メールマガジン バックナンバー

54号 2013年5月21日

7つの習慣は「成功本」ではない?

■おはようございます。紀藤です。

月曜日から肌寒い一日でしたが、
皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。

私は「7つの習慣」をはじめとするコンテンツをお伝えするため、
霧雨の中、色々と企業様にご訪問をさせて頂きました。

しばしば「7つの習慣はなんとなく知っていますが・・・」
という声をききますし、明確にはどんなテーマなのか、
と聞かれるとなかなか難しいようです。

今日はそんなお話もあり、
そもそも「7つの習慣」とはどんな本なのか、
について改めてお伝えしたいと思います。


■ちなみに、私の話をさせて頂きますと、
私が初めて7つの習慣と出会ったのは、約10年前の大学生の頃でした。

当時自己啓発本にはまっていた私は、
「7つの習慣 ~成功には原則があった!~」
の「成功」というキーワードに反応して、ブックオフにて手に取ったのがきっかけでした。

そして、私の当時の成功のイメージは、
「お金持ち」「自由」「出世」「高い車」「豪邸」など
何だか欲の塊のような言葉を連想し、それを欲しいと思っていました。
(願わくは今もほしいですが…苦笑)


■しかし、これは後程知ったことなのですが、
「7つの習慣」の原書では「成功」つまり「success」という言葉は使われていません。
皆さんはご存知でしたでしょうか?

原書のタイトルは

『THE SEVEN HABITS OF HIGHLY EFFEVCIVE PEOPLE』。

直訳すると、

「非常に効果的な人々の7つの習慣」

という訳になります。
(google翻訳より直訳)


■では、「非常に効果的な人々」、の『効果的』とは一体どう意味でしょうか。

それは、

「長期的・継続的に期待通りの良い結果を出す状態、性質、力」

と、私たちは説明しています。
(※ちなみに、説明を分かりやすくするために、名詞で考えています。
 effective(形容詞) 効果的  / effectiveness(名詞)  効果性)

営業で例えるなら、
今期だけ何とか死に物狂いでやって目標達成、でなく、
来年も、再来年も、継続的に目標達成していけるような状態、
とも言えるでしょうか。

成功の形は人それぞれ。

しかし、
「長期的・継続的に期待を超え、非常に良い結果を出し続けた人々」
すなわち「非常に効果的な人々」とは、
言い換えるのであれば、「成功者」と呼ぶことができるのではないでしょうか。


■そして、良い結果の元となる「効果性」を高めるためには、
「人格を育てなければならない」とコヴィー博士は述べています。

急に人格の話になったので、
ひとつ、「木」の話を例にご説明いたします。

「人格」とは、木で例えると、根の部分にあたります。

そして、葉や枝は「個性(テクニック、スキル)」と呼ばれる部分。

例えば、ロジカルシンキングがある、マネジメントスキルがある、
肩書きがある、立派な車に乗っている、MBAを持っている、
TOEICが990点満点、討論のスキルが高い、などなど
最初に見てわかるものが、例えるのであれば「葉や枝」の部分。

そして、誠実である、正直である、
思いやりがある、責任感がある、など、
人からぱっと見わからないけれど、
葉や枝を支え続け、養分を集めているのが「根」の部分。
すなわち「人格」の部分です。


■「木」全体を大きく育てることを、
「人生において効果性を高め、成功することである」、と考えるならば、
まず木全体を支える、根の部分を大きく育てることが重要ではないでしょうか、
とコヴィー博士は言っているのです。

もし、葉や枝が生い茂っていても、
根が貧弱であれば、台風や、嵐などが訪れたとき、
すぐに倒れてしまうでしょう。

実社会で考えると、表面的なイメージだけで、
実際は誠実さ、正直さ、責任感、倫理観などを著しく欠いている会社が
経済危機や、大きなミス、トラブルに見舞われたらどうなるでしょうか。

世を賑わす偽装事件、汚職…
その結果は歴史が証明しているように思います。


■「長期的・継続的に成果を得続ける」ためには、
まず根の部分を大きく育てることが大事である、というのが、「7つの習慣」の考えのベース。
(これを人格主義と呼んでいます)

そして、根を大きく張り巡らして、大きな果実を手にし続けた人々、
「HIGELY EFFECTIVE PEOPLE」の習慣を分析し、
まとめあげられたのが、「7つの習慣」なのです。


■そして、この根の部分に関わり、育てるものとして、
「インサイドアウト」(まずは自分から)という原則があり、
「成長の連続体(第一の習慣 主体性を発揮する ~ 第七の習慣 刃を研ぐ)」という概念があります。

その行動により、人は、依存から自立、自立から協力へと、成長のステージを進んでいき、
より影響力の高い「公的成功」を手にすることが出来ます。

結局、いつの時代でも場所でも決して変わらぬ原則とは、
表面的なものでなく、本質的な部分に関わっている気がします。

私も、まだまだ根も葉も成長しきれていませんが、
ぜひ1センチでも長く根を伸ばしたいものです。


今日も皆様にとって良い一日になりますように。

【本日の名言】 私たちは、まず他人の目からは見ることができない
自分の人格を育てることに力を注ぐ必要があり、
これが大木を支え続ける根の部分にあたる。
根を育てていくにつれて次第に実を結ぶ姿をみることができる。

           スティーブン・R・コヴィー

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す