「なぜわからないんだ」と声を荒げる無意味さ
■おはようございます。紀藤です。
先日は祖父の中華料理店のお話をしましたが、
今日はそんな中国繋がりで、ある時事ネタについて考えてみたいと思います。
しばらく前から、
様々な意味で注目され続けている中国。
先日読んだとあるビジネス雑誌で、
非常に考えさせられる記事がありましたので、
本日はそのお話をいたします。
■4月に上海で行われた、
国際モーターショーでの出来事。
中国の方に「日本車を買いたいと思うか?」というアンケートを取った際に、
「買いたくない」と答えた方が、
来場者の6割強を超えていたとのこと。
この話を見たときに、
「まあ、尖閣諸島の問題などあるからな…」
とまず思いました。
しかし、記事を読み進めていくと、
その原因の半分がそれだけではないことがわかりました。
■中国の方曰く、日本車は、
「安全じゃないから買わない」
「日本車の鋼板はペラペラでぶつかったらつぶれちゃう」
と思っており、
「日本車は商品力が低い」ので買わないとのこと。
これを聞いて、
「何を馬鹿なことを!」
と私は率直に思ってしまいました。
安全性を高めるために、
あえて凹むことで衝撃を吸収させ、
様々な努力をして、少しでも軽量化して燃費を高め、
より良い車を創ろうと努力をし続けている
自動車メーカーの試みを、私は幾度となく聞いたことがあります。
(父が自動車メーカー勤め、ということもありますが)
■言葉は悪いですが、
「大きいだけの、鉄の塊みたいな、
ガソリンばかり食う車が 良い車のはずがない!」
と私は確信していました。
さらに言葉を選ばずに言うのであれば、
「そんな大きくて、パッと見頑丈なだけの車に惹かれるなんて、
視野がせまい。わかっていない」
と、つい感情的に思ってしまいました。
■だから、中国の話を聞いたときに、
「何もわかってないんだな・・・」
と憤りにも似た感情を覚えました。
しかしながら、その後の記事で、
メーカーの方からのコメント、
その記事の編集者からの言葉は以下のように続きます。
「私たちは中国ではまだ努力が足りない」
「私たちは欧州の企業でなく中国の企業である」
「薄い鋼板を使う理由を消費者へ正しくアピールしてはどうか」
■これを聞いてはっとしました。
恐らく、(私のように)感情的に
「なぜわからないんだ!」と声を荒げても何も始まりません。
なぜなら、当事者にとって目的は
「日本車を中国市場でより広げること」なのだから。
そのためには中国の方の気持ちを理解してから、
こちらの意図を理解してもらう。
またはやり方を変える必要がある、とプロの皆さんは気付いておられるようでした。
■7つの習慣でも、
協力し大きなことを成し遂げるための「相互依存(相互協力)」
を目指すステージにおいて、
「第五の習慣 理解してから理解される」
の重要性が語られています。
まず、相手の立場や気持ちを理解しなければ、
私たちの意図を正しく理解してもらうことはできません。
私も、つい自分の(小さな)考えにとらわれがちなので、
何かある度に、「理解してから、理解される」と唱えるようにしています。
(なかなか難しいのですが・・・)
『人に影響を与える鍵は、人に影響されることだ』
と言われるように、
まずは相手の考えのルーツや価値観を探ることで、
双方が勝つヒントが見えてくるのでしょうね。
本日も皆様にとってよい一日になりますように。