マニュアルに縛られた、ダメリーダーきとう
■おはようございます。紀藤です。
昨日も引き続き、リーダーシップ研修のお手伝い。
「リーダーの4つの役割」という研修だったのですが、
この研修を見ながら、私は新卒で入社をした
とある有名外食チェーンでの経験を思い出しました。
入社1年目、私は当時、
キッチンリーダーとして三軒茶屋で働いておりました。
■外食チェーンはマニュアル命。
”塩は1g。サーモンは厚さ1センチ。
レタスは5センチ幅でカット。
キャベツを30秒炒めたら、
ニラを追加して10秒炒める。
その間に半茹でパスタを、茹で麺機に入れる”
こんなイメージで、
全ての行程を完璧に統一させることで、
どのお店でも均一の味を提供できる。
そして、私も
「マニュアルを守ることが何より重要だ」
と信じていました。
■きっちり管理し、
マニュアル通りに料理を提供することを重視していた私。
ある日、アルバイトとして
「曽我部くん」という男の子が入ってきました。
彼は料理学校に通っており、シェフを目指していました。
料理の腕は、当然ながら素晴らしい。
そんな彼はいいました。
「キトウさん、この汁ビーフン、具を先にいれないほうが美味しいですよ。
このマニュアル、絶対おかしいですって!」
それに対して私は、
「マニュアルだからダメ。マニュアル通り作って。」
と、一蹴。
だってマニュアルを守ることが正しいんだから、と。
かつ、社員はアルバイトに舐められてはいけない、と。
それしか考えていませんでした。
(・・・本当は、彼の汁ビーフンの方が具が
シャキシャキしていて美味しい、と私自身思っていたのに)
私は彼の提案(能力)を受け止めるのでなく、
「マニュアルを守らない生意気なアルバイト」と見なして、
ルールを守らせることだけを、強いました。
■そして今回の研修で
「偉大なリーダー」について改めて考えました。
そして、当時の自分は違っていた、
改めて、そう感じるのです。
そもそも、私の仕事はマニュアルを守ることでなく、
「お客様に美味しい料理を提供する」
ひいては、
「お客様に満足して喜んでもらう」
ことだったはず。
もしルールを守らせるだけなら、
誰だっていいし、機械にやらせればよいのでしょう。
■私たちの定義する
「偉大なリーダー」とは、
「人の可能性を引き出し、結果を出すこと」
であると述べています。
そして、まさしくその通りだと思うのです。
・「管理する」のではなく、「引き出す」のがリーダー。
・「型にはめる」のではなく、「環境を整える」のがリーダー。
・「問題点を指摘する」のではなく、「いいところを伸ばす」のがリーダー。
非常に変化が激しく、創造的な時代だからこそ、
個々が持つ力を最大限に引きだし、
力を合わせ、より良いものを作り、
結果を出していくことがリーダーの役割なのではないでしょうか。
当時、もし私にそんな発想があったなら、
ただ否定するだけでなく、
「彼からの提案をマニュアルとして上に出してみる」
という選択も出来たかもしれません。
そしてその結果、誰も気付かなかった
新しくて、美味しいマニュアルに改定されたかもしれません。
■人には偉大な可能性がある。
それを見抜いて、可能性を開花させ、
力を開放し、その人自身の影響力も高めるのがリーダー。
そう考えると
非常に難しく、責任も多い役割ですが、
「何とも素晴らしい役割ではないか」
と思わずにはいられません。
あくまでも一つの考え方ではあり、
リーダーになることだけが全てではありません。
でも、せっかく生きているのであれば
どんな形であれ、
「あなたがいて、今の自分がいる」
と言われるような存在になりたいものだな、
と胸を熱くした一日でした。
■今日のお話は、
・外食チェーンで働いていた新卒キトウは、
アルバイトの貴重な意見を一蹴した。
・しかし、そもそもリーダーの目的とは、結果を出すこと。
(私の場合、お客様に喜んでもらい、売り上げを上げること)
・しかし、ともすると「管理すること」「型にはめること」自体が
目的になってしまうことがままあるのではないか。
・「偉大なリーダー」は、個々の可能性を見抜いて、力を開放する。
結果として、高い成果を残すことが出来る。
・自分のリーダーシップスタイルが、どちらなのか、
そして、どういうリーダーになりたいのか、考えてみることも大切なのでは。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。