ワーカーとレイバー
■おはようございます。紀藤です。
少し前の雑誌の記事ですが、
「働き方」についての興味深い内容が
ありました。
「働きがいのある会社 2位」に選ばれた、
ワークスアプリケーションの牧野CEO曰く、
【レイバーでなく、ワーカーであること】
を社員に求めている、とのことでした。
この言葉は、米国で使われている
働き方のスタイルを表すのですが、
・レイバー ・・・ 時間に対してお金をもらう人
・ワーカー ・・・ 働きたいだけ働き、成果に基づきお金をもらう人
を表します。
そして、この会社においては、
「成果」を求める「ワーカー」であることを重視するため、
働く時間も自主裁量。
評価は時間でなく、
一緒に働く同僚から「成果」という観点から
互いに評価をしあう、
という仕組みをとっているそうです。
■かつ、もう一つのメッセージとして、
「長時間労働をして成果を出すことはずるい」
と常々言っているとのこと。
なぜかというと、
働くだけ働いて成果を出したとしても、
そのような働き方だと、長く続けられないから。
だから、いかに自分が定時で働いたとして持っている
「月168時間」
を密度が高く、
同じ時間で高い成果を出せるような働き方について、
思考錯誤し、1分当たりの質を高めていくことを、
意識し続けることが重要である、
そのようなメッセージを伝えていました。
■今、労働市場では、
女性活躍推進や、様々な働き方を認める
「多様性」という言葉をよく耳にします。
基本的にまだ一般には、
「レイバー」という考え方での働き方が、
中心になっているようにも感じますが、
今のような知識労働社会で、
「時間」に対してお金をもらうという考えは、
工業産業時代の考え方が中心になっている、
とも言われることがあります。
■私たちが提供している、
”卓越した生産性を目指す『5つの選択』】
という研修においても、
1分当たりの時間で、
出来るだけ多くの成果・価値を生み出すこと、
が知識労働者の役割である、
と提案をしており、
そのためには、「緊急なこと」に振りまわされるだけでなく、
「重要なこと」に意識的に時間を割くようにせねばならない、
とお伝えしています。
先ほどの牧野CEOの言葉のように、
思考錯誤を繰り返し、
・成果にレバレッジを効かせる「知識」
・成果にレバレッジを効かせる「人間関係」
・成果にレバレッジを効かせる「精神面」
など日頃から鍛えることによって、
より短い時間で成果を出せるようになるのかもしれません。
■レイバー、ワーカー、
どちらも一つの働き方のスタイルで、
どちらがいい、というものでもありませんが、
介護や育児など、限られた時間で
様々な働き方が求められる昨今、
「短い時間でいかに成果を出すか」
という考え方は、
一つのキーワードになるのではないでしょうか。
■今日のお話は、
・ワーカーとレイバーという働き方についての言葉がある。
・ワーカーは成果に対してお金をもらう人、
レイバーは時間に対してお金をもらう人。
・現在、時短や状況に合わせた勤務など
「多様性」という言葉とともに様々な働き方が必要とされている。
・「生産性を高めて、短い時間でより高い成果を出す」
ことを基軸とすれば、限られた状況で働く人が増える昨今、
一つの風穴を開けることができるかもしれない。
・また「短い時間で成果を出す」ためには、
「緊急なこと」よりも、よりレバレッジが効く
「重要なことを優先する」ことが重要。
・一人一人の生産性があがり、
「時間当たりの成果を出すこと」が一つの文化になれば、
多様な働き方を認めやすくなる、一つのヒントになるかもしれない。
という内容でした。
今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。