「自分の演技」に集中する効能
■おはようございます。紀藤です。
週末は企業様へ研修を納品に伺いましたが、
・・・が、ご存じの通り予想以上の雪で大変。
参加者も足をびしょびしょにされながら来る、という状況で、
こんな中研修にお越し頂いた皆様に感謝です。
雪の影響で大変な皆さまの、
一刻も早い復旧を切に願います。
さて、一方盛り上がっているソチオリンピックでは、
嬉しいニュースもありました。
ご存知の通り、羽生選手の金メダル。
美しい演技に息を呑みました・・・。
そして、金メダルを取った後のコメントが、
「金を取ってなんですが、悔しい」
という一言。
その向上心に本当に驚かされるばかりです。
■そして、この言葉を聞いたときに、
私の大学のゼミの教授が言っていたある話を思い出しました。
その教授は昔、体操で日本代表になったことのある
スポーツ界で活躍した女性。
その教授が、
「体操」(つまり個人競技)について
語ってくれたときの話です。
彼女いわく、
「体操は、自分の演技をどこまで追求するか。
だから誰かに勝つとか負けるとかではないの。」
とのこと。
私の中で「スポーツ」「競技」と言えば、
勝ってなんぼ、競ってなんぼのものだったので、
その言葉はとても新鮮で、意外でした。
そして教授は続けて、
良い結果を残す選手について語りました。
「素晴らしい選手は、常により高いイメージを持って、
それを実現することに集中している」
逆に言えば、
”勝負にとらわれすぎたり、
相手を意識しすぎたりすると上手くいかない”
ということ。
つまり羽生選手のエピソードは、
まさしくこの話なのだろうな、
と考えさせられたわけです。
国民の期待を一手に背負い、
多くの人の注目を集める中では、
「自分の演技」に集中する、ということは
本当に難しいのでしょう。
ですが、それを追求し続けた人が、
卓越した域に達することが出来るのかもしれません。
■そして私達も
オリンピックほどではなくとも、何かしらの、
「自分の演技」
を常々しているのではないか、
とも思うのです。
誰しもが、
仕事において、
趣味において、
自分が時間を注ぐ何かしらの分野、
を持っているのではないでしょうか。
それはレジ打ちだったり、
大勢の前でプレゼンをすることだったり、
営業として話すことだったり、
母親として料理を作ることだったり、
形は違えども、
それぞれが何かしら持っているはず。
そしてそれが仕事であれば、
比較されたり、評価されたりします。
だから
「アイツ(同僚)より早く出世した」
「彼よりもいい営業成績だった」
と比較してしまうこともあるのかもしれません。
■しかしながら、
冒頭の、金メダルをとってもまだ悔しいと語る羽生選手、
または元体操選手のゼミの教授の話のように、
見方を変えてみると、
自分の専門分野やスキルを磨く一番の方法は
”より高い自らのイメージを持ち、その実現に集中する”
ことなのかもしれない、とも思うのです。
「7つの習慣」では
【知的創造が物的創造に先立つ】
という原則を紹介しています。
これに当てはめて考えると、
”自分が高いイメージを持たなくなれば
(=自分に対しての知的創造をしなくなれば)、
自分自身が劇的に向上することはなくなる”
ということ。
周りの目や評価を気にして、
勝つことにとらわれ過ぎて、
肝心の「自分の理想の像」を見失っては、本末転倒でしょう。
であるならば、
このような競争、比較が多い世の中だからこそ、
”「自分の演技」(=自分の理想、目標)に、どれくらい近づけたか”
という視点で、自分を捉えてみることで、
より自分を活かすチャンスになるのでは、
と思う次第です。
とにもかくにも、
羽生選手、おめでとうございます!
■今日のお話は、
・羽生選手は金メダルを取って「悔しい」と言った。
それは自分の満足のいく100%の演技ではなかったから。
・元体操選手のゼミ教授は、伸びる選手は
高いイメージを持ちそれに集中する、という。
・私達もオリンピックほどのレベルではないが、
何かしらの専門分野を持っている。
そして比較されたり、評価されたりする。
・そうすると「勝ちたい、秀でたい」と時には思うかもしれない。
が、高みを目指すのであれば基準は「自分の理想の像」に対して
どうだったのか、が大切なのだろうか。
という内容でした。
今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。