メールマガジン バックナンバー

214号 2014年1月22日

ラグビーの試合が荒れたり、荒れなかったりする理由

■おはようございます。紀藤です。

昨晩は雪が降ったようですね。
外出の際は足元にお気を付け下さい。

私も本日から富士山の麓で野外活動をするのですが、
いかほどの寒さなのか、非常に不安です。
こんな時だからこそ、「寒さ」を楽しんでいきたいと思います。

■さて、今日はとある知人から
「信頼」について面白い話を聞きました。
そのお話を共有したいと思います。

今回のお話をする私の知人は、40歳の男性。
世界のApple storeでランクインするアプリを作る
素晴らしい開発者です。

そんな彼の休みの活動の一つが

「ラグビーの審判員(レフェリー)」

だそうです。

ラグビーというのは非常に奥が深く、
かつ、細かい規定やルールが定められているスポーツ。

しかも同時進行で、連続的に
様々な出来事が起こるため、
俯瞰してみて、かつ
瞬発的に的確なジャッジをしていかなければならない、
だからこそ、審判の少しの裁量で、
15点くらい一気に変わってしまうものなのだ、
と彼は教えてくれました。


■そして、彼が言うには

【レフェリーの信頼度が低いと、試合が荒れる】

ケースが多くなるそうです。

先にも述べたように、
ラグビーは同時進行的にどんどん場面が変わり、
様々な要因を並行して考えてジャッジしなければいけない、
だから当然、意見の対立も起こりやすい。

そんな中で選手が、

「彼(レフェリー)の判断は的確である」

と無意識的に感じ取ってもらえるかどうかで、
よくある「物言い」「抗議」というものが圧倒的に減る、
逆に信頼してもらえないと、
曖昧な判定の時に、選手たちが怒る、意見を主張して場が乱れる、
という事態にすぐなってしまう、
とのことでした。


■では、選手たちは何を見て

「レフェリーが信頼に値するかどうか」

を判断しているのか。

非常に些細なことに思えるのですが、
例えば、

・ホイッスルの微妙な強弱
 (上手いレフェリーは、反則の重さによって、笛の音色を吹き分ける)
・選手への声のかけ方 
 (ラグビーでは指示に従ってくれた選手に「サンキュー」という文化がある)

などなど、小さな行動の節々から、

「このレフェリーは実力があるか」
「このレフェリーは経験があるか」
「このレフェリーは公正に判断しているか」

などを総合的に感じ取り
「レフェリーのジャッジに従おう」と
無意識的に判断しているのではないか、
と彼は言っていました。


■さて、このような「信頼」がもたらす影響は、
ラグビーの試合だけでなく、
あらゆるところで見られるように思います。

「あの人のやることなら信頼できる」

と何となく思える人もいれば

「なんか任せるのは不安だなあ…」

と感じる人もいます。

特にビジネスにおいては、
仕事を任せる、任せない等の判断は
殆どそのような「信頼」で決まっている、
と言っても過言ではないかもしれません。

そんな大切な「信頼」ですが、
信頼の築き方についてお伝えしている
「スピード・オブ・トラスト」という研修において、
人が人を信頼するかどうかは、

【信頼の4つの核】

という視点で成り立っている、
とお伝えしています。

信頼の4つの核、とは

1、誠実さ(一貫性のある人間かどうか)
2、意図 (その人の思惑はどうか)
3、力量 (状況に適応した能力があるか)
4、結果 (実績を上げているか)

の4つで成り立ちます。

ぜひ誰かを想像して、当てはめて考えてみて頂きたいのですが、
私たちは誰でも、上記の
【信頼の4つの核】を通して誰かを見ています。

逆に言えば、
自分もそのように見られている、とも言えるでしょう。


■私たちは人と人の中で生きている社会的な生き物です。

ですので、やはり「信頼」もないよりはあったほうがいいですし、
ラグビーの試合も荒れるよりも、気持ちよくプレイできた方がいい。

であるならば、人間関係やコミュニケーションにおいて
気になることがあったときに、

【信頼の4つの核】

という視点で、自分と相手のことを見つめてみると、
新しい発見があるのかもしれないな、と思う次第です。


■今日のお話は、

・ラグビーの審判は複雑なルールの中で
 的確に判断をしなければならない。
 しかし曖昧な状況も非常に多く起こる。
 
・そんなとき、鍵になるのが審判の「信頼性」。
 審判が選手に信頼されているかどうかで、
 ゲームが上手く進んだり、逆に荒れたりする。
 
・選手は審判の信頼性を些細な行動から、
 無意識的に「経験」「実力」「公正さ」などを
 判断している、と言う。
 
・人が人を信頼できるかどうかは
 【信頼の4つの核】を通してみているという話がある。
 それは「誠実さ」「意図」「力量」「結果」の4つ。
 これを満たしていれば信頼を築くことができる。

・人の中で生きている私達なのだから、
 「信頼」はないよりあったほうがよい。
 であるならば、問題があるときに、信頼の4つの核、
 という視点で自分と相手を見つめてみるのもよいのではないだろうか。
 
という内容でした。


今日も皆様にとって、良い一日となりますように。

【本日の名言】 信頼を思い通りにできる人は、
必要とするあらゆる事実や数字、
裏付けや証拠、支持を得られるが、
思い通りにできない人は
何一つ上手くいかないものだ。

           ナイル・フィッツジェラルド

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す