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300号 2014年5月29日

自分には優しくて誠実。でも、何だか信頼できない人

■おはようございます。紀藤です。

「人って、よく見ているものだなあ」

ある記事を見ていて、
改めて思った感想です。

先日、あるビジネス誌を読んでいると、
とある会社の人材に対するポリシーが語られていました。

その内容は、

「景気や業績が悪いときに、非正規の社員だからといって、
 ぞんざいに扱ったりはしない。

 厳しい環境でも社員を大事にする、という経営姿勢を貫くことで、
 社員からの信頼を得ることができる」

というお話でした。


■私たちは、普段の姿勢を見て、
「信頼できるかどうか」を判断している。

だから「普段の経営姿勢」こそが大事。

極めてシンプルな事実です。

そして、このように
「普段の姿勢から、信頼できるかを判断している」
というのは、「対企業」よりも、
寧ろ「個人の間」で起こることではないか、
とも思います。


■しばしば周りに、こんな人はいないでしょうか。

「自分には優しくて誠実。
 でも、何だか信頼できない人」

決して、自分に何かをするわけでなく、
約束も守るし、関係も悪くない。

でも、

・どことなく相談するのは少し心配、
・本音を言うのは少し怖い、
・安心して、信頼しきるには至らない、

というような人です。


■なぜ、そう思ってしまうのか?

その理由を考えてみると、
その人の行動にこんな特徴があったりします。

例えば、
・他人の陰口をすぐに言いがち。
・都合のいい人にだけ、親切。
などなど。


■こういうシーンを見ると、
無意識でイメージしてしまいます。

・陰口をすぐに言う。 
→ (裏では、自分もこんな風に言われているのではないだろうか・・・)

・都合のいい人だけ親切。
→ (状況が不都合になれば、一気に態度が豹変するのではないか・・・)


このように連想をしてしまって、
何かをされたわけではないけど、
間接的に「信頼を損ねる」ことになるのでしょう。


■2008年度アメリカのCEOが選ぶ
TOP20の書籍の中に、

『スピード・オブ・トラスト』

という「信頼」に付いて書かれた本があります。

この本によると、
信頼を創り出す行動として、
以下のようなものがあげられています。

【忠誠心を示す】
他者に花を持たせる。
その場にいない人の事も、いるつもりで話す。

【他者を尊重する】
他者を心から思いやる。
自分の利益になるかどうかに関係なく、
すべての人や役割の尊厳に敬意を払って接する。


■私たち人間には、”第三の目” とも呼べるような、
極めて繊細なセンサーがついているように思います。

それは、

「直接的に何かをした、された」を超え、
普段のその人の何気ない一面から、
その人の”人となり”を感じてしまう、

という機能のようなものでしょうか。

「人は思ったよりも、よく見ている」

こんな前提で普段の行動を考えてみることも、
人との中で生き、働く上で大切なのだろうな、
と改めて思う次第です。

【本日の名言】 人の心は顔に表れる。
だからABCの読めない人でも、
顔を見れば性格を読み取れるのだ。

              トーマス・ブラウン

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