「目標」が見つからない、という人はまずコレ
■おはようございます。紀藤です。
台風が近づいていますね。
本格的に梅雨を感じるこの頃。
午後からは雨のようです。傘をお忘れにならないよう。
■さて、仕事柄色々な企業様にお伺いしていると、
たくさんの人材に関するお話をご相談頂きます。
その中でも多いのが、
「若手の主体性」というキーワード。
特に今年の新人の方は、
「ルンバ型」と言われているように、
与えられた範囲を、自ら飛び越えようとする人はますます減ってきているようだ、と
実際の現場でも耳にします。
■そんな中、大学で学生向けにコーチングをしている
とある方が、面白い記事を書いていましたので、
今日はそのお話に関する気付きを共有したいと思います。
その方は、学生を見ていて、
「日常から絶えず学習しようとしている学生と、
日常からあまり学ばない学生の違い」
について、あることを発見したそうです。
『優秀な学生(日常から絶えず学習しようとしている学生)に共通していることは、
「自分がこうしたい」という自分なりの軸が明確であること』
だそうで、そのことが
日常の経験から「学ぶ学生」と「学ばない学生」を分け隔てている、
と説明していました。
■では、「自分なりの軸」とはどうすれば持てるのか。
素晴らしい目標を持って、
「将来こうしたい」「僕の夢はこうだ」と
断言できればよいのですが、「人生の目的を見つける」といっても、
なかなかそうできない人も多いのが現実です。
そこで、目標が見つからないとしても、
「自分にとって好きか嫌いか」
という基準を考えてみることが、
効果的に成長を起こす一つの要素になるのでは、
と続けて述べていました。
■「自分にとって何が好きで、何が嫌いなのか」
を明確にすると、自分が何を学びたいのか、についてアンテナが立ちます。
せめて「好きなことは積極に学ぼう」となるきっかけになります。
しかし、自分で好きなことすらもわからないと、
何をしていいか、何をしたいのかも、当然わからないでしょう。
■様々なビジネス書でも
「目標を明確にする大切さ」は書かれています。
(『7つの習慣』もその代表的なものでしょう)
しかし、「考えても見つからない」という人も、多々存在しています。
そして、目標と、それに至る道筋を立てたとしても
思わぬ偶然や、めぐりあわせ、アクシデントもある人生。
目標を立てれば100%イメージ通りにゴールまで到達できるか、と言えば、
必ずしも「YES」とは言えないかもしれません。
ですが、目標が具体的にあろうとなかろうと、
「自分が大切にしている価値観」(つまり、何が好きで何が嫌いか)、
を軸に行動することはできますし、
それを元に行動することで、少なくとも、遠回りでも
「自分が向かいたい方向」には進んでいくのではないでしょうか。
■『7つの習慣』において「第二の習慣 目的を持って始める」においても、
当然ながら、目標の大切さを伝えています。
ですが、その目標を形作る大切な材料は、「自らの価値観」なのです。
自分が大切にしている価値観を、実現することが大目的であり、
そのために「〇〇がしたい」という具体的な目標が続いて出てくるのです。
少し抽象的なので、私の例を紹介いたします。
私が大切にしている価値観には、
「人に良い影響を与えたい」
というものがあります。
「自分が尊敬する人」「感動した体験」「影響を受けた人」など、
様々な観点で、自分独自の大切にしていること分析をしてわかったものです。
これを満たすことが、私にとって「幸せ」の一つなのですが、
そのやり方は一つではありません。
今の仕事でそれを実現できることが最も近道だと思っていますが、
もし万が一何か思いもよらないことがあり、仕事を離れることになったとしても、
この価値観は恐らく変わりません。
10年後まで精緻に未来を当てることは誰にもできないので、
具体的なアクションプランは変わることはあるかもしれません。
しかし
何をしていようとも、道筋は違えど、
価値観の達成は目指すことができるはず。
■つまり、お伝えしたいことは、
「目標を持つ」ということとは、
何か大きな夢を掲げるとか、崇高なアクションプランを立てる、
など考えがちですが、必ずしもそれだけが答えではない、
ということです。
もし具体的な目標が見つからないとしても、
「自分が好きな事」
「自分が大切にしている価値観」
を軸に、まずは色々試して、動いていくこと。
そうすると、本当に欲しいものや、叶えたかったことのヒントが少しずつ集まってきて、
自分にとって納得感のある「目標」ができるのではないか、と思うのです。
■「行きたい方向があり、それに関係していると感じる」
から、人は学ぼうとするのではないのでしょうか。
つまり、
「日々の体験から学ぶこと」=「主体性を持つこと」と、
「自分の軸を持つこと」= 「方向性(目的)を持つこと」は
ワンセットで高い効果を発揮するのだと思います。
先に述べた「学ぶ学生」の特徴にもありましたが、
自分の軸を持つことで、「何となく向かいたい方向性」だけでも意識できれば、
それに役立ちそうなものは、感性のアンテナに引っかかるはず。
そして、
「自分の好きな事(価値観)に関わることなら、吸収したい」となり、
結果「体験から学べる人」になる、と繋がっていくのかもしれません。
色々お話が広がってしまいましたが、
「自分の価値観を知る」ことが、
「日常から学べる人物になる」ために必要、
ということが、本日の要点でした。
■今日のお話は、
・最近の新人さんは「ルンバ型」。主体性に欠けている、と言われている。
・学生でも、「体験から学ぶ学生」(=主体性がある学生)とそうでない学生がいる。
・体験から学ぶ学生の特徴は、「自分の軸」を持っていること。
・しかし、「自分の軸」といっても、簡単に目標や夢は描きづらい。
・だが「自分の好き嫌い」(=価値観)であればわかるはず。
・「自分の価値観」とは、「自分が向かいたい方向性」とも言い換えられる。
・「自分の向かいたい方向性」に関わる部分には反応できる。
・なぜなら、自分にとってプラスになることは取り入れようとするから。
・日々の体験から学ぶ(主体性を発揮する)ためには、自分の軸を持つ(方向性を持つ)ことが必要。
・であれば、最初の一歩として「自分の価値観を知る」というステップを踏んでみてはどうか。
という内容でした。
本日も皆様にとって良い一日になりますように。