東京ステーションホテルの歴史から考える「細部に宿る物語」を知ることが人間の厚みを深める、という話
(本日のお話 1707字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日金曜日は、2件のアポイント。
東京大学の学生でありながら、
教育事業でのスタートアップをしている、
エデュプラの鈴木社長と情報交換など。
若い起業家の可能性と、
お互いの想いを交換しながら、
本当に興奮した時間でした。
*
またその日は、東京駅と一体化している、
「東京ステーションホテル」にて、
とある会合に参加させていただきました。
そこで、東京ステーションホテルの広報担当の方に、
ホテルにまつわるエピソードを聞かせていただいたのが,
大変刺激的かつ、感動を覚えたのでした。
学ぶことも多いと同時に、考えさせられる内容でしたので、
本日はそのお話を皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【東京ステーションホテルの歴史から考える、
「細部に宿る物語」を知ることが人間の厚みを深める、という話】。
それでは、どうぞ。
■「東京ステーションホテル」。
東京駅を使ったことがある方は、
必ずや一度は目にしたことがあるはず。
説明によると、
”国指定重要文化財である
東京駅・丸の内駅舎の中に位置し、
100年以上の歴史を誇る唯一無二の名門ホテル”
とされる、日本を代表する大変有名なホテルです。
※こんなホテルです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
■東京駅ができたのが1914年です。
そして東京ステーションホテルができたのが1915年。
日本の中心で、
戦争を乗り越え、
東京大空襲のときも乗り越え、
日本の経済の発展を見守りながら
100年の時を刻み、今に至るこのホテル。
普通に見ているだけだと決して気づかない、
”重要なメッセージ”が、このホテルに込められている、、、
そんなお話を先日伺い、大変感動したのでした。
■ちなみに皆様は、
「東京駅のレンガ造りの建物」
を、近くでまじまじと
眺められたことはありますでしょうか?
、、、実は、このホテル、
よくよく見てみると、1・2階と、3階で、
レンガの『色』が違っています。
3階は、濃い茶色。
2階と1階は、薄い茶色になっています。
なぜそうなっているのか。
それは、
戦争の時に空襲で破壊されたものを、
その後に、修復されたからだそう。
だから色が違って見えるのです。
■そして、非常に興味深かったのが、
この、
「修復」
にまつわるエピソードを聞いたことでした。
これまた、聞かなければわからない話なのですが、
1階2階のレンガをよくよく眺めてみると、
レンガ1枚1枚をつなぐ”目地”が、
「かまぼこ」のように盛り上がる装飾がされていることが判ります。
、、、しかし、戦前、
この「かまぼこ」のような
”目地”をつくる技術があったけれど、
戦後、その技術は継承されていなかったそうです。
■戦後、空襲で壊れた東京ステーションホテルを、
修復するために、日本全国から優秀な職人が集まってくる。
しかし皆が言ったのが、
「こんな技術は知らない。できない」
という言葉だったそう。
しかし、戦前から戦後を越え、
そして国指定重要文化材として日本の真ん中にある、
この建造物を、当時の姿のまま復活させよう。
わずか”目地”というものだけれど、
それは、ある意味、
”戦前の職人から、戦後の職人への挑戦”
でもあるように思えた。
だからこそ、先人の想いと、
そのありのままの形を復元しようとし、
創業当時のままの目地の技術を習得し反映させた、、、
そんなお話を伺ったのでした。
■この話から思ったこと。
それは、おそらく、東京駅を通り過ぎる人の、
0,1%も気づかないであろう
『レンガとレンガの間の「目地」』
というごく僅かな「細部」でも、
そこには、関わる人の想いがあり、
継承されてきた歴史がある、ということ。
そして、その事実を知るだけで、
”圧倒的な深み”を感じるのだな、
ということなのでした。
■何気ない、たった一つの装飾や、
色、形、文字。
自分の身の回りにある、
様々なものは、自分が知らないだけで
誰かが何かの意図を思って”存在する”
可能性が大いにあるのです。
そして思うのですが、私達が
そのような「そのものの存在理由」を知ることは、
すなわち、
『人としての”厚み”を持つ』
(=見えないものを感じる心をもつ)
ことになる、と思ったのです。
そしてそのためには、
【細部に宿る物語】
に対して、アンテナを立てる事ができること
なのではないだろうか、
と思うのです。
■「一を聞いて十を知る」
という『論語』で有名な言葉があります。
先程の「目地」の話ではないですが、
一つのことを知り、そこに秘められている
・職人たちの紡がれてきたバトン、
・職人の誇り
・戦争の悲惨さ、
・100年という歴史の長さ、、、
・建造物の技術の深み
そんな多くのことを感じ取れるようになることは、
まさしく「一を聞いて十を知る」ような人なのでしょう。
身の回りにある一つ一つの
【細部に宿る物語】
を知ること。
それが、「厚みある魅力的な人物」になるために、
ひとつ、大切なことではなかろうか、
そんなことを、思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
無駄なもの、無用なもの、余計なもの、
多すぎるもの、何の役にも立たないもの、
それが私は好きだ。
ヴィクトル・ユーゴー
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