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1734号 2018年11月16日

我々現代人は、もしかすると「奴隷」になっているのかもしれない

(本日のお話 1885字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。

また、お世話になっている某IT企業の
管理職の皆さまに『7つの習慣』の説明会の実施。

皆さま、ワークに積極的にご参加いただき
大変話しやすく、楽しい場でした。
(U社の皆様、ありがとうございました!)

また夜からは、
『Nexting経営者倶楽部』なる、
経営者、医師、士業の先生などが集まる、
学びの場に参加。


ゲストは、東工大の教授であり、
文化人類学者である上田紀行先生。

講演を聞き、その後、
先生も含めて飲みに行くという、
なんとも贅沢な時間でした。



さて、本日のお話です。

昨日、上田紀行氏のお話のテーマは、
今流行りの「リベラルアーツ」。

その内容が、非常に有意義で、
感銘を受けると共に、

「現代人の私達のスタンス」

について、深く考えさせるものでした。

本日は、昨日の学びも含めて、
皆さまにご共有させて頂きたいと思います。


タイトルは、


【我々現代人は、もしかすると「奴隷」になっているのかもしれない】。


それでは、どうぞ。


■「リベラルアーツ」という言葉。

少し前から流行っていますね。

Amazonで

”リベラルアーツ”
”教養”

と検索すると、
ものすごーくたくさんの
書籍が登場してきます。

それくらい、時流に乗っているテーマだなと思う、
そんなキーワードです。



ちなみに、そもそも

『リベラルアーツ』

とは、一体何なのでしょうか?

この言葉を、調べてみると、
以下の事がわかりました。

”古代ギリシア(紀元前400~300年前)に源流を持ち、
「奴隷から自由市民」になるための学問”

とのこと。

その言葉を見ても、

「リベラル」(=自由にする)×「アーツ」(=技法)

ということで、

”私達が自由になる学問”

である、というのがそもそもの言葉の由来だそうです。


■もう少し掘り下げてみると、
更に面白い事がわかります。

それは、

”「奴隷」と「自由市民」”

という言葉の定義。

古代ギリシアでは人の身分は2つで
「奴隷」、あるいは「自由市民」であったと言われます。

そして、有名なアリストテレス先生によれば、
それぞれの言葉の定義は、以下のようなものである、とのこと。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「自由市民」・・・政治、共同体の運営、哲学、知の探求に生きる人たち

「奴隷」・・・自分の頭でものを考え、真理を探求することはないが、
       主人の命令に従えるくらいの知性は持っている人
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。


そして、上記の2つの定義を読み流さず、
今一度、よーく、考えてみてほしいのです。

そして、こう、問うてみてほしいのです。


・自分は、どちらに当てはまるだろうか?

・今の世の中に生きる人は、
 果たして、自由市民と奴隷、どちらなのか?

・私達は、真理を探求しようとしているのだろうか?

・もしかすると、思考を放棄して、
 主人(会社・周り)の命令に従っているだけではなかろうか?


、、、と。
 

■そんな視点で見てみると、
ふと疑問が浮かびます。


「現代の私達は、”自由市民”に見えて、
 実は、誰かの命令に従って生きる”奴隷”ではなかろうか?」


と。



東工大という、
日本を代表する理系の大学で、
リベアルアーツセンターを作った上田氏は、
こんな話を語られていました。


「今の世の中は、”すぐに利益になるもの”を求める。

 物理、数学、英語、化学。受験にはこれが役に立つ。
 だから学生も、そればかり勉強する。

 そして大学も20年間、そのことに集中してきた。

 しかし、その結果

 ”誰かが作った問いは解決できる”し、
 ”答えがある問題を解く”ことは早い、

 そんな人材が増えた。

 しかし、今、答えがない世の中で、
 大事なことは、答えがある問題を早く答えることではない。

 最も大事なのは、

 『自ら問いを立てること』

 なのである。
 
 そしてそれこそが、AIと人間の違いである」

、、、

そんなお話が印象的だったのでした。



■今の日本の世の中の構造も、
現代の資本主義のこの流れも、
少し学んだだけで、戦後に拡大した数十年の
ごく僅かな歴史しか持たないことに気付きます。

今は当たり前とされるものを、盲目的に信じるのか。

それとも、深く考えるのか。

誰かが出してくれた課題、問題を解くことに終止する。

あるいは、現代の、会社の問題点を自ら考えるのか。

、、、そしてその答えによっては
もしかするとキツい表現になりますが、
アリストテレス先生の言う、

「奴隷」

と同じいなっているのかもしれません。


というわけで、


・世の中を俯瞰してみること

・何が正しいのか、考えようとすること

・世界の理に興味を持ち、探求すること

・自ら問いを立てること

、、、すぐに役に立つことが注目される世の中ですし、
私自身も、その文脈に生きています。

とはいいつつも、
己の「知性」を高めるため、
そして、「自由な精神」を獲得するため、
学び続けることが大事なのだろうな、

そんなことを強く思った次第です。

自戒を込めて。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。


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<本日の名言>

見聞を広くしなければならぬ。
小さな考えでは世に立てぬ。

大村益次郎
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