天道に負けず、人道を貫く
■おはようございます。紀藤です。
昨日はグローバルで展開をしている、
ある業界最大手の会社様へ、新人研修をご提供。
国籍も様々で、海外での生活経験があり、
学生時代から秀逸な活躍をされてきた方が対象。
新人ながらもとてつもない可能性を感じる方々です。
そんな彼・彼女らに、
「ディスカバリー」を通じて、
・何のために働くのか?
・プロ意識とは何なのか?
・主体的に動くとは?
・任せて安心という信頼を得るためには?
そんな深い内容をディスカッションし合ってもらいました。
感想の節々で、
「今まで考えないことを考えた」
「”組織人として働く”という意味が分かった」
などの声が聞こえてきました。
彼ら、彼女らの優秀さ、
そして膨大な可能性を見て凄いなあ、と思うとともに
「自分も頑張らねば!」
と尻を叩かれた気持ちになった1日でした。
皆さまの今後の活躍を、心からお祈りしております!
(そしてIさん、これから3週間大変だと思いますが、
陰ながら応援しております!)
■さて、今日のお話です。
皆さま、二宮尊徳という方、ご存知でしょうか。
(もちろん知っていますよね!)
そうです、あの薪を背負って読書をする
「二宮金次郎像」の彼です。
彼は、江戸時代後期、飢饉や天災も相次ぎ、
全国の村々が食料不足で困窮している中、
610もの村々を立て直したそうです。
そんな彼が晩年語った、気持ちを
引き締めてくれるお話がありました。
”新人の入社。気持ちを引き締める季節”
ということで、以下のお話を
ご紹介させて頂きたいと思います。
それでは、どうそ。
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「天道と人道の別」
翁はこう言われた。
天道は自然に行われる道であり、人道は人が立てた道である。
もとからはっきり別々のものであるのに、一つにするのはまちがいだ。
人道は努力して人力で維持して、自然に流動する天道に押し流されないようにすることだ。
天道にまかせておけば、堤は崩れ、川は埋まり、橋は朽ち、家は立ち腐れになる。
人道はこれに反して、堤を築き、川をさらい、橋を修理し、屋根をふいて雨のもらないようにするのだ。
身の行いもまたこれと同じである。
天道は寝たければ寝、遊びたければ遊び、食いたければ食い、飲みたければ飲むというようなものだ。
人道は眠りたいのを努力して働き、遊びたいのを勇気をおこして戒め、
食いたいうまい物も我慢をし、飲みたい酒もひかえて明日のために物を貯える。
これが人道だ。
よく考えなさい。
「二宮翁夜話」児玉幸多 訳
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■いかがでしたでしょうか。
欲に流され、食べたいときに食べ、
飲みたいときに飲み、寝たければ寝を、繰り返していれば、
「天道」と同じように、橋や家が朽ちていく如く、
己の身を立てることもできない、
そんなメッセージが込められているように感じました。
■二宮尊徳のメッセージは、
ストイックな生き方を強いているようにも感じます。
ですが、反面当たり前のことのようにも感じます。
そして、これは江戸時代だったから、ではなく、
現代も通じることではないか、とも思えるのです。
先日の新人研修でも、
こんなメッセージが伝えられていました。
【成長し続けるためには、日々愚直に
<基礎(当たり前の事>× <反復> をするしかない】
これは新人に伝えられたメッセージですが、
本質をとらえているのではないでしょうか。
イチローがどんな日でも素振りをし続けたように、
荒川静香がジャンプの練習で、2万回もの尻持ちをついたように、
小さな小さな行動を、
自分を律しながら、でも辞めずに続けることで、
人は高みへ昇ることができる、そのように思います。
どのレベルでやるかは人それぞれではありますが、
もし昨日よりも一歩でも前に進もうとするのであれば、
「積み重ね」という行為は避けて通れない、
大切な行為なのではないでしょうか。
■しかしながら、悲しきかな、人は慣れていく生き物。
働いて5年たち、10年たち、
15年たつと、自分達が新人の時は意識していた、
「日々復習しよう!」
「この失敗を反省して、次はしないと誓う」
「謙虚に先輩に学び続けよう」
という気持ちを忘れ、
”当たり前の行動”をつい疎かにしてしまう、
という事、結構あるのではないでしょうか。
「当たり前のことを、当たり前にやる」
すなわち、二宮尊徳風に言えば、
【天道に負けず、人道を貫く】
ことの大切さ、
4月の新しい風が入るこの時期だからこそ、
改めて意識してみるのもよいかもしれません。
「7つの習慣」でも、
”自分自身の刃を研ぐ(=自分を磨く)”
といいますが、
欲に流されて、日々の積み重ねを忘れないよう、
戒めないといけないな、と、
フレッシュかつ可能性の塊のような新人さんを見て、
気持ちを新たにした次第です。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。