「会者定離」という太古から続く原則から考える、”今、この時を大切にする”ということ
(本日のお話 2153字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は、新宿にて、
紀伊国屋→映画『万引き家族』を、
妻とともに観に行ってきました。
パルムドール受賞映画、という、
注目の映画だから、、、というミーハーな理由も
なきにしもあらず、でしたが、
観終わった後、しばらく無言でした。
理由は、ただただ
「重い話(=考えさせられる話)」
だったから。
さすが是枝監督、の一言。
*
これはあくまでも私の意見ですが、
”良い映画は、いろんな側面で考えさせられる”
と感じます。
少し映画のテーマに触れるのですが、
(内容には触れません)
”どんなことを考えさせられたか”
という話で、帰り道
妻と私で話し合っていたところ、
こんな意見が出たのでした。
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・そもそも、世には”選択肢”がない人が、
確かに存在している。
・「社会的な悪いこと」と頭でわかっていても、
生きる手段として、それらを選ばざるを得ない人がいる。
・自分達は選択肢があるから、
良いとか悪いとかいう余裕があるけど、
自分がその状況だったら、どうするだろうか。
・また「愛情」とか「善悪」の形は
社会が決めた価値観で、くくれない。
・今の世の中は「価値観」の正解を決めて、
そのルールの中にいる人を「○☓」をつけるもの。
・ただそれらは、社会が変わればスグ変わる、脆いもの。
・そのことに気づいた上で我々は「道徳」というものを、
どう考えているか。その上で、人を受け入れたり、
批判したりしているだろうか、
-----------
、、、
というような意見。
妻と私、それぞれ、視点が全く
違っていて、実に面白かったのです。
本当に面白く(という表現が適切かわかりませんが)、
とてもお勧めの一作です。
■ちなみに、
この映画の深い部分にある問いの一つとして、
「道徳とはなんぞや?」
というものが含まれている、
と私は感じます。
人が人を裁き、
そして戦争にも関わる、
人類と同じ年輪を重ねたテーマが「道徳」です。
*
そして、社会的問題でもある、
この問いを考えるにあたって併せてお勧めしたいな、と感じる
「お勧めの一冊」があります。
それは、
『東大理系教授が考える 道徳のメカニズム』
(著:鄭 雄一)
http://amzn.asia/dwDi5Qg
という本。
東大の理系教授が、
「道徳とはなんぞや?」
というテーマに切り込んだ本で、
今回の映画にも関わる、
「万引きは”悪”か?」
「殺しは”悪”か?」
「嘘をつくことは”悪”か?」
ということを、ロジカルに、
深く考えさせてくれる一冊。
「一人殺せば殺人、100万人殺せば英雄」
という戦争について考えさせられる言葉がありますが、
このことについても一つの「理系的考え方」を示してくれる本です。
※以下URLから要約が2分でよめます。
https://ddnavi.com/news/243419/a/
(引用:「人を殺すのは悪いこと? 善いこと?」という問いに理系教授が答える)
、、、ということで、
前置きが大変長くなってしまいましたが、
『万引き家族』
とってもよかった、というお話でした。
■さて、本日のお話です。
最近、私がとても大切にしたい、
と思う言葉に出会いました。
それは、
『会者定離』
という言葉。
今日は、この言葉の意味ついて、
ぜひ皆様に思うところを、
ご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「会者定離」という太古からの原則から考える
”今、この時を大切にする”ということ】。
それでは、どうぞ。
■『千古不易』という四字熟語があります。
この言葉の意味は、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
せんこ-ふえき(千古不易)
永遠に変化しないこと。価値などが長年にわたり変化しないこと。
「千古」は太古、遠い昔。
また、そのときから現在に至るまでの長い時間。
「不易」は変化しないこと。
「易」を「えき」と読むときは変わる、変化するの意。
(Goo辞書より引用)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という意味だそう。
■すなわち、
”人が持つ「原則」「定め」みたいなもの”
というとシンプルですね。
そして、「千古不易」(=太古から変わらぬこと)の
一つのルールとして、
【会者定離】
というものがある、
という話を聞きました。
この言葉は、
”出会ったものは(=会者)、
必ず離別する(=定離)”
ということ。
■どれだけ今の関係が深かろうと、
またずっと続く関係だと思われても、
”出会ったものは、必ずどこかで離れる”
のです。
それが、深い深い関係である、
・母と息子であれ、
・夫と妻であれ、
・親友とのつながりであれ、
・苦楽を共にした仲間であれ、
・仕事で歩む同僚・部下であれ、
・師匠と弟子であれ、
、、、
必ず、どこかで離れる「定め」がある。
このことを考えた時に、
しみじみと、
『今、この時を大切にしたいものだ』
と思ったのでした。
■大好きな人であれ、
イヤな人であれ、必ず人は別れるもの。
そして、
「人生はずっと続くものではない」
と深く考えてみると、
”今、目の前の人との縁を大切にする”
ということ、
ともすれば綺麗事に聞こえるこの言葉が持つ重みを、
考えさせられます。
■きっと皆様も、今日一日、
人と出会って、
そして仕事をしたり、
共に語らったりもするのでしょう。
そんな時、
【会者定離】(=出会ったものは必ずいつか離れる)
という今この時の大切さを考えてみると、
また、その時間が違った意味を持つようにも思います。
何事も解釈次第。
ぜひ、今この時を、大切にしていきたいものだ、
そんなことを、
『万引き家族』も観ながら
強く思った次第です。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
本日も、皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
ひとりの人と友人になるときは、
その人といつか必ず絶交する事あるを忘るるな。
石川啄木
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