1年前の自分に、勝てているだろうか ~野辺山ウルトラマラソンを経て、感じたこと~
(本日のお話 2854文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、長野県野辺山にて、
朝5時から
「第24回 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」
http://www.r-wellness.com/nobeyama/
に仲間達10人と共に参加をしてきました。
制限時間が19時ですから、
参加者は約14時間走り続けることになります。
*
もしかすると、
「たかだかマラソンじゃないか、、、」
と思われるかもしれませんが、
ただただ走り続ける、というレースの中に、
・”自分の心との戦い”
・”負けそうになる気持ちを奮い立たせる精神力”
・”自分の可能性へのチャレンジ”
など、「人生の縮図」とも言える、
たくさんの要素が詰まっていると、
私は感じています。
だから、「マラソン」というのは、
感動が大きいし、スポーツと一括りにできない、
精神の美しさを感じる競技である、
と私は思っています。
*
ということで、本日は
この野辺山ウルトラマラソンに参加をし、
感じたことについて、また当日のレポートについて
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【1年前の今の自分に、勝てているだろうか
~野辺山ウルトラマラソンを経て、感じたこと~】。
それでは、どうぞ。
■昨年のタイムは、12時間26分。
制限時間は14時間ですので、
自分なりに、健闘をしました。
だから、私個人としては、
今年のレースも、「完走は、当たり前」という前提の上で、
加えて、
1,去年より、自己ベストをどれだけ伸ばせるのか
2,仲間が、どれだけ完走できるのか
これらが気になっているポイントであり、
私の目標でした。
*
「2、仲間の完走率」については、
レースが始まれば、一人一人の戦いなので、もう祈るしかありません。
特に私が誘った2名は、フルマラソンも
完走をしていないのにもかかわらず、
”最もハードはウルトラマラソンの一つ”である、
今回の「野辺山ウルトラマラソン」にエントリー。
勇気があるというか、無謀というか、
とにかく、そのチャレンジ精神は素晴らしい。
健闘を祈るのみ、でした。
■そして、私自身の一番の目標。
それが、
「1,私の自己ベストをどれだけ伸ばせるのか」
でした。
たとえ、練習に時間がとれていなくても
なんとか、過去の自分を超えたい。
それが私の願いであり、
できる限り、そこに想いをかけ、
一歩一歩、魂を込め、歩みを進めよう、
そう決意しレースに望みました。
■それにあたって、
レースに参加する前の晩、
私は、ある準備をしていました。
それは、1年前の自分を想像して、
『1年前の、自分が走ったタイムを、
1キロ毎×100キロ分、レース表に書き写す』
ということ。
去年の自分が走った同じコースを、
明日の自分が走る。
そんなことをイメージしながら決意したのが、
【敵は1年前の自分である。1年前の自分に、勝とう】
そう思ったのでした。
、、、
■そして、翌日朝5時。
レースがスタートしました。
1年間、何がフルマラソンに出たり、
トライアスロンに出たり、
振り返れば、スポーツも新たに色々やってきました。
1年前の今日は、
このレースのために、
「毎週フルマラソン」を走りました。
1年前の練習に比べて練習ができたか、というと、
決してできなかった。
言い訳はいくらでもありますが、準備不足です。
でも、そのかわりに、
1年の経験と、去年のレースの経験があります。
だから、勝負はわかりません。
1年前の自分に、
「戦略で勝つ」のです。
■まず42キロ地点まで、
粛々と走り続けます。
去年は、ここで、
無為にもたついてしまった。
だから、もっと飛ばそう。
1キロ走ったら、時計を見る。
よし、去年より20秒縮まった。
また1キロ走ったら、また時計を見る。
よし、30秒縮まった。
、、、
そして、去年より、
20分縮めて、中間地点にたどり着きました。
*
この調子であれば、いける。
勝つだけではなくて、
大きな記録も出すことができそうだ。
そう思って気分が高揚し、
ひたすら脚を運びます。
■しかし、自体は甘くありません。
70キロ地点が近づくにつれて、
練習ができていなかったことが仇となり、
「脚」がぴくぴくと痙攣をはじめました。
また、食事のとり方を間違えたせいで、
吐き気と、胃の痛みを感じます。
このまま無理をして走ると、経験上、
「脚がつる」ことになります。
「脚」がひとたび、つってしまうと、
動くことがままならなくなります。
どうしよう、、、
そうこう思う内に、
どんどん、去年の自分が頭の中で、
まるで半透明のゴーストが迫ってくるように、
後ろから追いかけてくるのです。
■70キロ、80キロ、90キロ。。
後半のタイムは、
1年前の自分のほうが速かった。
去年は、尋常じゃないくらい、
スピードを飛ばして、走り抜けた。
だから、もう止まることは許されない。
、、、
周りが、どれだけ歩いていようと関係ない。
走りながら、”自分の頭の中”にあったものは、
【1年前の今日の自分に、勝つのだ】
ただただ、これだけでした。
1年前の自分が休んだエイド(休憩所)でも、
自分は休まない。少しでも距離を稼ぐのだ。
去年の自分を超える。
1年前の自分に勝つのだ。
、、、
そうやって、ひたすら走りました。
去年は思わず歩いてしまった、
80~100キロの壁も走り抜き、
結果として、
『12時間08分(制限時間14時間)』
にてゴールをしたのでした。
1年前の自分を、約20分上回る
自己新記録でした。
、、、
そこには、溢れるような感動というより、
「自分に負けなかった、という
胸の内に密かに生まれる自己肯定感」
という、暖かく、太く、
どっしりしたものを感じたのでした。
■そして、改めて思うこと。
それは、
『誰と比べるのではなく、
「過去の自分」と比べること』
の大切さでした。
この以前から言われる、
「黄金律」のような言葉の意味を、
心底感じたのです。
正直、タイムなんて、どうでもいい。
だって、ランニングに向いている体型の人もいれば、
そうじゃない人もいる。
年齢だって違う。
得意不得意だってある。
だから、
「あなたより私のほうが早い」
なんて本当に意味がないのです。
大事なのは、唯一つ。
【昨日の自分に、勝てたかどうか】
なのです。
ただただ、それだけである、
そのように、強く、強く思ったのです。
■今回、私の友人2名が、
初めて野辺山ウルトラマラソンを完走しました。
ノリと勢いで参加を決め、
フルマラソンを完走したこともない若者でした。
仕事の合間を塗って練習したものの
怪我の影響もあり、明らかに練習量は不足していました。
いざレースが始まっても、
元来の関節の弱さがあり、
レース中、膝をいため、胃も痛め、
あまりのキツさに吐き、涙を流しながら走りました。
文字通り、
グシャグシャになりながら、
そしてl刻一刻と迫る、
「関門」というプレッシャーにも、
決して逃げることなくひたすら挑み続けました。
ただただゴールを目指しました。
体は動かずとも、
心だけは折ることなく、
前に進み続けたことは、想像に難くありません。
そして2人は、制限時間5分前の
18:55にゴールをしました。
ボロボロという言葉でしか表現できない、
涙をこらえきれない男泣きの姿でのゴールでしたが、
本当にカッコよく、美しく、輝いて見えました。
その姿は、まさしく
【過去の自分を、超え続けてきたレースであった】
そのように感じました。
もう、目頭が熱くなりました。
自分だけでなく、
仲間のゴールに胸を振るわせた、
素晴らしい1日であった、
そのように思った次第です。
本当に素晴らしかった!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。
=========================
<本日の名言>
愚か者が先延ばしにすることを
賢者はただちに取りかかる
バルタサル・グラシアン
=========================