相手を理解できなくする障害 「自叙伝的な反応」
■おはようございます。紀藤です。
気付けば、朝起きても暗い毎日になっておりました。
冬になり、日が出ている時間が短くなると
朝起きるのがつらくなるのは私だけでしょうか。
とはいえ、今日も元気に
メルマガを配信したいと思います。
■さて、一昨日、昨日と、
「人間関係において大切なこと」というテーマで
お伝えしてきました。
おさらいをすると、まず
・人と人が協力するためには、「信頼」が必要。
そして、
・信頼を得るための効果的な方法は「相手を理解すること」。
さらに、
・相手を理解するためには、相手の立場になって「感情移入の傾聴」を心がけること
こんな内容が昨日までのお話でした。
今日は、人間関係編の締めくくりとして、
「コミュニケーションの際に、気を付けるべき【自叙伝的な反応】」
というテーマでお伝えしたいと思います。
■相手の話を聞く際に、
気を付けなければいけないキーワードがあります。
それが先に述べた、
【自叙伝的な反応】
と呼ばれるものです。
これが、相手を理解するための
「感情移入の傾聴」を妨げます。
では「自叙伝的な反応」、とは何か。
読んで字のごとく
「自叙伝」(私の場合はこうだった)
というように、
自分の立場・経験を通して相手の話を聞くことです。
■例えば、仕事に悩んでいるAさんがいるとします。
B部長が相談にのるとしましょう。
Aさん「部長、最近、仕事が上手くいかなくて…」
B部長「なに!そりゃ、気合が足りないからだ!
気持ちを込めて仕事しろ。そうすりゃ、上手くいくさ」
というようなイメージでしょうか。
(大分、極端な例ですが苦笑)
きっとB部長の頭の中は、
(俺の場合は、いつも気合で乗り切ってきた。
上手くいかないのは、気合が足りない証拠だ!)
と思っているのでしょう。
悪気はなく、本当にそう考えており、かつ一つの真実なのでしょう。
ですから、それ自体が悪いわけではありません。
■しかしながら、相手が悩んでいたり、
感情的になっているような場面では、
「俺の場合・・・」
「私もそうだったけど・・・」
「私なら・・・」
という言葉は、
あまり効果的でないことが多いのです。
なぜならば、
相手はもしかしたら別のことで悩んでいるかもしれない。
Aさんの仕事がうまくいかないのは、もしかしたら
「家庭が上手くいかないから」
なのかもしれません。
だからこそ、
何か相談に乗るときは、
<「処方する前に診断する」= 本当の問題を聞く前にアドバイスをする>
ことは、意識して避けることが大切なのです。
■整理すると、
「7つの習慣」でいわれるように
「第五の習慣 理解してから理解される」ことは、
相手との信頼を深める上で、間違いなく武器になります。
もちろん、常に「理解し続けること」が
必要なわけではありません。
何気ない世間話では傾聴など必要ないでしょうし、
聞き流したり、選択的に聞いてもよいと思います。
ただ、
「相手との信頼を深めようとしているとき」
「相手が感情的になっているとき」
「相手が悩んでいて辛いとき」
そんな時には、
1、【「自叙伝的な反応」をしないように気を付ける】 = 自分の経験から相手の話を聞かない
2、【「感情移入の傾聴」を心がける】 = 耳、目、心を使って、誠心誠意相手の話を聞くこと。
を実行することで、
「信頼関係の向上」「相手の悩みの解決」「冷静にさせる」
などの効果をもたらすことができる、
というポイントを押さえておくと、
今後の人間関係の上でも役に立つのではないでしょうか。
■今日のお話は、
・相手の話を聞く上で大切にするポイントがある。
それが「自叙伝的な反応を避ける」ということ。
・相手が悩んでいる、話を聞いてほしいときに
「私の場合・・・」といってもあまり効果的ではないことが多い。
・「処方する前に診断する」とならないよう、
相手が何で悩んでいるのか、何を考えているのかを
「感情移入の傾聴」によって理解することがまず始めに気を付けること。
・特に、相手との信頼を深めたいとき、相談に乗っているときなどに、
上記のことが大切になることが多い。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。