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1757号 2018年12月9日

今週の一冊『日本国紀』

(本日のお話 3063字/読了時間3分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
『ストレングス・ファインダー・ワークショップ(応用編)』
の実施でした。

ストレングス・ファインダーについて、
より深く、活用方法を探求しよう、
というテーマのワークショップでしたが、
私自身、皆さんの考えを知ることができる、
大変楽しい時間でした。

また機会があれば、実施をしたいと思います。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は、

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『日本国紀』(著:百田 尚樹)



=====================

です。



■これは、私がここ数年、
とても強く思うことなのですが、

「日本の歴史」

を知ること、知ろうとすることは、
大変重要なことである、

と、強く感じています。


その理由は、

”私たち日本人の多くは、
 自分の国のことを知らなさすぎる”

そう思うからです。

(自分のことを棚に上げて語っております)



少し余談ですが、
以前、友人からこんな話を聞きました。

その友人は、世界中を旅しており、
海外に留学もして、外資系を渡り歩く、
非常に国際色豊かな女性です。

彼女が以前、こんな体験をした、
と語っていました。


(以下、話の内容の要約です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

”以前、南米に一人旅に行ったときの話。
 民泊で、色んな国の人が集まって談話していた。

 その時、私以外に、もうひとり日本人がいた。
 若い男性で、学生か、20代前半くらいに見えた。

 他のヨーロッパ、欧米、アジアの人が、
 その彼に対して、

 「日本ってどんなところ?」

 と興味津々で質問をした。

 するとその日本人の男性は、
 英語でこんな内容を話していた。

 「日本は、、、、ダメっすね。
  経済もダメ。皆自分の意志が無くて、
  人に合わせるだけだし。良いところなんて何もない。
  だから、将来、海外に行くしかないかな、と思う」

 そんな話から始まり、あれがダメ、これがダメ、
 ここもあそこもイケていない、という
 日本の短所のオンパレードをひたすら語っている。
 
 そして、それを聞いていた何カ国の人は、

 「へー、そうなんだ」

 と、少し残念そうなリアクションをしていた。

 、、、

 それを見ていて、
 私は腹が立って仕方がなかった。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そんなことを、
友人は語っていたのでした。


大人げないので、
その場で罵倒することは避けた、
と言っていましたが、

頭の中では、

・周りの色んな国の人は、
 「日本」に興味を持って聞いてくれたのに、
 悪いところばかり言って、何の意味があるのか
 
・自分が言った一言で、
 そこで出会った外国の人の「日本」への印象が決まる、
 とわかって語ったのだろうか

・日本のことを、長所も短所も知った上で、
 自分の意見として語っているのか


と、色々思うことがあったそうで
彼女が結構な怒りを感じていたのが、
伝わってきたのを、今でも覚えています。


■その話を聞いて、ふと思ったのです。

その若い男性だけではなく、
私を含め、私達は、


「私達が住む、この国(日本)」


をどれだけ知っているのか、と。


何となく住んでいて、
平和な暮らしをしている中、

別に、「日本の歴史」なんてしらなくても、
何不自由なく暮らせる。

別に知る必要もない。

毎月の給料の方が大事。


、、、そう言われれば、
それで終わりかもしれません。


しかし、同時に、
本当にそれでいいのだろうか、
と思うのです。


■これから、思いつくだけでも、

・オリンピックの開催
・移民の受け入れ
・国を越えた経済社会(GAFA)

というような、
”繋がるグローバル社会という文脈”があります。


あるいは、

少子高齢化、GDPもどんどん減っていき、
「課題先進国」かつ、「日本の国難」でもある、

ともいわれる背景もあります。


国は、永続的なものではなく、
実は滅んだり、誕生したりを繰り返す方が、
歴史の中では多数派なのです。


そんな中で、


『「日本」がどんな国で、
 どこから来て、どこへ向かっているのか?』


という根本的な問いに向き合うことは

私達自身の未来を考えることと、
同義なのではなかろうか、

そのように思うのです。



ゆえに、上記の問いを考えることは、


「我々は何者なのか?」


を考える、大切な、大切な問いである、

そう私は、感じています。



■少し話が変わりますが、1年程前、私は、

『家系図』

なるものを作りました。

すると、私(紀藤家)の歴史がわかるのです。

今調べれば、明治の最初の記録がわかります。

私の場合、6代前の、
「利三郎」という人が先祖でした。

1827年生まれ、明治維新より前に生まれ、
そして生きていた自らの先祖が、確かにいるのです。


すると、偶然を重ねた文脈の上に、
”自分の命”があることを、おぼろげながら感じます。


遠い世界だった、
「歴史」というものが身近に感じられるのです。



■「自らの歴史」を大切に思えるようになる。


それは、同時に、

”「誰か他の人の歴史」も大切にできると感じる”

ことと、繋がっています。



”自分を知ること”

”自分のルーツを知ること”

”自分に関わるものを大切にできること”。


それらは、

”誰かの大切なものを愛せること”

にも通ずることです。


自分を愛せない人が、
誰かを愛するのがとても難しいように、

自分に関わることを知り、
愛そうとすることは、

「誰かの大切なもの愛すること」

のために、必須なことである、
私はそのように感じるのです。


ゆえに、

「多様性」とか、
「グローバルな価値観を受け入れる」

と言う前に、自らを取り巻く歴史を、
もっと深く知り、愛することのほうが、
まずは先なのではないか、

と思うのです。


■と、『日本国紀』の本の紹介のつもりが、
私の想いが長くなってしまいましたが、
今週ご紹介しております、この


『日本国紀』


という本。

これは、映画化もされた、
太平洋戦争を描いた『永遠の0(ゼロ)』の百田尚樹氏が手がけた、


【日本通史の決定版】


と言っても良いほどの、
日本のストーリーを理解できる素晴らしい本です。


縄文時代、弥生時代、飛鳥時代。
平安、鎌倉、室町、戦国、そして江戸。
明治維新。アジアの奇跡と呼ばれる成長。
そして、太平洋戦争。そこからの復活。
そして今に至る、この国。

神話から続く日本の壮大な
「歴史という名のストーリー」を、

ポイントに絞って、
学生の教科書の100倍面白い話として、
2000年近くの日本の歴史の旅を、

”一筆書きの物語”

として、彼の視点を交えつつ、
伝えてくれる大作です。


■歴史というのは、どこまで言っても、

”推測”や”解釈”

の要素があるものです。

だから、どこまでが100%信じられるか、
という話には、もちろん賛否両論あります。

しかしながら、それでもなお、

「日本の歴史の骨格」を知るための、

「日本という国の独自性」を知るための、

最高の教科書であり、
教養書になりえる、

そんな一冊です。




もし冒頭に紹介した、
友人のエピソードに登場した
日本人の20代の若者が読んでいたら、

「日本ってどんな国?」

という外国人の質問に対しても、

日本の課題だけではなく、
それらを踏まえた上でもなお、情熱を持って、

”日本の素晴らしさ”

を語ることができたのでは、
と思うほどです。


■私のルーツの半分は、実は中国ですが、
それでも平成が終わる今、
こういった本が世に出たことを、嬉しく思います。


世界で最古の、
「万世一系」の歴史を持つ日本。

その歴史の変遷をたどる旅を、
この一冊を通じて体験いただけるのではないか、

そのように思います。


この本は、大変大事な内容だと思いますので、
「特別企画」として、要約して、
今週皆さまにお届けしたいと思います。


本当に、個人的に、
少しでも多くの方に読んでいただきたい一冊です。


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<今週の一冊>

『日本国紀』(著:百田 尚樹)



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