「学ぶ意欲」に火をつけるもの
■おはようございます。紀藤です。
先日、ある金融業界の友人と話をしていて、
興味深い話を聞きました。
今日は、そこで気付いた
「学びの効果を高める要素」について共有したいと思います。
■ちなみに突然ですが、問題です。
「Q:世界で4番目に人口が多い国はどこでしょう?」
…答えは後ほど (笑)
■ちなみに、この質問は
金融業界の友人の彼からされたものの一つです。
彼はとても優秀なセールスですが、
お客様から、金融商品の話(どこに投資をするか)
という相談をされた際に、中学・高校の授業で使われる
社会科の資料集を使うそうです。
「これから投資して、期待できそうなところはどこですか?」
「ちなみに、どんなところが伸びそうですか?」
と聞いた上で、
「世界の人口ランキング」のグラフを見せる。
すると、非常に興味深いデータが、
とてもわかりやすく、図やグラフを使って表現されています。
金融について無知な私も、
世界の人口の過去、現在、そして未来への推移が、
私達の経済活動に大きな影響を与えることくらいは判ります。
気付けば、知らず知らずのうちにその話に釘付けになっていました。
■この時に、「つくづく不思議だなあ」と感じたのは、
学生時代、同じような資料を見ていただろうに、
全くそのことを覚えていない、ということです。
学校で学んだことはもちろん、
印象にすら残っていないのですから、
不思議を通り越して、致命的です(汗)
もしかすると私だけなのかもしれませんが、
このようなことは、少なからず多くの人にも
言えるのではないか、と思うのです。
■「世界で4番目に人口が多い国(ちなみに答えはインドネシアです)」がどこなのか、
今でこそ気になるかもしれませんが、
当時はどうでもよかった。(私の場合)
そして、
昔は世界の人口推移に興味がなかったのに、
今は興味がある。
学生の頃は歴史なんて嫌いだったのに、
今はもっと歴史を学びたい。
大学は遊ぶところだったけど、
今はもう一度真剣に勉強をしたい。
■言うまでもないことかもしれませんが、
結局「学ぶ意欲」というものは、
「自分事だと思うかどうか」
に、大きく左右されます。
世界の人口は、「グローバル化」としつこく言われる今の世の中で、
意識させられやすいテーマですし、
特に海外と関わる仕事をしている方であれば、尚更そうでしょう。
10年20年と働き続ければ、きっとその影響力はもっと大きくなりそうです。
歴史も、
大学の勉強も、
世界情勢も何でもそう。
それが必要と思った時に、人は初めて
「本気で学びたい」
と思うはず。
■そして、今日一番お伝えしたいことで、
かつ、強く思うことが、
「教育や研修にも同じことが言える」
ということです。
私は仕事柄、研修を様々な企業様に提供しています。
ですから、教育や研修がより効果的に役割を果たすことは、
私の願いの一つでもあります。
人事担当者や現場の上長の方など
こんな社員になってほしいという想いがある中で、
教育や研修は行われ、提供されることが多いのですが、
「あなたには、こんなスキルが必要。
だから、〇〇力強化研修をがんばってね!」
と、参加者の気持ちを「全く」考慮せず、
学ぶことでどんなメリットがあるのかも、全く伝えなければ、
「忙しいのに、また研修か・・・」
と学生時代の補習のように、憂鬱な気持ちを抱えながら
研修に参加することになるのかもしれません。
すると、当然ながらせっかくの企画した内容も浸透しません。
(教育に関わる皆さまは、そんなことはないと思いますが)
■もちろん、ある職務に対して、
「こうなってほしい」という期待を持ち、
それに基づき必要なスキルを、ある程度強制力を持って伝える、
そして気付かせる、ということは王道の一つだと思います。
ですので、間違っているとは決して思いません。
ですが、どんな場合でも
学ぶ人自身が
「自分事だと思うかどうか」
次第で、「学びの効果」大きく変わってくることは、
間違いないことでしょう。
だからこそ、そこはどんな形であれ意識をする必要があると思うのです。
■これまで20万人以上が受講している、
人気の「7つの習慣セミナー」において、
自分自身の価値観を見つめ、自分のミッションを考え、
「この研修は自分の人生を考えるものなのだ」
と気づいたときに、参加者の目の色が、
特に変わるよう私は感じます。
人は、自分の人生は良くしたいですし、真剣に考えるもの。
「これを学ぶことが自分のためになる」
と心から感じたとき、人は学ぶ意欲に火がつくのでしょう。
そしてそんなことを、参加者を含め、
企画者や教育をする人、意図的に演出することが出来たら、
もっともっと、効果的で素晴らしい学びの場ができるのではないか、
と思うのです。
大切なことは、常に心に留めておきたいものですね。
■今日の内容は、
・昔は興味なかったことでも、今は興味がある。
・それは「自分事と思うかどうか」が影響している。
・自分事と思えば、学ぼうと思うし、そうでなければ学ぼうとしない。
・そしてそれは、企業の教育・研修も同様。
・何かの意図があって企画しても、それが自分事と捉えられなければ、
どんなにいいものも浸透する可能性が低くなってしまう。
・であるならば、参加者を含め、関係する人がより意識出来たら
よりよい教育の場ができるはず。
という内容でした。
今日も皆様にとって、良い一日になりますように。