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116号 2013年8月16日

我が父の仕事論

■こんにちは。紀藤です。

本日も相変わらず新潟におります。

久しぶりに皆で遠くに行く家族旅行なので、
積もる話も多く、昼間から新潟の町を回りながら、
美味しいものを食べて、お酒を飲んで、
という非常に贅沢な時間を過ごしております。


■特に、父が無類の酒好きなので、
度重なる肝臓の病にもめげずに、
浴びるように新潟の酒を飲んでいます。
(少し心配ですが…)

そんな父は昨晩から、酔った勢いもあり、
「仕事論」のようなものをアツく語っており、
少し悔しいのですが息子としても、人生の後輩としても
「なるほど」と感じさせられた部分がありました。


■ちなみに父は、62歳。
現在、自動車部品メーカーで役員をやっています。

10年ほど前、海外展開を拡大する特命係として
タイ工場へ立ち上げ、単身赴任で会社に大きく貢献をしたことが
きっかけとなり、役員に昇進したそうです。

そして現在、インドやインドネシアなどに
工場を建てるべく奮闘している、これが俺の人生の最後の仕事だ、
と意気揚々と語っておりました。


■インドやインドネシアの話を聞くと、
他の国で工場を始め、仕事を立ち上げるためには、
色々と踏まねばいけないステップがある、とのこと。

例えば、その国での戦略を立てるために、
コンサルタントに3週間で数千万円のコンサル費を払ったり、
現地の法律に即した形で契約書を作るために、
頭の良い弁護士と協力して、小難しい文面にまとめる、などなど。

そして、開発畑で歩んできた父にとって、
そのような法律系の話などは、

「ぶっちゃけ、さっぱりわからない」
もしくは、
「わかっても、すぐ忘れる」

とのことでした。


■それを聞き、聞いていた母、姉、私は、

「わからなくて、数千万はらっている!?」
「そんなことを言って、言いなりになっているんじゃないか」
「高い金を騙されて、ボられてるんじゃないの?」
と意見。
対して、父曰く、

「仕事を一緒にするかどうか決めているのは、「信頼」だ。
 信頼出来る奴だったら、任せても大丈夫なんよ」
と一言。

そして加えて曰く、どうやら父は、
相手の「目」を見れば、信頼おけるかどうかわかるそうです。
(本当かどうかは定かではありませんが…)


■自分のわからない領域は五万とあるから、
それぞれの分野で出来る人に任せないと仕事などはできない、
特に立場が上になったら尚更そうだ、
というのが父の持論であり、ポリシーだそうです。

だから、結局任せるかどうか判断する点は、
その人が言っていることと、やっていることが一致しているか、
仕事に対して一生懸命なのか、というところである、
と言っておりました。

言われてみると当たり前のことですが、
『7つの習慣』でも、人が「依存→自立→相互依存」と
成長の階段を上っていく過程において、
人間関係における「信頼」がなければ、
「相互依存(相互協力)」というステージに達することはできない、
ということを述べています。


■ちなみに父は、本は大嫌いで「7つの習慣?知らんな」という人ですし、
取引先と、社員の仲間と、酒ばかり飲んで来た人です。

でも、結局言っていることは同じで、
「信頼が大切である」、という原理原則は結局変えられないんだな、
と感じた父との語らいの夜でした。

今日のお話は、

・父の仕事論によると、自分でわかることなどたかだか知れている。

・海外での事業立ち上げなど、優秀な人の力を借りなければ何もできない。

・高いお金を払って、仕事を依頼するが、その際のポイントは
 「信頼できるかどうか」であるそう。

・父は本嫌いで、理屈っぽいのも嫌いな人だが、
 人が協力するにあたって「信頼」という原則は無視することができないのではないか。

という内容でした。


今日も皆様にとって良い一日になりますように。

【本日の名言】 生きているということは、誰かに借りを作ること。
生きてゆくということはその借りを返してゆくこと。

                   永六輔

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