今週の一冊『日本国紀』
(本日のお話 3063字/読了時間3分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
『ストレングス・ファインダー・ワークショップ(応用編)』
の実施でした。
ストレングス・ファインダーについて、
より深く、活用方法を探求しよう、
というテーマのワークショップでしたが、
私自身、皆さんの考えを知ることができる、
大変楽しい時間でした。
また機会があれば、実施をしたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
今週の一冊のコーナー。
今週の一冊は、
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『日本国紀』(著:百田 尚樹)
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です。
■これは、私がここ数年、
とても強く思うことなのですが、
「日本の歴史」
を知ること、知ろうとすることは、
大変重要なことである、
と、強く感じています。
その理由は、
”私たち日本人の多くは、
自分の国のことを知らなさすぎる”
そう思うからです。
(自分のことを棚に上げて語っております)
*
少し余談ですが、
以前、友人からこんな話を聞きました。
その友人は、世界中を旅しており、
海外に留学もして、外資系を渡り歩く、
非常に国際色豊かな女性です。
彼女が以前、こんな体験をした、
と語っていました。
(以下、話の内容の要約です)
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”以前、南米に一人旅に行ったときの話。
民泊で、色んな国の人が集まって談話していた。
その時、私以外に、もうひとり日本人がいた。
若い男性で、学生か、20代前半くらいに見えた。
他のヨーロッパ、欧米、アジアの人が、
その彼に対して、
「日本ってどんなところ?」
と興味津々で質問をした。
するとその日本人の男性は、
英語でこんな内容を話していた。
「日本は、、、、ダメっすね。
経済もダメ。皆自分の意志が無くて、
人に合わせるだけだし。良いところなんて何もない。
だから、将来、海外に行くしかないかな、と思う」
そんな話から始まり、あれがダメ、これがダメ、
ここもあそこもイケていない、という
日本の短所のオンパレードをひたすら語っている。
そして、それを聞いていた何カ国の人は、
「へー、そうなんだ」
と、少し残念そうなリアクションをしていた。
、、、
それを見ていて、
私は腹が立って仕方がなかった。
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そんなことを、
友人は語っていたのでした。
大人げないので、
その場で罵倒することは避けた、
と言っていましたが、
頭の中では、
・周りの色んな国の人は、
「日本」に興味を持って聞いてくれたのに、
悪いところばかり言って、何の意味があるのか
・自分が言った一言で、
そこで出会った外国の人の「日本」への印象が決まる、
とわかって語ったのだろうか
・日本のことを、長所も短所も知った上で、
自分の意見として語っているのか
と、色々思うことがあったそうで
彼女が結構な怒りを感じていたのが、
伝わってきたのを、今でも覚えています。
■その話を聞いて、ふと思ったのです。
その若い男性だけではなく、
私を含め、私達は、
「私達が住む、この国(日本)」
をどれだけ知っているのか、と。
何となく住んでいて、
平和な暮らしをしている中、
別に、「日本の歴史」なんてしらなくても、
何不自由なく暮らせる。
別に知る必要もない。
毎月の給料の方が大事。
、、、そう言われれば、
それで終わりかもしれません。
しかし、同時に、
本当にそれでいいのだろうか、
と思うのです。
■これから、思いつくだけでも、
・オリンピックの開催
・移民の受け入れ
・国を越えた経済社会(GAFA)
というような、
”繋がるグローバル社会という文脈”があります。
あるいは、
少子高齢化、GDPもどんどん減っていき、
「課題先進国」かつ、「日本の国難」でもある、
ともいわれる背景もあります。
国は、永続的なものではなく、
実は滅んだり、誕生したりを繰り返す方が、
歴史の中では多数派なのです。
そんな中で、
『「日本」がどんな国で、
どこから来て、どこへ向かっているのか?』
という根本的な問いに向き合うことは
私達自身の未来を考えることと、
同義なのではなかろうか、
そのように思うのです。
ゆえに、上記の問いを考えることは、
「我々は何者なのか?」
を考える、大切な、大切な問いである、
そう私は、感じています。
■少し話が変わりますが、1年程前、私は、
『家系図』
なるものを作りました。
すると、私(紀藤家)の歴史がわかるのです。
今調べれば、明治の最初の記録がわかります。
私の場合、6代前の、
「利三郎」という人が先祖でした。
1827年生まれ、明治維新より前に生まれ、
そして生きていた自らの先祖が、確かにいるのです。
すると、偶然を重ねた文脈の上に、
”自分の命”があることを、おぼろげながら感じます。
遠い世界だった、
「歴史」というものが身近に感じられるのです。
■「自らの歴史」を大切に思えるようになる。
それは、同時に、
”「誰か他の人の歴史」も大切にできると感じる”
ことと、繋がっています。
”自分を知ること”
”自分のルーツを知ること”
”自分に関わるものを大切にできること”。
それらは、
”誰かの大切なものを愛せること”
にも通ずることです。
自分を愛せない人が、
誰かを愛するのがとても難しいように、
自分に関わることを知り、
愛そうとすることは、
「誰かの大切なもの愛すること」
のために、必須なことである、
私はそのように感じるのです。
ゆえに、
「多様性」とか、
「グローバルな価値観を受け入れる」
と言う前に、自らを取り巻く歴史を、
もっと深く知り、愛することのほうが、
まずは先なのではないか、
と思うのです。
■と、『日本国紀』の本の紹介のつもりが、
私の想いが長くなってしまいましたが、
今週ご紹介しております、この
『日本国紀』
という本。
これは、映画化もされた、
太平洋戦争を描いた『永遠の0(ゼロ)』の百田尚樹氏が手がけた、
【日本通史の決定版】
と言っても良いほどの、
日本のストーリーを理解できる素晴らしい本です。
縄文時代、弥生時代、飛鳥時代。
平安、鎌倉、室町、戦国、そして江戸。
明治維新。アジアの奇跡と呼ばれる成長。
そして、太平洋戦争。そこからの復活。
そして今に至る、この国。
神話から続く日本の壮大な
「歴史という名のストーリー」を、
ポイントに絞って、
学生の教科書の100倍面白い話として、
2000年近くの日本の歴史の旅を、
”一筆書きの物語”
として、彼の視点を交えつつ、
伝えてくれる大作です。
■歴史というのは、どこまで言っても、
”推測”や”解釈”
の要素があるものです。
だから、どこまでが100%信じられるか、
という話には、もちろん賛否両論あります。
しかしながら、それでもなお、
「日本の歴史の骨格」を知るための、
「日本という国の独自性」を知るための、
最高の教科書であり、
教養書になりえる、
そんな一冊です。
*
もし冒頭に紹介した、
友人のエピソードに登場した
日本人の20代の若者が読んでいたら、
「日本ってどんな国?」
という外国人の質問に対しても、
日本の課題だけではなく、
それらを踏まえた上でもなお、情熱を持って、
”日本の素晴らしさ”
を語ることができたのでは、
と思うほどです。
■私のルーツの半分は、実は中国ですが、
それでも平成が終わる今、
こういった本が世に出たことを、嬉しく思います。
世界で最古の、
「万世一系」の歴史を持つ日本。
その歴史の変遷をたどる旅を、
この一冊を通じて体験いただけるのではないか、
そのように思います。
この本は、大変大事な内容だと思いますので、
「特別企画」として、要約して、
今週皆さまにお届けしたいと思います。
本当に、個人的に、
少しでも多くの方に読んでいただきたい一冊です。
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<今週の一冊>
『日本国紀』(著:百田 尚樹)
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