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304号 2014年6月4日

変えようと思うなら、まず〇〇〇を変えること

■おはようございます。紀藤です。

さて、先日は、
「ペンギンの国のクジャク」
という本をご紹介しました。

口では「多様性」と言いながらも、
結局は、違いを受け入れることができない
「ペンギンの国」の話を通じて、
「官僚的な組織」または
「大企業病に陥っている組織」
などを風刺して描かれたエピソードでした。


■さて、では、
こんな「ペンギンの国」が
変わるためにはどうすればよいのか?

すなわち、どうすれば、
「硬直的な組織」「官僚的な組織」からの
脱却が図れるのか。

このヒントについて、
またお話を引用して考えてみたいと思います。


”クジャクは、ペンギンの国のやり方に
どうしてもなじめず、国を出て行った。

そして向かったのは<チャンスの国>。

ここはペンギンの国とは違っていた。

<チャンスの国>の住人は言った。

「この国では、
 住民は仕事ぶりと業績によって評価される。
 ユニークであることは、
 批判の対象でなく、賛美の対象になるだろう」

チャンスの国では、
多種多様な鳥が力を合わせてこそ、
競争の荒波が渦巻く中を乗り切って栄える、
とみんなが心得ていた。

組織がうまくやっていくために、
最も大事な条件とは、
そこに所属する者同士が、
それぞれの良さを認め、信頼し合うことだ、
と、<チャンスの国>に住む鳥たちは、
皆が知っていた。

そうして、皆の知恵を活かし、
大きな成果を生み、繁栄をしていた。

クジャクは、
この国こそが、
自分のいるべき場所だと思った。

そして、<チャンスの国>に
いるうちに、クジャクはあることに気が付いた。

 <チャンスの国>とは、
 
”住む人々たちの【心の状態】なのだ”

と。

それはすなわち、
「ものを受け止める心のあり方」。

・新しいアイデアに対するオープンさ
・聞く耳を持つこと
・学習意欲を持つこと
・成長を望むこと
・柔軟性を持つこと

それが、<チャンスの国>を作っているのだ。”


■「変化が激しい世の中、グローバルな世の中では、
 異なる考え方を受け入れなければいけない」

組織においても、人材育成をする上でも、
このような言葉を、頻繁に耳にします。

実際に「多様性の需要」という言葉は、
「ダイバーシティ」「女性活躍推進」などと言われるように、
注目されているキーワードの一つです。

そのために、

「先ずは仕組みを整えよう」
「ルールを作ろう」

というのも一つの正解。

しかし、前提として、
働く一人一人が、

”相手との「物の見方の違い」を、尊重しているか。 
その違いを活かそうとしているか。”

という【心の状態】が大切であることに
気が付いていなければ、
作り上げたルールや仕組みも機能しない、
のではないか、と思うのです。


■先ほどのエピソードでも、
「ペンギンの国」の幹部ペンギンが、
「多様性が大切なのだ」といって、
クジャクや、ワシや、アホウドリや、
タカやハトや、色々な鳥を連れてきました。

しかし、相手の違いを受け入れない
ペンギン達の中、能力のある彼らは真の力を発揮できず、
最終的に、「ペンギンの国」を去りました。

仕組みや形を変えても、
そこにいる人々の心のあり方を変えねば、
真に変わることはない。

変えようと思うなら、
まず< 心 (=物の見方)>を変えること。

見えないもので、
図りづらいものではありますが、

「働く人々の心の状態(物の見方)はどうなのか」

考えてみることが大切ではないでしょうか。

【本日の名言】 理解できない人のことを
愚か者と見なしてしまうことが
人間にはよくある。

               ユング

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