今週の一冊『幻獣ムベンベを追え』
(本日のお話 1454字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、大変濃厚な
『システム・コーチング』の
ワークショップの2日目でした。
大変よい学びであったと共に、
そこでお会いした人材育成に関わる方とのご縁が、
とても素晴らしい機会でした。
思うのですが、外の世界に足を運び、
自分の興味がある領域を探求すると、
自分と同じような「志」や「想い」を持つ人と出会えたりします。
それが実は人生を変える転機になることもあるし、
私もそうやって、自分のキャリアが拡がってきたな、
と振り返って思います。
ということで、
「外の世界に出てみること」
とても大事なことだよな、
と改めて思った、連休の2日間でした。
*
また家に帰った後は、
酷使した頭を緩めてみよう、ということで
Amazonプライムビデオにて、
『アイアムアヒーロー』
という、日本のゾンビ映画(?)を
妻と夜中まで鑑賞しておりました。
私はゾンビ映画が結構好きなのですが、
日本の作品の中では、秀逸な作品でした。
出演している有村架純さんが、
非常にかわいいのもGOODです。
ゾンビ好きには、
オススメの作品でございます。
■さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、オススメの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『幻獣ムベンベを追え』(著:高野 秀行)
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です。
■先日、本棚を大きなものに買い替えました。
その際に、以前使っていた本棚の
奥の段に眠っていた本が色々出てきました。
そんな中、久しぶりに目にして、
そして感動を覚えた本が、この
『幻獣ムベンベを追え』
でした。
*
この本の内容は、
”当時大学生だった著者が、10人の仲間を連れて、
コンゴ共和国(アフリカの真ん中あたり)に潜む、
「幻獣ムベンベ」を見つけるために、78日間の探検の旅にでた”
というノンフィクションの話を、
書き記した話です。
著者の高野氏は、
早稲田大学探検部に所属していました。
そして、ふとしたきっかけで、
「幻獣ムベンベ」の話を聞き、
それを写真で収めよう、という冒険に出ることを決めるのです。
つまり、
「怪獣を探そう!」
という大学生の悪ノリを
大真面目に実行した、という話。
■そして、そこで起こる内容が、
非常にクレイジーなのです。
詳しくはぜひ読んで頂きたいのですが、
・文明がまったくない、
何もない場所での命がけでのサバイバル
・ジャングルの奥地でマラリアにかかって死にかける話
・食料がなくなり、ゴリラを倒して食べた話
・原住民との争いに巻き込まれた話
、、、
などなどを、
シリアスではなく、
その体験を、面白おかしく、
ユーモラスに描いています。
カワウソに猿に、ゴリラ、蛇、チンパンジー、、、
何でも食べた後は、次は人肉食か、、、
という、本音とも冗談とも言えない、
極限の人間の真理も、率直に書いており、
それらも含め、興味深いのです。
本が書かれたのが、
著者が大学時代のため、
文章も、平易でシンプルな言葉が多いのですが、
だからこそ、日記のように、
純粋な感情、気持ちが伝わってきます。
■少し真面目なお話をすると、
古来中国の「老子」「荘子」で言われた言葉で
『無用の用』
という言葉があります。
これは
”役に立たないように見えるものでも、
かえって役に立つこともある”
という意味とのこと。
つい、今の資本主義の世の中だと、
真面目になりがちなこともありますが、
こういった
「クレイジーな話」
「意味もないけどワクワクする話」
こそが、実は人生の面白さを、
教えてくれるようにも感じます。
意味がない、と人は言う。
でもワクワクする。
だから、やってみたい。
くだらないかもしれないけど、楽しい。
誰しもに眠る、
「子供心」と「冒険心」を思い出させてくれる、
そんな一冊でございます。
回りくどく言ってしまいましたが、
普通に面白く、笑える(そして考えさせられる)ノンフィクションです。
ご興味がある方は、ぜひ。
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<今週の一冊>
『幻獣ムベンベを追え』(著:高野 秀行)
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