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1581号 2018年6月15日

「教育の効果」とは、”「航路」が変わった瞬間”を作り出せたかどうか

(本日のお話 1303文字/読了時間1分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

ならびに女性向けキャリア研修
『ビジョナリーウーマン』の実施。

ならびに夜は、月一回の
魂と肉体のぶつかり合いである
「極真空手」の稽古でした。

(”蹴り”のダメージのため
 脚がパンパンです、、、)

毎回、緊張状態の中で

・いかに相手と呼吸を合わせられるか、
・冷静でいられるか、
・流れるような動きを意識できるか、

ということは、己の肉体だけでなく、
精神と向き合っているような感覚を覚えます。

自らをもっと磨いていこう、

そしてペラペラの胸板を厚くして、
防御力も高めよう、と思った次第です。



さて、本日のお話です。

昨日、約6年ほど前の、
前々職からお世話になっている社長様と、
起業のご挨拶も含め、お会いしてきました。

60億を越える企業として成長され、
そのアツい想いと人情味に大変な魅力を感じる方。

その方と人材育成について語る中で、

「教育の”成果”をどう測るか?」

について意見交換をしていたのでした。



その時に聞かせていただいたお話が、
「そうだよな」、と私自身、
強く共感するお話でしたので、

本日は皆様に、その内容をご共有させていただくと共に、
思うところをお伝えできればと思います。


タイトルは、


【「教育の効果」とは、”「航路」が変わった瞬間”を作り出せたかどうか】。


それでは、どうぞ。



■教育とは、本当に難しいものです。


何が難しいかというと、
それは一言で、

「成果が出たことを測りづらい」

これに尽きます。



これは私自身、色々な会社様に
人材育成のご提案をするときに感じますが、

「何をもって研修成果とするか?」

とは、非常に難しい側面があるのです。


■ちょっと専門的なお話なのですが、

「研修効果測定」

について、有名な
わかりやすい考え方があります。

それが、


『研修効果測定の「カークパトリックモデル」』
http://www.wacholder.jp/


というもの。

簡単に言うと、


レベル1:反応 → 研修の反応(アンケート結果)がいいか

レベル2:学習 → 研修で学んだこと(知識・スキル)を覚えているか

レベル3:行動 → 研修で学んだことを「実行」できているか

レベル4:結果 → 研修で学んだことから「売上・利益」が上がったのか


上記の観点で、
研修の効果を測ってみましょう、

という話です。


■ただ、このモデルも、
有名なのですが、なかなか取扱いが難しいのです。。

例えば、

レベル1:反応
レベル2:学習

くらいまでは、

・アンケートをやったり、
・1ヶ月後に簡単なテストをやったりすれば、

測ることができるのですが、こと

レベル3:行動

になると、
愚直に測ろうとすればするほど
「調査」が必要になってきますし、

レベル4:結果

まで至ると、

環境要因、上司との関係、特需、
その他の保有スキルとの関係 etc...で、

更に正しく測ることが、
難しくなってくるのです。。


■それでも、

「いやいや、それでも効果測定が大事だ!」

と、真面目に測ろうとすると、

研修をやっていないグループと、
研修を行ったグループを比較をして、
実際どうだったのかを見る、、、

ということになったり
膨大な手間がかかりますから、

「あれ、研修やるより、
 研修の効果測定をするほうが、
 時間も労力もお金もかかる。なんか変じゃね?」

ということで、結局、

「研修効果って、なかなか測れないよね」

となるのが、とても多い、
という現状なのです。


■、、、と、ちょっと
マニアックな人材育成の話が
長くなってしまいましたが、

では、

「リーダーシップ研修」とか
「マネジメント力向上研修」という、

テーマが幅広く、
抽象度が高い研修を考えた時に、

”研修効果などわからない”

と諦めるのがよいのか?

、、、と考えた時に、
その効果を測る

「シンプルな一つの質問」がある、

と先日の社長との話で、思ったのでした。



それは、


【その研修は、自分の「人生の航路」を変えるきっかけになったか?】


という質問に対して、

「YES」

と、答えられるかどうか。


この「シンプルな問い」に対して、
どう思えるか、ということが
とても重要ではないか、

と思うのです。


■『「人生の航路」が変わる』とは、
どういうことか。


それは、

”船の進行方向が、
 ごくわずかだけ変わる”

というイメージ。


舵を、右にわずか1度、きったとします。

その時は、ほとんど変化はありません。

わずか1度ですから。

少し進んでも、
さほどいる場所は変わりません。

でも、それが時間が経ち、
遠くへ行けばいくほど、差は広がります。


そして、人の「変化のプロセス」も、
同じようなものなのだと思うのです。

教育には時間がかかります。

最初の1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月は
何も変わらないかも知れない。

でも、起こった「小さな変化」は
それが1年、2年、3年、5年と経つにつれ、
どんどん「大きな変化」に変わっていくのです。


そして、その「差」が、
いつ生みだされたのか、と問われたら、

『「航路」が変わったその瞬間』

と言えるのでしょう。


■そして、もし例えば、研修受講者が、

何かの学びの後、数ヶ月後、または数年後に、


『あのときの体験・学びが、「人生の航路」を少しだけ変えた』


といえたとすると、
それは「効果があった」といえるのではないか、

そんなことを、昨日話しながら、
ふと思ったのでした。




人が変わるためには、
「ショック&インパクト」が必要です。

そういう視点で見ると、
こと”リーダーシップ”とか”人間関係”などの、
こと「あり方」について語る学びにおいては、

『毒にも薬にもならないもの』

を、ちょろっとやるだけでは、
当然「人生の航路が変わった」ものには、
なりえないのでしょう。

そして、そう考えてみると、

・自分が、学びを受ける時も、

はたまた、

・学びを企画する時も、

それなりの「覚悟」を持ち、
「インパクト」を生み出すべく
熟慮した学びを受講・提供することが、
大変重要になるのでしょう。


実際、私もたくさんの研修を受けてきましたが、

「あれは自分の航路を変えた」

と思えるものは、

・お金(=品質がいい)
・時間(=習得に時間がかかる)
・労力(=覚悟を問われる、大変)

のいずれかが(または全部)、
必要としたものだったな、

と思います。


■教育には時間がかかりますが、


【「航路」が変わった瞬間”かどうか】


という視点で教育を捉えると、
より俯瞰的に、良質な学びとすることができるのでは、

そう思った次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。


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<本日の名言>

未来はすでに始まっている。

ロベルト・ユンク

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