今週の一冊『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』
(本日のお話 2327文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日土曜日は、徳之島にて、
仲間とともにトライアスロンの下見や、準備など。
また徳之島名物の、
「闘牛」観戦などでした。
明日は台風が直撃、とまでは言わずとも、
かなり接近するため、スイムのパートが中止となり、
”デュアラスロン(ラン→バイク→ラン)”
という競技になりますが、
吹き荒れる強風の中、いずれにせよ、
楽しんで参りたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊は、
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『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい
人生100年時代の個人M&A入門』
(著:三戸政和)
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です。
■人生100年時代。
この言葉は、新聞、雑誌、テレビ、
あらゆるメディアで報道され始め、
今では多くの人が意識する、
一つの流行語のようにすらなった感があります。
そんな中、本日ご紹介の、
『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい』
は、中小企業に関する事業再生・事業承継を進める
投資ファンドを運営する著者が描く、
個人M&Aのススメの本です。
そして、それは決して、
”100年時代、自分が生き残るため”
だけではなく、
”一つの「日本再生」のロードマップ”
として、「小さな会社を個人が買う」ことを、
勧めているのです。
■以前、私の友人の会社の社長が、
立て続けに、こんな話をしていました。
「(私たちの)競合会社の社長から、
後継者がいなくて困っている、と相談を受けた。
その方はもうお年を召されていて、
廃業しよう、とも思っているらしい。
なので、その会社をM&Aして、
自分たちの市場シェアを増やそうと思っている」
または、
「ちょうど、自分が進出しようと思っていた
”顧客リスト”を持っている会社の社長が、
廃業を考えていることを、事業継承の会社から紹介された。
ちょうどいいきっかけだから、
実は、その会社を買おうと思っている」
、、、
そんな話でした。
■私はその時思ったことは、
「えっ!会社を買う!?
そんなの、べらぼうにお金がかかるんじゃないの?」
という、その1点でした。
ですから、私の返答としては
「いやはや、スゴイご決断ですね」
というような、コメントをしたのみでした。
しかしながら、2人の社長曰く
「こういう案件、増えてるんですよね、、、」
といっていたのが、印象的だったのです。
そして、この本を読んで、
改めてその”カラクリ”が理解出来るとともに、
『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい』
という主張をするのか、という理由が、
大変よく理解できたのでした。
■さて、そんな本書の内容です。
主張しているポイントをお伝えすると、
以下のような話です。
(私の解釈で簡略化して説明しております。
予めご承知ください)
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『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい』のポイント
<1,イントロダクション>
・100年時代、定年後の人生を守るために、
収入が必要であることは明らかである。
・しかし、そのための備えがあるだろうか。
・もし、65歳を越えたときから、
新たな就職先を見つけようとしても、
時給もよくなく、良い収入は得られないのが実情。
・しかし、大企業や中堅企業で、課長程度の
中間管理職を経験した、またはこれからするのであれば、良い選択肢がある。
・それが「資本家」(=会社を買って社長になること)である。
<2,「起業」は難しくとも、「事業承継」は比較的容易>
・「起業」は、尋常じゃないエネルギーがかかる。
・まず、よくイメージされる、定年後の「飲食店経営」は絶対手を出してはならない。
・飲食業界は、レッドオーシャン。 生き残るのが難しい上に、元手がかかる。
(仕入れ、人件費、家賃、光熱費、他)
・また、「起業」というものは、そもそも難しい。
ベンチャーキャピタルで目利きをして投資をされる中でも、
成功するのは15%程度。
・だから、正直、一部の人しか成功できないのが「起業」である。
・しかしながら10年生き残った会社を買って、
「事業承継」をするのであれば、話は変わってくる。
・既存の顧客、人材、設備、、、
それらのものがある程度揃っている中小企業、
しかも、「後継者問題」で困っている会社は、実はゴマンとある。
・その証拠として、2015年に休廃業・解散した企業
8万3555社のデータを集めると、実に50.5%が黒字で廃業している。
・また、日本にある380万社のうち、
250万社が「後継者不在」である。
<3,「大廃業時代」はサラリーマンの大チャンスである>
・中小企業は、時代が遅れた会社が、多数存在している。
・そのため、「大企業、中堅企業の普通のマネジメント」
(=業務システム、組織開発のシステム、人材育成など)
を入れるだけで、更に利益が改善されることもある。
・大手企業の管理職で、
「部下を15~20名マネジメントしていた」
などは、経営するに十分すぎるほどの経験・スキルである。
・現在は、もし会社を買って、倒産したとしても、
「法人と個人が分けられる」という法律になっているため、
家を売り払って、とする必要も、ない。
・だから、100年時代の一つの選択肢として、
「中小企業を買う」ということをしてはどうか。
(おすすめは、40~50代で買うこと)
・そしてそれが、日本の「後継者不在」の問題を、
解決することにも繋がる。
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とのこと。
■これからは、組織もますます流動化し、
多様な選択肢が求められる時代になります。
自分のこれからの選択肢を拡げる上で、
実際にそれを実行する、しないは置いておいたとしても、
読む価値は十分にある本です。
世の中の会社の仕組み、特に、
「資本家と労働者」
という根本的な資本主義を作ってきた仕組みを知る上でも、
そしてそれを活用する側に回る、という意味でも、
とても参考になる一冊かと思います。
ご興味ある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。
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<今週の一冊>
『サラリーマンは300万円で会社を買いなさい
人生100年時代の個人M&A入門』
(著:三戸政和)
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