新しい時代のリーダーシップ
■おはようございます。紀藤です。
先日、弊社でリーダーシップについてのセミナーを行いました。
『第8の習慣』というコヴィー博士の7つの習慣に次ぐ書籍がテーマ。
3時間、ぎっしりと詰め込んだ内容でしたが、
皆さまより「役に立った」「ぜひ活かしていきたい」という
嬉しいお言葉を多数いただきました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!
■ちなみに、私もセミナーを聞いていたのですが、
新卒で入社した会社での、とあるエピソードを思い出しました。
私が入社した会社は某有名飲食店チェーン。
当時は、ITバブルでたくさんのベンチャー社長が活躍している時代だったので、
私も「成長したい」という想いだけで、
何となくの勢いでカリスマ社長のいる会社に入社しました。
非常にハードな環境で、
寝る時間もなく、社員もスタッフも足りない状況。
来る日も来る日も、
深夜2時からキャベツを千切りし続ける毎日。
キャベツを切るスピードはどんどん早くなっていきましたが、
「自分が求めていた成長ってなんだろう…?」
と疑問を持ち始めました。
■とある日、上司と話していて、
「やる気が出ない時はどうすればよいか」と相談した際、
その上司は言いました。
「いや、給料もらっているんだから、その分働くのが当然でしょ」
「そうですよね…」と私。
その時は、確かに正論だし、その通りだな、と頭では思いましたが、
何か気持ちよく納得できませんでした。
そもそも私が求めていたのは「成長」です。
正直、お金なんてそんなに気にしていませんでした。
(加えて言うならば、お金よりも、睡眠時間がほしかったですし…)
だから、頭では「そういうものなのだろう」、と思っても、
「心」が納得していなかったのが本音でした。
■最近発売されたあるマネジメントの本でも、このようなことが書いてありました。
『今、マネジメントの世界でキーワードになっているのは「内発的動機づけ」である。
これは、本人の「やりたい」という気持ちを引き出すマネジメント方法だ。
給料やポストだけを目標に、
「仕事はつらいもんだから我慢してやれ」と言っても、
以前のように簡単に人を動かせるものではない。
それは、働く人のモチベーションに本質的な変化があるからだ。
(中略)
これは社会が成熟したことを意味している。
多くの人は基本的なニーズが満たされると、
仕事に”意味”や”意義”を求めるようになる。』
■加えて、先日のセミナーで取り上げた『第8の習慣』のリーダーシップでも、
「全人格型パラダイム」と呼ばれる考え方を提唱しています。
それは、
『人間は、管理して尻を叩かなければ動かないモノではない。
「精神」「肉体」「知性」「社会・情緒」の4つの側面を持った、 複雑な存在である。』
という考え方であり、それを提唱するコヴィー博士は続けて、
『もしこの4つの内、どれか一つでもないがしろにするのであれば、
それは相手を人ではなく、モノとして扱っている』
とさえ、言っています。
「給料を払っているからいいだろう」は、
その社員の「肉体」という側面しか見ていない、と言えるでしょう。
今、大きなテレビでさえ5万円あれば買うことができます。
洗濯機も1万円あれば買うことができます。
インターネットで、娯楽にも困らなくなりました。
日本は成熟し、そして、働く人のニーズも変わったのでしょう。
ですから、「社会貢献」という口を揃えて語る新卒の学生も、
決して甘えているわけではなく、ただ時代の流れの中で、
働く”意義”を見出すことに重きを置き始めただけ、と私は思います。
■これからの変化が激しい時代、
とりわけ人口が確実に減っていく日本においては、
個人個人が自らの力を100%、120%発揮していくことが求められます。
そんな環境下で、
リーダーがメンバーの力を発揮させるには、
「全人格型パラダイム」を持つことが大切ではないか、
と第8の習慣において、コヴィー博士は提案をしています。
言うは易し、行うは難し、かもしれません。
しかし、このような考え方で働くことが出来る組織が増えたら、
「働くことが楽しい」と言える人も、きっと増える気がします。
私も出来ているとは全く言えませんが、
少なくともこのような概念を知り、王道と呼ばれる道に沿って
日々内省することで、少しずつ近づけると信じております。
皆さまのご参考になれば幸いです。
今日も皆さまにとって良い一日になりますように。