山の神は言った。「自然には原則がある」、と。
■おはようございます。紀藤です。
昨日から山梨県の森の中にきております。
とある野外型研修を見に伺ったのですが、
都会にはないきれいな空気や、多くの自然があり、
改めて人も自然の一部なのだなあ、感じました。
色々教えて頂いた、Tさん、Kさん、
ありがとうございました!
■さて、その野外型研修の中で非常に考えさせられた
とある「演習」がありましたので、本日はそのお話から気付きを一つ。
ちなみにその演習とは
【ミッション:濡れた薪の束に、マッチ5本で火をつけよ】
というものでした。
使ってよいものは、自然にあるものだけ。
(落ち葉などはOK)
濡れているといっても、
ちょっと湿ってるとかでなく、
水の張ったバケツに1日中つけられていて
水を吸ってパンパンに膨れ上がった薪たちです。
私を含めた4人は、
「まず落ち葉を集めたらどうだろうか」
「いやいや、囲炉裏型に組むのが大切なんだよ」
「もっと風を送らないと!」
などと頑張り、火をつけようとしますが、マッチは減るばかり。
落ち葉などは一時的に燃えても、
濡れた薪には決して燃え移らないのです。
結局、答えは見つからず、
タイムアップとなってしまいました。
■では、このような状況で、
どうすれば火を起こすことができるのか?
濡れた薪に、着火剤もなく火をつけることは可能なのか?
その問いに対して、
インストラクター(通称:山の神)は答えます。
『自然には原則があり、モノが燃えるのにも原則がある。
それに従えば、雨の中でさえ、たき火を起こすことが出来る』
と。
そして、
『「自然の原則」「モノが燃える原則」とは
ごくごく当たり前の、皆が知っていることである』
そう続けました。
■例えば、「モノが燃えるための原則」を考えてみましょう。
彼曰く、
1、熱は上へ上へと伝わる。
2、乾かないと燃えない
3、燃えるためには「燃やす物(マッチ)」「燃える物(薪)」「温度(乾かすこと」が必要。
4、まず燃えやすいものから燃やさねばならない
などなどがあると言います。
こう言われてみるとごく当たり前のこと。
逆を言えば、この状況をどう作るか、
がポイントになるわけです。
そして、これを満たす
「システム」をつくってあげれば
薪は燃えることになります。
少し具体的に考えてみると、
1、熱は上へ上へと伝わる。→【高さを作ること】
2、乾かないと燃えない →【乾きやすいように、薪を細かくする】
3、燃えるためには「燃やす物(マッチ)」「燃える物(薪)」そして「温度(乾かすこと」が必要。 →【温度が高まるよう隙間を失くす(乾きやすくする)】
4、まず燃えやすいものから燃やさねばならない → 【燃えやすいものを内側へ】
このような「原則に従った行動」を、
丁寧に、丁寧にやっていくことで、
初めて濡れた薪は燃えることができる。
「山の神」はこんなお話をしながら、
ものの5分ほどの時間で、全ての薪を使い、
「ティピー型」と言われる、富士山のような形を創り上げました。
そして、マッチで葉っぱに火をつけると、
濡れた薪は、どんどんどんどん燃えていきました。
■長々と「火の起こし方」についてお伝えしましたが、
結局、何が言いたいかと言うと、
「原則に忠実に行動することが、結果をもたらす」
ということです。
そして、これは全てに働く法則だと思うのです。
薪が燃えるために原則があるよう、
人間関係や、仕事や、人生にも同じような原則があり、
それを無視しては、成果を得ることはできない、
そのように感じるのです。
「7つの習慣」では、
たくさんの「原則」が出てきます。
「原則」とは変えることができず、誰にでも働くもの。
そしてそれは、多くの場合、誰にとっても当たり前だと感じること。
例えば、
・計画がなければ、実行はない
・大切なことを大切にしなければ、充実した人生は送れない
・相手のことを理解しなければ、深い人間関係は気付けない
などでしょう。
言われてみれば当たり前のことでも、
忙しい日常ではつい忘れがちになり、
すぐに成果を欲し、簡単な手法をとろうとしがちではないでしょうか。
私も、薪を燃やすためには乾かさなければいけない、
と知っていたはずなのに「どうすればいいか」を飛ばして、
とりあえず「何かを燃やすこと」に集中していました。
当たり前のこと「原則」は時に手間が掛かったり、
回りくどかったりすることも多いものですが、
それなくして、成果を求めることはできない、
山の神から学んだ、自然と人生の教訓でした。
■今日のお話は、
・薪を燃やすためにも「原則」がある。
・それは時に、考える必要があったり、
準備が必要だったり、めんどうくさいことであったりする。
・しかしながら、そのプロセスなくして、
成果(薪が燃えること)を手に入れることはできない。
・同様に、人間関係においても、人生においても、「原則」がある。
それは当たり前のことがゆえに、忘れがちで、時に手間がかかることである。
・しかし薪と同様、原則に従って、
着実に、丁寧にプロセスを従うことが、長期的な成果をもたらすのではないか。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。