”周りの反応を気にしすぎる病” を解消する「課題の分離」
■おはようございます。紀藤です。
先日から、新卒研修「ディスカバリー」の
社内ファシリテーター養成講座が開催されています。
今回の受講者の方は
富山からはるばるお越し頂きましたが
そのプレゼン能力の高さに驚かされました。
いつも思うのですが、
お客様から学ばせて頂くことばかりです。
皆さま、ありがとうございます。
■さて、本日のお話ですが、
最近、私の興味を引き付けてやまない、
心理学者アドラーに関する書籍『嫌われる勇気』から、
一つ、気付きをご共有したいと思います。
■アドラー心理学は、人の悩みは
「全て、対人関係の悩みである」
とはっきりと言っているのが特徴。
そして人が「自由」になるためには、
”周りのことを気にしないこと”
が大切である、と述べています。
そして、どのようにしたら、
周りのことを気にしなくなり、自由になるのか。
ここでアドラーが提唱しているのが
【課題の分離】
という考えです。
人は「私の課題」と「あなたの課題」
をごっちゃにしてしまうから、
色々なことで頭を悩ませてしまうそう。
例えば、あるプロジェクトメンバーで、
色々な人のことを配慮してしまう人がいたとします。
「私はA案がいいと思う。だから今更だけど、
A案がいい、と本当は言いたい」
と思っているとしましょう。
しかし、彼は優しく、周りの意見も大切にする人。
だから今更、話を振出しに戻すようなことはしたくない。
「もし、ここでAといったら、他の人が困るだろう。
ここまでBで話が進んでいるのに…、どうしよう」
こんな状況の時、
「これいったら、他の人が困るだろう」
の「他の人が困るだろう」は無視しましょう、
とするのがアドラーの
【課題の分離】という考えです。
(乱暴な表現ですみません)
■「自分のした行動」と「それによって周りの人が受ける影響」
は別の話であり、
一緒に考えてはならない、切り離して考える必要がある、
とアドラーはいいます。
「自分がベストな行動をした」
と思うのであれば、
ただそれだけでよく
「それによって周りの人が受ける影響」
(例えば、困ったり、怒ったりすること)については
”その感情にどう折り合いをつけるのかは当人の課題”、
だから、その人に任せましょう、という考え方です
■この考え方には、賛否両論あるかと思います。
しかしながら、
「7つの習慣」でも、主体的な人は、
”自分が影響できる事柄(=「影響の輪」)に
自分のエネルギーを集中させる”
と述べています。
逆に言えば、
”自分が影響できないこと(=「関心の輪」)については、
あまり力を注がない”
ということ。
この”自分が影響できないこと”の
代表的なものは恐らく
「人の気持ち」
も含まれるでしょう。
そんなことを気にしても疲れるだけ。
極端な話、もし自分の行動によって、
相手が困ってしまったり、選択を迫られたりしたとしても、
その状況に折り合いをつけるのはその人が解決しなければならないこと。
そのような状況はいくらでも起こります。
だから、
自分がベストだと思い、かつできること、
すなわち「影響の輪」に集中するだけでいい。
そう考えると、
優しいが故に、色々と周りを意識してしまうことから、
少しだけ解き放たれた感覚が持てるのかもしれません。
一つの考えではありますが、
ご参考になれば。
■今日のお話は、
・アドラー心理学ではすべての悩みは「対人関係の悩み」という。
・そして対人関係の悩みから解き放たれるためには、
「課題の分離」という発想が役に立つ。
・「課題の分離」とは”自分の行動”と”それによって相手が受ける影響”は
別の話である、ということ。
・自分がベストな行動、と信じて行うことにフォーカスすればよく、
それによって周りが例えば困ったり、選択を迫られたりしたとしても、
それはその当人が解決しなければいけない課題である。
たくさんいる全員の状況など、そもそも考えることは難しい。
・だから自分が影響できる、「影響の輪」に集中して行動することが、
日々の活動の中で重要なのではないだろうか。
という内容でした。
今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。