「カッツ理論」から、人材育成を考える
■おはようございます。紀藤です。
さて、朝からいきなりで恐縮ですが
皆さま、「カッツ理論」という言葉をご存知でしょうか。
ビジネススキルや人材育成に興味関心のある方なら
聞いたことがあるかもしれません。
本日は、そのお話から感じたことを、
共有したいと思います。
■そもそも「カッツ理論」とは、
ハーバード大学のカッツ教授が提唱したもので、
1955年に発表されて依頼、
今日の管理者の評価システムや人材育成プランにも
影響を与えている、と言われているものです。
■カッツ教授は、
「管理者に求められるスキル」
について3つのものがあると言います。
それは、「テクニカル・スキル」「ヒューマンスキル」
「コンセプチュアル・スキル」の3つ。
「テクニカル・スキル」は、
担当業務に必要な知識や技術のことです。
例えば、SEならITスキル、会計なら簿記、営業ならプレゼンテーションなどを指します。
「ヒューマンスキル」は、
仕事や職場における人間関係を構築し、維持する技術のことです。
対人コミュニケーション能力、協調性、柔軟性などを指します。
「コンセプチュアル・スキル」は、
取り組むべき課題や問題の本質を的確に捉え、構造化、概念化する技術のこと。
経営戦略の決定などに必要な能力とされます。
■このように並べてみると、
どのスキルも不可欠なように見えます。
では、この中で、特に重要なものは何なのでしょうか。
これは、明確な答えがあるわけですし、
また、どれも不可欠なことは前提としてですが、
ある視点からみると、
”特に「ヒューマンスキル」は重要である”
と思うのです。
■この理論には、続きがあり、
”「テクニカル・スキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアル・スキル」
の3つは、それぞれ特に必要とされるステージ(階層)がある”
と論じられています。
それぞれ、Lower(監督者層)、Middle(管理者層)、Top(経営者層)にわけて、
3つのスキルの何が、どれくらい必要とされているか、というと、
Lower(監督者層) → ヒューマンスキル 50% + テクニカル・スキル 50%
Middle(管理者層) → ヒューマンスキル50% +テクニカル・スキル 25% + コンセプチュアル・スキル25%
Top(経営者層) → ヒューマンスキル50% +コンセプチュアル・スキル 50%
というような構造になっています。
(※「%」は実際のカッツ理論で表される図のイメージです)
これを見ると、
”管理者はLowerでも、Middleでも、Topでも、
「ヒューマンスキル」は欠かせない”
と言えるのではないかと思います。
■ヒューマンスキルを図るのは、
なかなか難しいことであるため、
「教育」というと、成果が可視化しやすい、
ITスキル、マネジメント手法、資格取得などに
流れがちになることも少なくないように思います。
しかしながら、どんなステージであっても、
「ヒューマンスキル」は人材育成と、
それに伴う企業の業績拡大のためには必須のもの。
であるならば、定期的に、
「自分のヒューマンスキルについて考える」
「社員のヒューマンスキルを特に強化するタイミング」
というものを設けることも、
大切なのかもしれませんね。