)】
という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
これは、禅において、
師匠から弟子へ伝授が行われるときの心得のことです。
「啐」とは、タマゴの中にいる雛鳥が、
タマゴの殻を破って外にでようとして殻をコツコツ突くこと。
「啄」とは、親鳥が雛鳥を助けようとして、
タマゴの外側から殻をカツカツ突くこと。
そして、タマゴの殻は、
雛鳥と親鳥が「同時」に突いてこそ、
破ることができる。
何となく連想できるかと思いますが、
このことは「人材育成」の要点を、
まさしく端的に表しているように思います。
■「人を育てる」というと、
様々な側面から論じられます。
「最近の若い者は学ぶ意欲が足りない」
「ゆとり世代は、気合がたりん」
と”雛鳥のせいだ”と聞くこともあれば、
はたまた、
「管理職の人を育てる能力が足りない」
「部下とすれ違ってしまう先輩上司が増えた」
というように、
”親鳥の問題だ”と聞くこともあるわけです。
じゃあ、どちらが大事なの?というと、
「啐啄同時」という言葉を教訓とするならば、
「どちらも大切」と言うのが、正しいのでしょう。
雛鳥(弟子)の「啐」も、
親鳥(師匠)の「啄」も、
どちらもそろって、
効率よく大きな壁を超えることができます。
ただ一つ、
必要なものがあるとすれば、
それは、
「壁を越えて、より成長していきたい」という雛鳥の想いと
「壁を壊して、より成長させてやりたい」という親鳥の想いが、
一致していることではないでしょうか。
■もし、このことに向き合わずに
「部下管理のスキル」
「コミュニケーションの方法」
「目標管理の手法」
というスキルだけ表面的に伝えても、
効果的に機能しないようにも思います。
殻を割りやすい口ばしを砥ぐだけでなく、
「殻を破りたい」「殻を破らせたい」という思いの醸成。
このことが「人材育成における大きなポイント」
となるように思います。