1日に訪れる「二万回」のチャンス
■おはようございます。紀藤です。
春です。暖かい毎日です。
こんな過ごしやすい毎日で、
つくづく感じますが、
本当に1日はあっという間に過ぎてしまいますね。
仕事に集中している忙しい一日でも、
だらだらしている暇な休日でも、
年を重ねれば重ねるほど、
時間はどんどん早くなっているように感じます。
と、いうわけで、
今日は「時間」(瞬間)にまつわる話で、
興味深いお話を聞きましたので、
一つご紹介したいと思います。
■ある行動経済学の研究で、
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマンによると、
人は寝ている時間を除いて、
【1日に二万の「瞬間」を経験している】
そうです(!)。
(ちなみに、瞬間とは2~3秒の出来事。)
二万と聞くと、かなり膨大な数で、
一瞬にも感じることもある1日にそれほど多くの経験をしているのか、
と思わずにはいられません。
しかしながら、
その多くの経験は、
私たちはスルーをしているようです。
だからほとんど覚えていないし、
そうすることで、私たちは生活が出来ているわけです。
■しかしながら、
「記憶に残るメカニズム」を考えてみると、
”2~3秒の「瞬間」をベースとして、
強烈な思い出は出来上がる”
という仕組みがあるとのこと。
例えば、
想い出に残っているシーンを考えてみると、
・上司からの嬉しい褒め言葉をかけられた瞬間
・友人からの、偶然のサプライズの瞬間
・旅先での絶景を見た瞬間
などなど、
記憶を思い出そうとするときには、
「ストーリー」ではなく、
「一瞬の記憶」が、強烈なインパクトとして
頭に残っていることに気が付きます。
■そして、この
「強烈な、想い出に残る瞬間」
というのは、
実は、些細なことで出来あがる、
というのが本日注目したいこと。
この部分を活用することで、
「私たちは人に良い影響が与える」
ことができます。
ある例をご紹介いたします。
とあるベテランの経営コンサルタント(女性)に対して、
「いままでに最高に嬉しかった褒め言葉は何か?」
と聞いたところ、その彼女は
「電子メールに書かれた一言だ」と答えたそうです。
彼女の母親が亡くなった際、
彼女が尊敬してやまない先輩が、
お悔やみのメールをくれた時のこと。
お悔やみのメールの最後には、
尊敬する先輩からのメッセージとして、
このように書かれていました。
「お母様はあなたを誇りに思っていたはず。私もよ。」
・・・経営コンサルタントの彼女は、この
【私もよ】
という、尊敬してやまない先輩からの、
シンプルなたった一言が、
25年間の社会人生活における、
最高に嬉しかった言葉だった、
そのように答えたそうです。
(出典元『心の中の幸福のバケツ』より)
つまり、そのくらい、
【「一瞬の一言」が、
その人の人生にとって重要な想い出になりうる】
ということです。
■この話は一つの例ですが、
このことは、私達にも、
同様の瞬間が日々訪れている、
と思うのです。
人と人が関わる中で、
・些細なねぎらいの言葉、
・気遣いの言葉、
・日頃の感謝の意を表す言葉、
・相手の努力を認める言葉、
このような「一言」をかけるタイミングは
たくさんあるにも関わらず、
意外と疎かにしてしまっているのではないか、
と感じます。
しかしながら、何気なくかけた一言が、
誰かにとって「嬉しい瞬間」になるのであれば、
やってみる、に越したことはないのでしょう。
「7つの習慣」でも
”主体的な言葉”を積極につかう事で、
自分の影響力を高めることができる、とお伝えしています。
私達が扱う言葉は、
予想以上に大きな影響がありそう。
ぜひそのことを念頭に、
「嬉しい瞬間」を作れる一言を、
積極的に発していきたいものですね。
■今日のお話は、
・1日は短く感じる。
しかしながら、そんな1日には「2万もの瞬間がある」、という。
・そして、人の想い出とは、
そのなかの「一つの瞬間」から出来上がる。
・それは、何気ない褒められた一言だったり、
思っている以上に些細なことだったりする場合もある。
・であるならば、そのような仕組みを活用して
「プラスの影響を与えうる言葉」を使ってみてはどうか。
・それにより、自分も相手も幸せを感じる可能性が高まるならば、
ぜひ積極的に使って損はないのだろう。
という内容でした。
今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。