知らない世界がある、と知ることから始めよう
■おはようございます。紀藤です。
皆さま、「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」という
体感型ワークショップをご存知でしょうか。
真っ暗闇の中で、視覚障碍者がアテンドスタッフとなり、
暗闇の世界を探検し、普段私達が行っている、
ごく当たり前の生活を、体験をするという内容です。
視覚が全くないということが私達にどういう感覚をもたらすのか、
驚きや大きな気付きを通じて、知るプログラムで
以前に、私も参加したことがあるのですが、
とても印象深い経験をしました。
今日はそこから得た気付きを一つ。
■詳細は、ぜひ参加して頂きたいのですが、
私が参加した時は、「山でキャンプをする」という設定でした。
山という設定ですが、当然真っ暗闇。
実際の広さは判りませんが、小さな建物の中に作られています。
そして、8人のチームになり暗闇の山に入ります。
山の中で、橋を渡り、
木に触れ、山小屋でお金を払ってハイボールを飲む。
そしてテントに皆で入って、レクリエーションをする。
かすかな光さえありません。
■チームで動くので、皆で手を握って行動するのですが、
一度手を放すと、
周りがどうなっていて、
自分はどこにいて、
どちらにいけばよいのかも全くわかりません。
そしてものすごく不安になるのです。
視覚障碍者のアテンドスタッフの方が
ものすごく心強く、頼もしいものに感じたこと、
逆にこんなに狭い空間でも何もできないのに、
街の中で生活をする視覚障碍者の方に尊敬の念すら抱いた感覚が、
今でも残っています。
そして、人とのつながりや触れ合いが
いかに私達を安心させてくれるのか・・・
人との繋がりが暗闇の不安を取り払ってくれる唯一のもの、
そんなことを感じさせられた、素晴らしいワークでした。
■そんな体験を終えてから、
視覚障碍者の方用の点字ブロックや、音声案内などが
初めて気になるようになりました。
そもそも、
「視覚がない世界」というものがわからず、
関心もなかったというのが正直なところでした。
(恥ずかしながら・・・)
しかし、体験を通じて、
私の中の「見方」に変化がありました。
だからこそ、
気になるようになったのだと思います。
■その後、知ったのですが、
まだまだ日本の交通は視覚障碍者に易しくないそうです。
例えば、電車のドアに張っている
「車両番号」に関する表示の点字の位置が、
各鉄道会社によって違っているそうです。
ある鉄道会社は、160センチの高さにあり、
ある鉄道会社は、140センチの高さにある。
あるものは、右側に張られていて、
あるものは、左側に張られている。
すると、視覚障碍者の方が、
普段あると思っているところにない、ということになる。
それは、想像以上に大きなハードルになるそうです。
こういったことも、もしかすると
実際にそれがどれくらい大変なのか、
ということを作り手が想像しきれず、
大切さに気が付けなかったのかもしれません。
■ここで私が言いたいことは、
どの鉄道会社がいいとか、悪いとかではなく、
「気付けるか気付けないか」
が、結果に影響するということです。
「7つの習慣」の「第一の習慣 主体性を発揮する」において、
「影響の輪、関心の輪」というモデルが出てきます。
この内容は、
「主体的な人は影響の輪(自分が影響を及ぼすことができる事柄)に集中している」
と伝えており、平たく言えば、
「変えられないことに愚痴を言うより、出来ることをしましょう」
という考え方を伝えています。
と同時に、「影響の輪」(=影響を与えられること)を拡げるには、
「関心の輪」(=興味・関心があること)も拡げていかなければなりません。
私はこのダイアローグ・イン・ザ・ダークの体験を通じて、
新しいパラダイム(見方)が出来るようになりました。
そして、この件だけでなく、
「ただ知らないだけ」のことは
たくさんたくさんあると思うのです。
■今自分が、興味がないことでも、
積極的に世界を知りに行き、学ぶことで、
より思いもよらない気付きがあるはず。
そして、気付くことが、変えられることに繋がり、
結果、世の中をより良くかけるきっかけになるのかもしれない、
改めてそう思います。
変化のための第一歩は、
知らない世界がある、と知ることから。
ぜひ、
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」、
で小さなパラダイム転換をしてみて下さい。
おすすめです。
■今日のお話は、
・ダイアローグ・イン・ザ・ダークという体験型ワークショップがある。
・それは「見えない世界」を体験するもの。
・自分が実感として知らない世界を体験すると、見方・考え方に影響がある。
・そうすると今まで気付かなかったことに気付けるようになる。
・世の中を変えるためには、まず関心を持つことから。
・であるならば、社会を動かしている私達にとって
色々な場に足を運び、学び、知ることは重要なことなのではないか。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。