「教育の効果」とは、”「航路」が変わった瞬間”を作り出せたかどうか
(本日のお話 1303文字/読了時間1分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は3件のアポイント。
ならびに女性向けキャリア研修
『ビジョナリーウーマン』の実施。
ならびに夜は、月一回の
魂と肉体のぶつかり合いである
「極真空手」の稽古でした。
(”蹴り”のダメージのため
脚がパンパンです、、、)
毎回、緊張状態の中で
・いかに相手と呼吸を合わせられるか、
・冷静でいられるか、
・流れるような動きを意識できるか、
ということは、己の肉体だけでなく、
精神と向き合っているような感覚を覚えます。
自らをもっと磨いていこう、
そしてペラペラの胸板を厚くして、
防御力も高めよう、と思った次第です。
*
さて、本日のお話です。
昨日、約6年ほど前の、
前々職からお世話になっている社長様と、
起業のご挨拶も含め、お会いしてきました。
60億を越える企業として成長され、
そのアツい想いと人情味に大変な魅力を感じる方。
その方と人材育成について語る中で、
「教育の”成果”をどう測るか?」
について意見交換をしていたのでした。
その時に聞かせていただいたお話が、
「そうだよな」、と私自身、
強く共感するお話でしたので、
本日は皆様に、その内容をご共有させていただくと共に、
思うところをお伝えできればと思います。
タイトルは、
【「教育の効果」とは、”「航路」が変わった瞬間”を作り出せたかどうか】。
それでは、どうぞ。
■教育とは、本当に難しいものです。
何が難しいかというと、
それは一言で、
「成果が出たことを測りづらい」
これに尽きます。
*
これは私自身、色々な会社様に
人材育成のご提案をするときに感じますが、
「何をもって研修成果とするか?」
とは、非常に難しい側面があるのです。
■ちょっと専門的なお話なのですが、
「研修効果測定」
について、有名な
わかりやすい考え方があります。
それが、
『研修効果測定の「カークパトリックモデル」』
http://www.wacholder.jp/
というもの。
簡単に言うと、
レベル1:反応 → 研修の反応(アンケート結果)がいいか
レベル2:学習 → 研修で学んだこと(知識・スキル)を覚えているか
レベル3:行動 → 研修で学んだことを「実行」できているか
レベル4:結果 → 研修で学んだことから「売上・利益」が上がったのか
上記の観点で、
研修の効果を測ってみましょう、
という話です。
■ただ、このモデルも、
有名なのですが、なかなか取扱いが難しいのです。。
例えば、
レベル1:反応
レベル2:学習
くらいまでは、
・アンケートをやったり、
・1ヶ月後に簡単なテストをやったりすれば、
測ることができるのですが、こと
レベル3:行動
になると、
愚直に測ろうとすればするほど
「調査」が必要になってきますし、
レベル4:結果
まで至ると、
環境要因、上司との関係、特需、
その他の保有スキルとの関係 etc...で、
更に正しく測ることが、
難しくなってくるのです。。
■それでも、
「いやいや、それでも効果測定が大事だ!」
と、真面目に測ろうとすると、
研修をやっていないグループと、
研修を行ったグループを比較をして、
実際どうだったのかを見る、、、
ということになったり
膨大な手間がかかりますから、
「あれ、研修やるより、
研修の効果測定をするほうが、
時間も労力もお金もかかる。なんか変じゃね?」
ということで、結局、
「研修効果って、なかなか測れないよね」
となるのが、とても多い、
という現状なのです。
■、、、と、ちょっと
マニアックな人材育成の話が
長くなってしまいましたが、
では、
「リーダーシップ研修」とか
「マネジメント力向上研修」という、
テーマが幅広く、
抽象度が高い研修を考えた時に、
”研修効果などわからない”
と諦めるのがよいのか?
、、、と考えた時に、
その効果を測る
「シンプルな一つの質問」がある、
と先日の社長との話で、思ったのでした。
*
それは、
【その研修は、自分の「人生の航路」を変えるきっかけになったか?】
という質問に対して、
「YES」
と、答えられるかどうか。
この「シンプルな問い」に対して、
どう思えるか、ということが
とても重要ではないか、
と思うのです。
■『「人生の航路」が変わる』とは、
どういうことか。
それは、
”船の進行方向が、
ごくわずかだけ変わる”
というイメージ。
舵を、右にわずか1度、きったとします。
その時は、ほとんど変化はありません。
わずか1度ですから。
少し進んでも、
さほどいる場所は変わりません。
でも、それが時間が経ち、
遠くへ行けばいくほど、差は広がります。
そして、人の「変化のプロセス」も、
同じようなものなのだと思うのです。
教育には時間がかかります。
最初の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月は
何も変わらないかも知れない。
でも、起こった「小さな変化」は
それが1年、2年、3年、5年と経つにつれ、
どんどん「大きな変化」に変わっていくのです。
そして、その「差」が、
いつ生みだされたのか、と問われたら、
『「航路」が変わったその瞬間』
と言えるのでしょう。
■そして、もし例えば、研修受講者が、
何かの学びの後、数ヶ月後、または数年後に、
『あのときの体験・学びが、「人生の航路」を少しだけ変えた』
といえたとすると、
それは「効果があった」といえるのではないか、
そんなことを、昨日話しながら、
ふと思ったのでした。
*
人が変わるためには、
「ショック&インパクト」が必要です。
そういう視点で見ると、
こと”リーダーシップ”とか”人間関係”などの、
こと「あり方」について語る学びにおいては、
『毒にも薬にもならないもの』
を、ちょろっとやるだけでは、
当然「人生の航路が変わった」ものには、
なりえないのでしょう。
そして、そう考えてみると、
・自分が、学びを受ける時も、
はたまた、
・学びを企画する時も、
それなりの「覚悟」を持ち、
「インパクト」を生み出すべく
熟慮した学びを受講・提供することが、
大変重要になるのでしょう。
実際、私もたくさんの研修を受けてきましたが、
「あれは自分の航路を変えた」
と思えるものは、
・お金(=品質がいい)
・時間(=習得に時間がかかる)
・労力(=覚悟を問われる、大変)
のいずれかが(または全部)、
必要としたものだったな、
と思います。
■教育には時間がかかりますが、
【「航路」が変わった瞬間”かどうか】
という視点で教育を捉えると、
より俯瞰的に、良質な学びとすることができるのでは、
そう思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。
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<本日の名言>
未来はすでに始まっている。
ロベルト・ユンク
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