どん底の状況で、「笑い合える日は来る」と信じる強さ
■おはようございます。紀藤です。
先日、ダイバーシティで有名な
東レ研究所社長の佐々木常夫さんの
自伝「ビッグツリー」を拝読しました。
とても真似できないと思うと同時に、
たくさんの気付きを頂いた点がありましたので、
本日はそのお話を共有いたします。
■佐々木常夫さんは
自閉症の長男、43回の入院と自殺未遂を繰り返す妻を支えながら、
東レ同期トップに取締役となり、東レ研究所の社長になられた方。
その仕事も家庭への取り組みもあり、
現在「ワーク・ライフ・バランス」のシンボル的存在になっています。
その著書「ビッグツリー」の中で、以下のような内容を語られていました。
■(奥さんが自殺未遂をし、7時間にも及ぶ手術の上
何とか一命を取り留め、手術室から運び出された際、)
『「何のために結婚したのか」、「何のためにこんな苦労をしているのか」
といった問題ではないのだ。
要は、自分が出会った人生であり、自分が選んだ人生なのだ。
こんなに惨めになるなんて、それは私の生き方ではない。
いや、絶対良い日は、笑いあえる日は必ず来る。
心細い心境になりながら、私はそう信じていたかった。』
■限界の中、自暴自棄の気持ちになり、殆ど諦めていていた、
と語るこの状況でも
「笑いあえる日は必ず来る。そう信じていたかった」
と「信じていたかった」と
何とか自分を前に向かせようとする姿は、
言葉に尽くせない強さと信念を感じました。
(常人では、とても敵いません)
■比喩するのは恐縮ではありますが、
佐々木さんのこのような姿勢は、
7つの習慣でいう「第一の習慣 主体性を発揮する」
非常に高いレベルで体現されていると、思わされました。
「第一の習慣 主体性を発揮する」という項目に
『刺激と反応の間のスペース』という言葉が出てきます。
この言葉は、
『人は自分に降りかかる刺激に対して、
「自覚」、「想像力」、「良心」、そして「自由意志」の
4つの力を使って、どう反応するかを選ぶことができる』
という話です。
しかし、わかってはいても、簡単にはできないのがこの言葉。
わかってはいても、つい感情的になってしまったり、
つい怒ったり、悲しんだりと、反応的になってしまう。
家族のような近い人であれば、尚更そうではないでしょうか。
■そんな中で、佐々木さんは
「自分は前向きな姿勢を持っていたはずだ」という自覚。
「必ず笑い合える日は来る」という想像力。
「本当に辛いのは自分でなく妻だったのだ」という良心。
どんな状況でも「そう信じていたい」と思う自由意志。
それを見事に発揮されていたのではないかと
勝手ながら感じさせられました。
■実際に、このような例は稀有だとしても、
こういったスタンスで物事を捉え、前に進める方がいる、
という事実が私たちに勇気を与えてくれるような気がします。
また「ビッグツリー」というタイトルは、
外から見えない根っこに、自分自身の信念を表し、
何が起きようとも、風雪に耐え立ち続ける。
そして家族愛、仕事への情熱、社会人々とのかかわりを幹や枝葉とする
大きな「父親の樹」を表しているそうです。
何よりも、地下に張り巡らされる「人格」という根を大切に
日々精進したいものです。
今日も皆様にとってよい一日になりますように。