『スタンド使い』に学ぶ、スキルよりも大切なものとは
■おはようございます。紀藤です。
先日は『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦さんの
働き方についてお話をいたしました。
26年間の連載に、累計8000万部、
ファンに愛され続け、その卓越したキャラクターと
ファッションは「漫画の域を超えている」と評され、
20以上の国において一流ブランドとのコラボレーションを実現する、
など快挙を成し遂げ続けている作品、それが『ジョジョの奇妙な冒険』です。
そんな作品を生み出し続ける荒木さんは、
常に自分をベストな状態に保つことを心がけているそうです。
”書き続けるためには、規則正しくやるのが大事。
だから週2日は絶対休み、ペンを持つのも12時間以内と決めている”
だからこそ、継続的に進化を続けることができ、
誰も真似が出来ないような高品質な作品を生み出すことができた、
そんな話を先日はお伝えいたしました。
■今日も、そんな『ジョジョ』に関して、
せっかくなのでストーリーから一つお話を共有したいと思います。
(個人的な好みもあり、連日で失礼いたします苦笑)
ちなみに、ご存じの方もいるかと思いますが、
『ジョジョの奇妙な冒険』は、個性豊かなキャラクターが、
「スタンド」と呼ばれる特殊能力を使い、
お互いの立場で戦いを繰り広げるお話。
(※「スタンド」を使う人は「スタンド使い」と呼ばれます)
「スタンド」には、様々な能力があり
時間を止めたり、傷を治したり、空間を削り取ったり、
実にユニークな特徴を持ちます。
■その中のとあるキャラクターが、
「スタンド」という能力についてこんなことを言っています。
(以下ストーリーから一部抜粋)
”「スタンド」というのは車やバイクを運転するのと同じなのだ・・・!
能力と根性のないヤツはどんなモンスターマシンにのっても
大したことない運転をするのだ。” by虹村形兆
つまり、いくら「スキル」や「力」が強くとも、
それを扱う「人」がよくなければ、結局強くはなれない、
と登場人物の彼は言います。
■そしてこれは、
私たちの現実の世界でも同じことが言えるのでは、
と感じるのです。
先のお話になぞらえるのであれば
「スタンド」とは、いわば「テクニック」や「スキル」。
もし仮にある人が、
素晴らしいプレゼンテーション能力や、MBAの知識、論理的思考能力、
パワーポイントの作成技術など、多様なスキルを持っていたとします。
しかしながらその人が、
目的がなく「何となく身に付けただけ」であり、
かつ、人のことを考えない利己的な人間、などであったとしたら・・・
恐らくですが、周りとの協調において、
またはその力の方向性などに歪みがあり、
誰もが認めるような高い成果には繋がらない、
または何か充実感を感じられない、そんな結果になるように思います。
■『7つの習慣』においても、
「効果性のルーツ」(=継続的に期待する成果を生み出し続ける元)とは、
「態度・考え方」である、と述べています。
もちろん、「スキル・テクニック」も大切な要素ですが、
それを扱う人が自立をしていなければ、
せっかくの能力も100%活用することは出来ないのではないでしょうか。
「スキル・テクニック」は、より具体的で、分かりやすいイメージもありますが、
「態度・考え方」も見えづらいだけで確かに存在しており、
私たちの結果に影響をもたらしています。
■JALを再建した京セラの稲盛さんも、
「精神論で再建はできない」と業務スキルを強調する経営幹部に向かって、
「精神なくして会社が回るか」と怒ったというエピソードがあります。
どちらも大切ではありますが、
「スキルと考え方のバランスはよいだろうか」
「何のためにこのスキルを身に付けたいのだろうか」
と、一度立ち止まって考えてみると、
より自分を向上させるヒントが見つかるかもしれません。
「能力はいいけど、イマイチなスタンド使い」はぜひ避けたいものですね。
■今日のお話は、
・『ジョジョ』には、「スタンド」(能力)は高いが、弱いキャラがいる。
・それはいわば、スキルばかり磨いて、使い方を知らない、
または間違えているビジネスマンのようなもの。
・長期・継続的に成果を出す「効果性のルーツ」は「態度・考え方」にある。
・とはいえ「スキル・テクニック」と「態度・考え方」はどちらも重要。
・大切なことは「両方のバランスはあっているのか」と立ち止まって考えてみることでは。
それによって、より自分を向上させるヒントになるのかも。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。