「趣味」と「娯楽」の違い
■おはようございます。紀藤です。
「『趣味』と『娯楽』の違い」について、
人材開発にまつわる本で
興味深い考えが書かれていました。
あるキャリア研修が舞台。
一つのワークでの話です。
”講師が受講者にいいます。
「皆さんの、『趣味』を書いてください。」
それを受けて、
ある受講している一人の課長が
自分自身の『趣味』を
「プロ野球観戦」
と書きました。
すると、講師がその回答を見て一言。
「・・・それは本当に、『趣味』ですか?」
その課長は、
自分の回答を否定されている気分になり、
すこし腹が立ちました。
「プロ野球観戦が『趣味』ではいかんのかね?(怒)」
■講師は答えます。
「いえ、そういう意味ではないのですが・・・。
ただ、『趣味』と『娯楽』について
こんな考え方はできないでしょうか。
・『趣味』は、自分の時間を使って、能動的・積極的に働きかけるもの。
そしてそれが高じると人に負けない『特技』に近づくもの。
・『娯楽』は、必要であるにしろ、発展性のないその場の息抜き。
・『特技』は、それが長じて、仕事に進化・発展することが多いもの。
そう考えてみると、
「プロ野球観戦」は
『趣味』というより『娯楽』、
に分類されるのかもしれません。
なぜならば、10年間「プロ野球観戦」を続けても、
『特技』と言える場合は少ないでしょうから。
もしそれが高じて「野球解説」など
人に語って聞かせるレベルを目指している、というなら
もちろん意味が変わってきますが。」
■このようなフィルターで考えてみると
私たちの日々の活動もまた、
『趣味』または『娯楽』
に分類できると思います。
では、どちらの方が、
「自分の将来にとって役立つものになるのか?」
と考えてみると、
それは言うまでもなく、
『趣味』と言えそうです。
どちらに時間を使うのも、
それぞれの自由であり、選択することができます。
しかしながら、
刹那的に消えてしまうこと(=『娯楽』)に時間を使いすぎた場合、
時間が経って振り返ったときに、
歩んできた道のりに何の足跡も残っていないことに
気付くことになるのでしょう。
であるならば、同じような時間の使い方でも
その行為が、自分の精神面を豊かにしてくれたり、
人間関係を豊かにしてくれたり、知性を育んでくれたり、
長い目で蓄積されていくもの(=『趣味』)の方が、
自分にとって何倍も価値あることのように感じます。
もちろん、
『娯楽』も必要ですし、
「趣味」や「娯楽」の定義も様々ですが、
・長い視点で考えること
・バランスを考えること
この2点は大切なのだろう、
と思う次第です。