メールマガジン バックナンバー

267号 2014年4月9日

ワーカーとレイバー

■おはようございます。紀藤です。

少し前の雑誌の記事ですが、
「働き方」についての興味深い内容が
ありました。

「働きがいのある会社 2位」に選ばれた、
ワークスアプリケーションの牧野CEO曰く、

【レイバーでなく、ワーカーであること】

を社員に求めている、とのことでした。

この言葉は、米国で使われている
働き方のスタイルを表すのですが、

・レイバー ・・・ 時間に対してお金をもらう人
・ワーカー ・・・ 働きたいだけ働き、成果に基づきお金をもらう人

を表します。

そして、この会社においては、
「成果」を求める「ワーカー」であることを重視するため、
働く時間も自主裁量。

評価は時間でなく、
一緒に働く同僚から「成果」という観点から
互いに評価をしあう、
という仕組みをとっているそうです。


■かつ、もう一つのメッセージとして、

「長時間労働をして成果を出すことはずるい」

と常々言っているとのこと。

なぜかというと、
働くだけ働いて成果を出したとしても、
そのような働き方だと、長く続けられないから。

だから、いかに自分が定時で働いたとして持っている

「月168時間」

を密度が高く、
同じ時間で高い成果を出せるような働き方について、
思考錯誤し、1分当たりの質を高めていくことを、
意識し続けることが重要である、
そのようなメッセージを伝えていました。


■今、労働市場では、
女性活躍推進や、様々な働き方を認める
「多様性」という言葉をよく耳にします。

基本的にまだ一般には、
「レイバー」という考え方での働き方が、
中心になっているようにも感じますが、
今のような知識労働社会で、
「時間」に対してお金をもらうという考えは、
工業産業時代の考え方が中心になっている、
とも言われることがあります。


■私たちが提供している、

”卓越した生産性を目指す『5つの選択』】

という研修においても、

1分当たりの時間で、
出来るだけ多くの成果・価値を生み出すこと、
が知識労働者の役割である、
と提案をしており、
そのためには、「緊急なこと」に振りまわされるだけでなく、
「重要なこと」に意識的に時間を割くようにせねばならない、
とお伝えしています。

先ほどの牧野CEOの言葉のように、
思考錯誤を繰り返し、

・成果にレバレッジを効かせる「知識」
・成果にレバレッジを効かせる「人間関係」
・成果にレバレッジを効かせる「精神面」

など日頃から鍛えることによって、
より短い時間で成果を出せるようになるのかもしれません。


■レイバー、ワーカー、
どちらも一つの働き方のスタイルで、
どちらがいい、というものでもありませんが、
介護や育児など、限られた時間で
様々な働き方が求められる昨今、

「短い時間でいかに成果を出すか」

という考え方は、
一つのキーワードになるのではないでしょうか。


■今日のお話は、

・ワーカーとレイバーという働き方についての言葉がある。

・ワーカーは成果に対してお金をもらう人、
 レイバーは時間に対してお金をもらう人。

・現在、時短や状況に合わせた勤務など
 「多様性」という言葉とともに様々な働き方が必要とされている。

・「生産性を高めて、短い時間でより高い成果を出す」
 ことを基軸とすれば、限られた状況で働く人が増える昨今、
 一つの風穴を開けることができるかもしれない。

・また「短い時間で成果を出す」ためには、
 「緊急なこと」よりも、よりレバレッジが効く
 「重要なことを優先する」ことが重要。

・一人一人の生産性があがり、
 「時間当たりの成果を出すこと」が一つの文化になれば、
 多様な働き方を認めやすくなる、一つのヒントになるかもしれない。

という内容でした。


今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 時間の使い方の最も下手な者が、
まずその短さについて文句を言う。

         ジャン・ド・ラ・ブリュイエール

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