今週の一冊『組織の未来はエンゲージメントで決まる』
(本日のお話 2032字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
『「人生のミッションを定める」自己探求ワークショップ(1日)』
の実施でした。
経営者の方から、人事のプロ、コンサルタントを始め、
若い方からベテランの方まで、実に多くの方にご参加いただきました。
こういう「ミッションを探求する」みたいなことは、
1人でやろうと思っても、なかなかできないものです。
でも、とっても大事なことでもあります。
ゆえに集まって、半強制的に時間を取ることは、
波及効果がものすごく多い、最高の投資活動だよな、、
改めてそんな風に感じた1日でした。
(ご参加いただきました皆さま、
改めてありがとうございました!)
また年明け頃、やりたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、オススメの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『組織の未来はエンゲージメントで決まる』
(著:新居佳英)
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です。
■最近いたるところで、
「働き方改革」
という言葉を耳にするようになりました。
その他、
パワハラ、モラハラ、マタハラ、、、
なんだかやりすぎじゃないか、
という気もしないでもないですが、
日本の職場環境も、
大きく変わってきている様子です。
■もちろん、世論がうるさい、国がうるさいから、
本当は興味はないけど「働き方改革」と言っている、
という企業もあるでしょうが、
同時に、”人材不足”という、
構造的な問題に対して、
”このまま、会社が社員に対して、
愛想を尽かされたら本当にやばい”
という危機感を覚えている会社も、
少なからずあるように思います。
■終身雇用制度が崩れている、
これまたずっと前から言われていること。
しかし、とはいっても、
「会社がなんとかしてくれるだろう」
と未だ、思う従業員もいるだろうし、
「とはいっても、一生勤め上げるものだろう」
と思っている、上司、経営側も、
少なからずいるかもしれません。
どのような考えを持っているのかは、
人によりけりですし、自由ですが、
一つ言えることは、
『「優秀な人材」は、
会社が何も与えてくれなければ去っていく』
ということは間違いなく言える、
それは事実だと思うのです。
■そして、今回ご紹介している、
『組織の未来はエンゲージメントで決まる』
というこの本のタイトル。
何を意味しているのでしょうか?
そもそも「エンゲージメント」というと抽象的で、
何を表しているのか掴みづらい言葉です。
そんな「エンゲージメント」を
英語辞書で調べると、こう説明されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『engagement』とは
<主な意味>
・(会合などの)約束、契約、債務、婚約、婚約期間、
雇用、雇用契約、交戦、(歯車などの)かみ合い
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
、、、とのこと。
そして今回の文脈で考えると、
”雇用”というより、
『婚約』
ということに近いようです。
つまり、
「本当は愛していないけど、
お金があるからにいる」
という時代ではなく、
「その人が好きだから。
一緒に歩んでいきたいから一緒にいる
(もちろん、お金も大事だけど)」
に変わってきている、ということでしょう。
つまり、会社と個人の関係性の問題であり
『相思相愛である状態』
が、従業員を組織にコミットする上で、
非常に大事なことである、
ということ。
■そして、なぜこの
「エンゲージメント」
が大変重要なのか。
そのことについて、今回の著書では、
『業績に直結するから』
と伝えています。
この「エンゲージメント」、
組織と従業員の”見えない関係性”を図るツールは、
次々に登場してきています。
そして、その結果世界的な企業で、
「エンゲージメントが高い組織」と「エンゲージメントが低い組織」
を比べると、
エンゲージメントが高い組織のほうが
・収益性が高い
・生産性が高
・離職率が低い
・質の高いサービスを提供できる
・製品の欠陥が少ない
・社員の欠勤が少ない
・イノベーションに強い
という、明らかな結果が現れてきているのです。
それをこの本では、
多くのデータやグラフを用いて、
その事実をいくつも示してくれています。
■そして、加えて悲しいデータもあります。
それは、
『日本はやる気のない社員が7割』
というデータです。
これは2017年5月に、
日経新聞に掲載された記事の抜粋です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
”世論調査や人材コンサルティングを手がける
米ギャラップが世界各国の記号を対象に実施した
従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると
日本は「熱意あふれる社員」の割合が、6%しかないことが分かった。
米国の32%と比べて大幅に低く、
調査した139カ国中132位と、最下位クラスだった。
企業内に諸問題を生む
「周囲に不満を撒き散らしている無気力な社員」の割合は24%、
「やる気のない社員」は70%に達した。”
参考:日本経済新聞 2017年5月27日の記事より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
、、、これは、日本で働く私達にとって、
決して他人事ではないことではないでしょうか。
あまりに切ない結果なのですが、
この話をすると、多くの人事の方が
「わかる、わかる」となるのが、更に切ないのです。。。
■しかしながら、この
「エンゲージメント」
を改善する方法も、存在するのです。
そして今日ご紹介したこの本を読むと、
会社の未来、そして日本の未来に危機感を感じると共に、
「いかに、エンゲージメントが働くために必要なのか?」
を理論的に、豊富な事例を持って、
理解することができるはずです。
*
これからの大きな潮流は、
「エンゲージメント」
です。
今、『Great Place to Work(働きがいのある会社)』ランキングなど、
注目されている調査も増えており、
社員を大切にする会社こそが、
生き残る方向に進んでいます。
ゆえに、人事に関わる人は元より、
経営者、マネジメントに携わる立場の人に、
ぜひ読んでいただきたいと思える一冊です。
きっと、多くの気づきがあるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『組織の未来はエンゲージメントで決まる』
(著:新居佳英)
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